『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  657

2015-11-17 05:05:09 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 セレストスは、魚ミックス、肉ミックス、山菜ミックスの堅パン各種を2,3枚づつを各自に配った。オロンテスは、想像されるコスト面の説明をした。
 『この堅パンについては、その様なわけもあるということだ。それを念頭にもって検討することだ』
 彼らは堅パンを手にして、眺める、匂いをかぐ、おもむろに口に運んだ。首をかしげる者、目を閉じて味を聞くといった風情の者、オロンテスは6人の対応を見ながら堅パンを鼻の先に持っていき匂いを嗅いだ。
 『魚と肉、この匂いはいかんな、ううう~ん、味よりも印象だ!』
 山菜ミックスの堅パンは、薄茶に焼けたパンに山菜の緑が美しかった。『これはいい!』としげしげと見て口に入れた。
 彼は、一同に意見と賛意を求めた。
 『お前たち、どうだ?三種のうちどれがいい、決めたか?』
 一同がうなづく、オロンテスが問いかける。
 『魚がいいと思った者は、手を上げろ!』誰も手を上げない。
 『肉がいいと思った者は?』二人が手を上げる。
 『山菜がいいと思った者は?』セレストスと三人が手を上げた。
 『やはりな、そうか』
 オロンテスはうなづいて、口を開く。
 『魚も肉も堅パン向きに処理したうえでなければ使えない。この際、山菜ミックスで堅パンを焼く、味付けはウス塩味で行く。セレストス、それで手配して堅パンを焼き上げてくれ』
 『判りました』
 『次は仕事を進める段取りについて説明する。ウス塩味堅パン、山菜ミックス堅パンの焼き上げは明日中に完了の事。明日午後から、焼きあがっている堅パンの箱詰めを開始する、セレストス、堅パンの状態を見て、丁寧に仕事をするのだぞ!上蓋の釘付けは、釘数少なくして釘付けする、判ったな。明日焼きあげた堅パンは、明後日の箱詰めとしてくれ。解ったか』
 オロンテスは一拍の間をおいて話を続けた。
 『箱詰めが完了した堅パンは、夕刻までに浜に運んで、夜露の事を考えて、一夜の保管場所を決め、積んでおいてくれ。あ~あ、それから堅パンの種類、内容量は、上蓋に書き記しておくこと。以上だ』
 『判りました』
 『セレストス、今、行ったこと遺漏なく事を完了させること。しかとやってくれ!』と念押しを忘れなかった。
 セレストスは、オロンテスの目を見て了解の意を伝えた。
 計画し、綿密に段取りして遂行していく。仕事遂行の確かさで、彼らは仕事と取り組んだ。