『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第14章  焼討炎上  3

2008-06-17 08:18:40 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 兵は引き立ててきた男を王の前に突き出した。
 『この男、どうも怪しい!池の近くの草むらの中に隠れていたのを引きずって来たのだが、こ奴、トロイ城市の人間ではない。問いただして調べれば、この木の化け物の正体についてもばらすと思われる。どうしましょう。』
 『よし!手荒くやっていい。取り調べろ。はかせるのだ。』
 捕らわれてきた男の顔が引きつった。そして、わめいた。
 『くそっ!ギリシアの者どもめ!同じギリシア人なのに、本当に情けない。この俺をいたぶりやがって、そのうえ、俺をほっぽり出して、手前等は、尻尾を巻いて逃げ帰る。なんて奴等だ!くそっ!大馬鹿野郎どもめ!くそっ!馬鹿ったれめ。』
 シノンは、乱暴に悪態をついた。
 『こらっ!お前、何をほざいている。なんて名前だ言えっ!仲間に嫌われたわけは何だ。お前の仲間が逃げていったのに、お前は何でここにいる?わけを言え。どうせ、お前は生かしておくわけにはいかないんだ。どうせ死ぬ身だ。嫌なら言わなくていい。首をはねる。しかし、場合によっては、生かしてやらんでもないぞ!さあ~っ、わけを言え、全てを言えっ。その馬の正体についても話せ、白状しろ!』
 槍のこじりで突きながらどやしつけた。