セレストスが箱作りの場に姿を見せる。彼も箱作りの進捗を気に掛けている。場の風景を目にする、箱ができている。彼は焼きあがった堅パンの一部を箱に詰めたい心境でいた。しかし、踏みとどまった。これについては、オロンテスの指示にもとづいてやろうと心した。
『マクロスチーフ、もう箱の組み立て作業が始まっているのですね』
『おう、そうだ。この調子で箱作りが進めば、明日、昼めし前に総数150の箱ができあがる』
『そうですか、それは願ってもないことです。堅パンの焼きあがりも順調に進んでいます。これは先ほどの堅パンとは、違う塩味の堅パンです。味わってみてください。批評をしてください』
マクロスは手に取って口にもっていく、ひと口、ふた口、歯音が響く。
『おう、なかなかの味ではないか、嫌味がない、オリーブと潮のバランスがいいように思うが。お前らもモノツクリがうまいな。感心感心。ごちそうさん』と言葉を結んだ。
声が聞こえてくる、オロンテスとオキテスが言葉を交わしながらこちらへ向かってくる。二人は、工房前の広場に着いた。
『おう、やってる、やってる。マクロス、調子はどんな具合だ?』
『あ~、オキテス隊長、部材を整え終えて、箱の組み立て作業に取り掛かっています。ドックス棟梁の製材がとてもよくできています。これがつくりあげた箱です』
『おう、いい仕上がりではないか。オロンテス、見てみろ、出来あがった箱だ』
『お~お、これは美しい仕上がりだ。セレストス、どうだ?これで焼きあがった堅パン60個がきちんと収まるのか?』
『はい、実際に60個を入れて、決めた箱の大きさです』
『そうか、それはご苦労であった。堅パンの仕上がり具合は、どのように進んでいる?』
『はい、順調に進んでいます』
『よし!判った。仕上がり具合をみる。箱詰めは、俺の指示を待ってくれ。熱の冷め具合が箱詰めのタイミングだ』
『判りました』
『一番最初に出来た試作の箱に、一番最初に焼きあがった堅パンを箱詰めにしておいてくれ。蓋はまだしないようにな』
『判りました』
セレストスはオロンテスの指示の何かを考えた。
堅パンを焼き上げる、間をおいて熱を冷ます、保存食としての箱詰めをする、その意味を悟った。
完璧といかないまでも試行で発生する錯誤に考えが到達した。
『マクロスチーフ、もう箱の組み立て作業が始まっているのですね』
『おう、そうだ。この調子で箱作りが進めば、明日、昼めし前に総数150の箱ができあがる』
『そうですか、それは願ってもないことです。堅パンの焼きあがりも順調に進んでいます。これは先ほどの堅パンとは、違う塩味の堅パンです。味わってみてください。批評をしてください』
マクロスは手に取って口にもっていく、ひと口、ふた口、歯音が響く。
『おう、なかなかの味ではないか、嫌味がない、オリーブと潮のバランスがいいように思うが。お前らもモノツクリがうまいな。感心感心。ごちそうさん』と言葉を結んだ。
声が聞こえてくる、オロンテスとオキテスが言葉を交わしながらこちらへ向かってくる。二人は、工房前の広場に着いた。
『おう、やってる、やってる。マクロス、調子はどんな具合だ?』
『あ~、オキテス隊長、部材を整え終えて、箱の組み立て作業に取り掛かっています。ドックス棟梁の製材がとてもよくできています。これがつくりあげた箱です』
『おう、いい仕上がりではないか。オロンテス、見てみろ、出来あがった箱だ』
『お~お、これは美しい仕上がりだ。セレストス、どうだ?これで焼きあがった堅パン60個がきちんと収まるのか?』
『はい、実際に60個を入れて、決めた箱の大きさです』
『そうか、それはご苦労であった。堅パンの仕上がり具合は、どのように進んでいる?』
『はい、順調に進んでいます』
『よし!判った。仕上がり具合をみる。箱詰めは、俺の指示を待ってくれ。熱の冷め具合が箱詰めのタイミングだ』
『判りました』
『一番最初に出来た試作の箱に、一番最初に焼きあがった堅パンを箱詰めにしておいてくれ。蓋はまだしないようにな』
『判りました』
セレストスはオロンテスの指示の何かを考えた。
堅パンを焼き上げる、間をおいて熱を冷ます、保存食としての箱詰めをする、その意味を悟った。
完璧といかないまでも試行で発生する錯誤に考えが到達した。