浜にはアレテスの姿があった。
『あ~、隊長。お二人で何です?』
『おう、アレテス、来ていたのか。まあ~、ちょっと待て、汗流しのひと浴びをしてくる』
『判りました』
アレテスは、浜にいる者たちと話し合った。一、二拍をおいて、パリヌルスとオキテスが海からあがってきた。
『おう、アレテス、待たせたな。今日は何か用があったのか?』
『いえ、今日は軍団長への近況報告です』
『それはご苦労。漁の成果はどうだ?』
『このところ、連日、大漁続きです』
『それは何よりだ。うれしい悲鳴をあげているのか』
『まあ~、そういったところです。先日は釣り針をありがとうございました。ちょうど、釣り針がなくなりかけていたところだったのです。助かりました。漁は、いい仕掛け、いい釣果です』
『そうかそうか、それは何よりであった』
『この目でも見る、耳にもしました、新艇の事。海上を行く姿を見たのですが、カッコイイ!新艇ですね。一度乗せてください』
『おう、判った。遠慮せずにいつでもいいぞ。待て!今日、新艇で小島へ帰れ。いま、ドックスを呼ぶ』
『お~い、ドックス!』
パリヌルスは大声をあげた。
『おう、ドックス、いま、なにをやっている?』
『はい、新艇の点検を終えたところです』
『そうか、アレテスを新艇で小島へ送ってくれないか。島を西回りで行け』
『判りました。アレテス隊長、行きましょう』
『おう、ありがとう』
アレテスは、パリヌルスとオキテスに一言告げて浜をあとにした。
『アレテス隊長、櫂を握ってみますか?』
『おう、いいな。握ってみる』
アレテスは、ドックスの言うままに漕ぎ座に就いた。ドックスが声をかける、漕ぎかたが櫂操作を始める、艇が軽く波を割り、進み始めた。
艇が島の北端に到り、方向を転じる、ドックスが西風を読む、展帆の指示を出す、艇が瞬時に帆走にうつる、アレテスは安定した展帆走行を体感した。新艇は島の東端を廻って、アレテスが降りる渚に艇をつけた。
『ドックス、ありがとう。素晴らしい乗り心地だった。感激感激だ』
彼は礼を言って下船した。アレテスは新艇の新しい帆のカタチ、操作の簡単さに目を見張り、新しい艇の走りに感動して興奮を抑えがたかった。アレテスを浜で迎えた小島の一同は彼から新艇の試乗感を聞いた。
『新艇に乗った感じか。漕いで走る分には変わるところがない、櫂操作が軽かったな。それが第一印象だ。次は展帆航走の印象だが、走りの安定性が素晴らしいの一語に尽きる。一枚帆と違うとすればそのことだ。それを思うと未来は、こんな船かなと思う』
アレテスは、新艇の印象をこのように語った。
『あ~、隊長。お二人で何です?』
『おう、アレテス、来ていたのか。まあ~、ちょっと待て、汗流しのひと浴びをしてくる』
『判りました』
アレテスは、浜にいる者たちと話し合った。一、二拍をおいて、パリヌルスとオキテスが海からあがってきた。
『おう、アレテス、待たせたな。今日は何か用があったのか?』
『いえ、今日は軍団長への近況報告です』
『それはご苦労。漁の成果はどうだ?』
『このところ、連日、大漁続きです』
『それは何よりだ。うれしい悲鳴をあげているのか』
『まあ~、そういったところです。先日は釣り針をありがとうございました。ちょうど、釣り針がなくなりかけていたところだったのです。助かりました。漁は、いい仕掛け、いい釣果です』
『そうかそうか、それは何よりであった』
『この目でも見る、耳にもしました、新艇の事。海上を行く姿を見たのですが、カッコイイ!新艇ですね。一度乗せてください』
『おう、判った。遠慮せずにいつでもいいぞ。待て!今日、新艇で小島へ帰れ。いま、ドックスを呼ぶ』
『お~い、ドックス!』
パリヌルスは大声をあげた。
『おう、ドックス、いま、なにをやっている?』
『はい、新艇の点検を終えたところです』
『そうか、アレテスを新艇で小島へ送ってくれないか。島を西回りで行け』
『判りました。アレテス隊長、行きましょう』
『おう、ありがとう』
アレテスは、パリヌルスとオキテスに一言告げて浜をあとにした。
『アレテス隊長、櫂を握ってみますか?』
『おう、いいな。握ってみる』
アレテスは、ドックスの言うままに漕ぎ座に就いた。ドックスが声をかける、漕ぎかたが櫂操作を始める、艇が軽く波を割り、進み始めた。
艇が島の北端に到り、方向を転じる、ドックスが西風を読む、展帆の指示を出す、艇が瞬時に帆走にうつる、アレテスは安定した展帆走行を体感した。新艇は島の東端を廻って、アレテスが降りる渚に艇をつけた。
『ドックス、ありがとう。素晴らしい乗り心地だった。感激感激だ』
彼は礼を言って下船した。アレテスは新艇の新しい帆のカタチ、操作の簡単さに目を見張り、新しい艇の走りに感動して興奮を抑えがたかった。アレテスを浜で迎えた小島の一同は彼から新艇の試乗感を聞いた。
『新艇に乗った感じか。漕いで走る分には変わるところがない、櫂操作が軽かったな。それが第一印象だ。次は展帆航走の印象だが、走りの安定性が素晴らしいの一語に尽きる。一枚帆と違うとすればそのことだ。それを思うと未来は、こんな船かなと思う』
アレテスは、新艇の印象をこのように語った。