『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  650

2015-11-06 03:58:15 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 昼めしを済ませたセレストスは、オキテスの許へと向かう。
 『おう、セレストス、来たか。万端、整っているぞ。安堵せい!まず、箱作りの要員だ』
 『はい!』
 オキテスは、セレストスを連れて、一同が待機している場所へと向かう。
 『彼ら一同のチーフであるマクロス。おう、マクロス、パン工房のセレストスだ』
 『あ~、オキテス隊長、セレストスとは知らぬ仲ではありません。よく知っています』
 『お~、そうか。マクロス、用件は昨日、言った通りだ。宜しくな』
 二人は握手を交わした。オキテスはセレストスの方へ身体を向けた。
 『セレストス、彼に用件は伝えてある。チーフのマクロスに詳細を説明すれば、その通りのものができると思って間違いない、安心して任せればいい』
 『判りました。ありがとうございます』
 『次は、用材の引き渡しだ。それはこっちだ』
 オキテスは彼らを引き連れて、製材の場へと向かう。用材が整然と準備されていた。用材は美しく仕上げられている。サイズを整えて組み立てればいいまでに仕上げられていた。
 一同は、それらを背に負って、製材の場をあとにした。
 パン工房前の広場に着く、そこを作業の場とすることにしていた。
 『おう、マクロスチーフ、打ち合わせしよう』
 『おう!』
 セレストスは、工房の者に言いつけて、焼きあがった堅パンを一同の数だけ持ってこさせる。彼らに配る。
 『おう、口にしてみてくれ』
 あちこちで堅パンに噛みつく歯音が響く、
 『うまい!』の声があがる。『初めて口にするパンだ』『噛み答えがある。うまい!』との声があがった。マクロスとセレストスは打ち合わせを始めた。
 『マクロスチーフ、今、口にされた堅パンを60個を入れる箱です。箱の構造は、このようにと考えています』と言って、オロンテス承認の設計図を手渡した。見つめる、首を縦に振ってうなづくマクロス。言葉を継ぐセレストス。
 『ひとつ見本を作って堅パン60個を入れるにふさわしい大きさを決めてください。底板と蓋板にはこの板を使用して組み立てる設計になっています。蓋の構造は、このようにして、この箱を保存容器として使うように設計されています。製作はマクロスチーフに一任です』
 『判った。簡単な構造だが用をなす容器になる。セレストス、ところで製作する数はどれだけだ?』
 『入用とする数は、150個です』
 『了解した』
 『今、焼きあがった堅パンを60個を持ってこさせます。宜しく頼みます』
 『お~い!アンテウス、設計図はこれだ。部材を整備する前に見本を作る。箱の大きさを決めねばならんのだ。箱の深さが大きさの決定要素だ。取り掛かってくれ!』
 『判りました』
 『箱の中に入れるのは、今、口にした堅パンを60個だ。現物が、今、届く、以上だ』
 アンテウスは、見本の試作に取り掛かった。またたく間に仕上がっていく。
 『お~い、誰か、工房に行って、セレストス班長を呼んできてくれ』
 セレストス、マクロス、アンテウスの三人は、出来あがった試作の箱に堅パン60個を入れる、蓋をしてみた。