エドモン浜頭のやわらかい目つきが真剣なまなざしに変わった。彼はどのように言おうかと考えた。
『ミノス王、彼の言い分は、どうもこのようであったらしいと思われる。このクレタの民は平和を好み、平和をこよなく愛している、心優しい民だ。関係する諸国とは和で結ばれていかねばならん。交易による立国、俺の寝起きする館は、商住隣接で建ててくれというわけで、館と集散所が合体した建物としたのですな。くずれてしまった建物の数倍大きな建物を崩壊した建物の上に建てたのです。その館があまりにも豪壮にして立派な建物であったので、人々は『これは館ではない、ミノス王の住む宮殿だ』ということになったのです。王の考えのすごいところは一番下の階に1000個以上に及ぶ小部屋をつくり、訪れる旅の交易人の宿に使った。また、この数ある小部屋を4階建ての建物の基礎として、でっかい館を建造したのではないかと考えられます。如何に、このミノス王の治政が素晴らしかったかと思われるところですな。クレタの繁栄が、このクノッソスを中心にして展開したものと思われます。この島うちでは争い事が起こっていない、クレタの島民は、本当に心の優しい民なのです。地続きで他国と接することもない、海を隔てた諸国との交易に多忙で武器を手にして戦うこともなく、いや、その様な争いをする暇がなかったといえますな。交易による利益に重きをおいて経世済民の政治をしたと思われます』
イリオネスは、エドモン浜頭の話に真剣に耳を傾け拝聴といった姿勢で聞き入った。彼はここまで仔細に及ぶ話を聞けるとは思ってはいなかった。浜頭の主観も入っていると思われるが、すべてが納得できる事柄であった。
『いやいや、イリオネス殿、私の話はいかがですかな?』
『はい、聞いていまして、とても興味の深まる話です。このミノス王の政治思考は大変に素晴らしかったことがしのばれます。心が震えました』
『そうですか。話しながら、自分の話に感じ入っています。これが今ならという感慨に感じ入っています』
二人は目を合わせて、頷き合った。
『ミノス王、彼の言い分は、どうもこのようであったらしいと思われる。このクレタの民は平和を好み、平和をこよなく愛している、心優しい民だ。関係する諸国とは和で結ばれていかねばならん。交易による立国、俺の寝起きする館は、商住隣接で建ててくれというわけで、館と集散所が合体した建物としたのですな。くずれてしまった建物の数倍大きな建物を崩壊した建物の上に建てたのです。その館があまりにも豪壮にして立派な建物であったので、人々は『これは館ではない、ミノス王の住む宮殿だ』ということになったのです。王の考えのすごいところは一番下の階に1000個以上に及ぶ小部屋をつくり、訪れる旅の交易人の宿に使った。また、この数ある小部屋を4階建ての建物の基礎として、でっかい館を建造したのではないかと考えられます。如何に、このミノス王の治政が素晴らしかったかと思われるところですな。クレタの繁栄が、このクノッソスを中心にして展開したものと思われます。この島うちでは争い事が起こっていない、クレタの島民は、本当に心の優しい民なのです。地続きで他国と接することもない、海を隔てた諸国との交易に多忙で武器を手にして戦うこともなく、いや、その様な争いをする暇がなかったといえますな。交易による利益に重きをおいて経世済民の政治をしたと思われます』
イリオネスは、エドモン浜頭の話に真剣に耳を傾け拝聴といった姿勢で聞き入った。彼はここまで仔細に及ぶ話を聞けるとは思ってはいなかった。浜頭の主観も入っていると思われるが、すべてが納得できる事柄であった。
『いやいや、イリオネス殿、私の話はいかがですかな?』
『はい、聞いていまして、とても興味の深まる話です。このミノス王の政治思考は大変に素晴らしかったことがしのばれます。心が震えました』
『そうですか。話しながら、自分の話に感じ入っています。これが今ならという感慨に感じ入っています』
二人は目を合わせて、頷き合った。