ユールスは、狩猟とは何なのか、知っているわけではない。人間以外の生物の命を自分の命に代えて人間が生きていく、この生物と対峙し、この生物の命を奪う。その時の心理的な葛藤をどのように話すか大変に難しいことと感じた。それを幼いユールスに説く、いまは彼に判らなくてよい、いずれそのことに気づくときが訪れた時に判ればいいとして話すことにした。
対峙する生物、相手に対しては憎しみもなければ、怨みもない。『お前の命が俺の命を養う、お前に感謝する。いいな』これだけでそのものの命を絶つ、それでよしとした。
自分たちが闘いの場において、人と人とが命を掛けて対峙し、闘わねばならないときは、そのときはそのときだ。それについては彼が長じて機会がおとずれたときにまた伝えるとした。
東の空の星の光が消えていく、黎明の訪れである。陽の昇り来るときが迫っていた。
アエネアスは立ちあがった。従者たちに合図を送り起こした。従者の一人にユールスを託し、二人を従えて半弓をたづさえて森へと向かった。三人は夜の明けきっていない森の中を進んだ。適当な間隔で散開して進んでいく、下草は柔らかく朝露とあいまって足音を消した。彼の心気はきりきりと緊張した。
対峙する生物、相手に対しては憎しみもなければ、怨みもない。『お前の命が俺の命を養う、お前に感謝する。いいな』これだけでそのものの命を絶つ、それでよしとした。
自分たちが闘いの場において、人と人とが命を掛けて対峙し、闘わねばならないときは、そのときはそのときだ。それについては彼が長じて機会がおとずれたときにまた伝えるとした。
東の空の星の光が消えていく、黎明の訪れである。陽の昇り来るときが迫っていた。
アエネアスは立ちあがった。従者たちに合図を送り起こした。従者の一人にユールスを託し、二人を従えて半弓をたづさえて森へと向かった。三人は夜の明けきっていない森の中を進んだ。適当な間隔で散開して進んでいく、下草は柔らかく朝露とあいまって足音を消した。彼の心気はきりきりと緊張した。
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