『艇は船だ。それは一向に構わん。お前、やってくれたな。ありがとう。この件をお前に託したことは間違いではなかった。先を聞こう』
『一枚帆に比べて、帆の全体構造の違いで風のはらみ具合が違います。三角帆の場合は、帆の下部に風をはらみます。四角帆は帆の上部にも風を受けます。それだけ、船を走らせる力になりますが、航走の不安定効果につながります。三角帆には航走を不安定にする力の働きがない、あっても極めて小さいといえます。そして、帆のたるみ構造が風をはらみ、風力を逃さず効果たらしめているように感じる走りでした。風力を帆の中ほどから下部に集中して船を押す、船の走行安定性を感じさせる走りでした。また、今日の帰りの風のような斜め後方から風が船を押す場合に船尾に取り付けている縦方向の三角帆を舳先の帆柱にも設けていいのではないかと考えます。風はらみ効果がよくなると考えられます』
『判った。三本帆柱、三角帆の船舶の走行安定性を理屈で説明してくれた。ギアス、ありがとう。三本帆柱、三角帆を展帆した船の走行安定性が四角帆一枚の船に比べて、どうして走行安定性がいいかの理屈に自信がなかった。ギアス、それをお前が解明してくれた。礼を言うぞ!何となく未来を覗き視た感じだ。俺もまんざらではないな。よし!休んでくれ』
『パリヌルス隊長、貴方は常識の破壊者ですね。今は、まだ、船の帆は四角形がいいと思っている者がすべてと言っていいくらいです。隊長、貴方は素晴らしい人です』
二人は話を終えて立ちあがった。その時、遠くの方からパリヌルスを呼ぶ声が聞こえてきた。
『パリヌルス隊長!』
『おう、ここにいるぞ!何用だ?』
『統領からの伝言です。話し合いを始めるとのことです』
『判った。ギアス、ありがとう。統領からの呼び出しだ、俺は行く』
ギアスは、歩き始めたパリヌルスの背中を尊敬のまなざしで見送った。
このような男たちが未来を構築していくのであろうかとギアスは感慨を深めた。
『一枚帆に比べて、帆の全体構造の違いで風のはらみ具合が違います。三角帆の場合は、帆の下部に風をはらみます。四角帆は帆の上部にも風を受けます。それだけ、船を走らせる力になりますが、航走の不安定効果につながります。三角帆には航走を不安定にする力の働きがない、あっても極めて小さいといえます。そして、帆のたるみ構造が風をはらみ、風力を逃さず効果たらしめているように感じる走りでした。風力を帆の中ほどから下部に集中して船を押す、船の走行安定性を感じさせる走りでした。また、今日の帰りの風のような斜め後方から風が船を押す場合に船尾に取り付けている縦方向の三角帆を舳先の帆柱にも設けていいのではないかと考えます。風はらみ効果がよくなると考えられます』
『判った。三本帆柱、三角帆の船舶の走行安定性を理屈で説明してくれた。ギアス、ありがとう。三本帆柱、三角帆を展帆した船の走行安定性が四角帆一枚の船に比べて、どうして走行安定性がいいかの理屈に自信がなかった。ギアス、それをお前が解明してくれた。礼を言うぞ!何となく未来を覗き視た感じだ。俺もまんざらではないな。よし!休んでくれ』
『パリヌルス隊長、貴方は常識の破壊者ですね。今は、まだ、船の帆は四角形がいいと思っている者がすべてと言っていいくらいです。隊長、貴方は素晴らしい人です』
二人は話を終えて立ちあがった。その時、遠くの方からパリヌルスを呼ぶ声が聞こえてきた。
『パリヌルス隊長!』
『おう、ここにいるぞ!何用だ?』
『統領からの伝言です。話し合いを始めるとのことです』
『判った。ギアス、ありがとう。統領からの呼び出しだ、俺は行く』
ギアスは、歩き始めたパリヌルスの背中を尊敬のまなざしで見送った。
このような男たちが未来を構築していくのであろうかとギアスは感慨を深めた。