『そうですか』
『自分を真っさらにして、己が所属する組織を編成して事に挑む。それが俺の目指すところだ』
『いいですね!私も心構えを新たにして、この業務に携わっていきます』
『おっ!そうか、ありがとう。それは何よりだ』
二人は話を交わしながら歩を進めて軍団長の宿舎に着いた。イリオネスが戸口に立って彼らを迎えてくれる。
『おう、ご苦労。統領もいまここにおられる、話し合いを聞いてもらってさしつかえないな』
『え~え、一向にかまいません』
『オキテスはもう来ている。即刻、始めよう』
二人は場についた。
『おう、オキテス、話の進行をお前に任せる』
『はい、判りました』と答えて、オキテスは一同と目を合わせて口を開いた。
『では、先日の話し合いで決定した新艇の建造事業起ち上げに関する話し合いをする。パリヌルス、その概略を話してくれ』
『解った。この業務を遂行するにあたって、その概略を述べる。建造する我々が誇りと出来る最良の品質の新艇を造りあげる。建造の仕事に携わる者が『最良の船を造る』という不退転の心構えでこの業務に取り組む事ができる組織編制で当たることが肝要である。最良の品質の新艇を建造するについて大切なことは、次に述べる三点であると考えている』
パリヌルスはここで一拍をおいた。
『その第一は、最良の船を造るにふさわしい良材の調達。第二は、船を造る最高の技術力。第三は、この業務に携わる者たちが持つべき、最良の船を造るという、モノづくりの心構えである。この三つが最高で最良でなければ、最良の品質を誇る新艇の建造を結果とすることはできない。この業務遂行のための、この三点について具体的に説明する』
彼は、眼差しを改めて説明に及んだ。
『第一の良材の調達について、新艇試作の折にドックスとも話し合ったことでもあるが、建造する船にふさわしい最良の良材こそ、最良の品質の船の完成に通ずるということである。これについて、我々はこのクレタ島について知らないことが多い。良材の調達には、クレタ島の森林に詳しいガリダ一族の手を借りての調達を考えている。第二の船の建造技術力であるが、ドックスが造りあげた新艇をもって評価してもらえばわかると思うが、その造船技術は最高の領域であると認めたい。彼の造船技術は、水準を超えた技術であると認める。彼に任せて高い技術力を組織でもって実現する。この最良の技術力を組織として実行していかなければ、3か月5艇の建造は不可能である』
パリヌルスは、ここでひと息ついた。
『自分を真っさらにして、己が所属する組織を編成して事に挑む。それが俺の目指すところだ』
『いいですね!私も心構えを新たにして、この業務に携わっていきます』
『おっ!そうか、ありがとう。それは何よりだ』
二人は話を交わしながら歩を進めて軍団長の宿舎に着いた。イリオネスが戸口に立って彼らを迎えてくれる。
『おう、ご苦労。統領もいまここにおられる、話し合いを聞いてもらってさしつかえないな』
『え~え、一向にかまいません』
『オキテスはもう来ている。即刻、始めよう』
二人は場についた。
『おう、オキテス、話の進行をお前に任せる』
『はい、判りました』と答えて、オキテスは一同と目を合わせて口を開いた。
『では、先日の話し合いで決定した新艇の建造事業起ち上げに関する話し合いをする。パリヌルス、その概略を話してくれ』
『解った。この業務を遂行するにあたって、その概略を述べる。建造する我々が誇りと出来る最良の品質の新艇を造りあげる。建造の仕事に携わる者が『最良の船を造る』という不退転の心構えでこの業務に取り組む事ができる組織編制で当たることが肝要である。最良の品質の新艇を建造するについて大切なことは、次に述べる三点であると考えている』
パリヌルスはここで一拍をおいた。
『その第一は、最良の船を造るにふさわしい良材の調達。第二は、船を造る最高の技術力。第三は、この業務に携わる者たちが持つべき、最良の船を造るという、モノづくりの心構えである。この三つが最高で最良でなければ、最良の品質を誇る新艇の建造を結果とすることはできない。この業務遂行のための、この三点について具体的に説明する』
彼は、眼差しを改めて説明に及んだ。
『第一の良材の調達について、新艇試作の折にドックスとも話し合ったことでもあるが、建造する船にふさわしい最良の良材こそ、最良の品質の船の完成に通ずるということである。これについて、我々はこのクレタ島について知らないことが多い。良材の調達には、クレタ島の森林に詳しいガリダ一族の手を借りての調達を考えている。第二の船の建造技術力であるが、ドックスが造りあげた新艇をもって評価してもらえばわかると思うが、その造船技術は最高の領域であると認めたい。彼の造船技術は、水準を超えた技術であると認める。彼に任せて高い技術力を組織でもって実現する。この最良の技術力を組織として実行していかなければ、3か月5艇の建造は不可能である』
パリヌルスは、ここでひと息ついた。