『では、話を続けましょう。クノッソスの王の館が出来上がっていく、王の心中に野望がわいてくる。クレタ全島を交易の島にしてはと考えた。宮殿と集散所を復活させる、島民どもも昔をしのんでいる。昔以上にしてやらねばと考え、クノッソスと同様のものを規模を小さくして、以前のものより3倍くらい大きくして、元の宮殿集散所の場所に造れと命令を下したのですな。それがマリア、ザクロス、フエストスの現在の建物です。それから、この島の東地区は大いに繁栄したといわれています。この島に不幸をもたらすテラ島が大爆発するのは、その頃から時代が下ること170~180年下っての事らしいですな。この大爆発がこの島に地震、降灰の大災厄をもたらすのです。災厄は全島に及びました。建物は壊れるは、農作物の不作が20年30年と続く、それでも、なお、不作が続き、草も生えない状態が続いたといわれています。それで島民の多くの者たちが、島を捨てて他の土地に移り住んだと言い伝えられています。だが、この島には、ナラやカシの森があちこちにあって木材、木材の加工、造船、土器、青銅器造り等は続けられたらしい。前にも増して木材の伐採が盛んになったらしい、そのあたりの事については定かではありません。それから、100年後あたりから、ギリシアはアカイアの者らが、この島に住み着き始めたと言われています。そのころから100年、また、このクレタに地震です、この地震のもたらした災害は大きくはなかったらしく、震源となったところも定かではなかったのです。それよりも困ったのは人災です。ギリシアは、アカイアの者らが交易とは口では言うが、海賊かと思われる暴虐でもって島の各所に住み着き、島の統治権を王からとりあげ、遂に島の政ごとを行うようになって現在に至っているということです。ギリシア人の暴虐な振る舞いは、その民族の民族性でしょうかね。貴方がたも奴らに虐げられた人たちといえそうですな。同情いたします』
『まあ~、そういったところですが、私らはトロイ民族でありながら、トロイの民族とは、異なる使命を持っている民族と言えるのです。不思議に思われるとは思いますが、、、』
イリオネスは、漠然としている真意を口にした。
『まあ~、そういったところですが、私らはトロイ民族でありながら、トロイの民族とは、異なる使命を持っている民族と言えるのです。不思議に思われるとは思いますが、、、』
イリオネスは、漠然としている真意を口にした。
