『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  733

2016-03-09 05:31:59 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 パン工房にはセレストスがいる、パリヌルスが用向きを伝える、オロンテスからの伝言が伝わっていた。
 『はい!オロンテス棟梁から聞いています。入用は何枚ですか?』
 パリヌルスは、連れの者と顔を合わせる、二言三言、言葉を交わす。
 『おう、セレストス、30枚、頼む。余れば返す』
 『袋はたくさんあります、存分にお使いください』
 『おう、ありがとう』
 二人は追加分の袋を持ち帰った。作業者一同は、昨日からの作業で作業慣れしている、要領を心得た彼らの作業は、手際よく進む、20袋づつの山が6つと7袋の木札が整理のうえ勘定された。パリヌルスは2枚の木板に明細を書き記した。
 イリオネスに報告するパリヌルス。二人は、木札が整理された部屋へと足を運び、木札の検閲と検収に及んだ。
 『おう、パリヌルス、ご苦労であった。木札の整理と数勘定が終わったか。総数がどれくらいになる?』
 『はい!木札500枚入りの袋が127袋です。木札の総数が63500枚となります。そして、これが残った端数の木札247枚です』
 パリヌルスからの報告を受けるイリオネス、彼は、パリヌルスに質問する。
 『パリヌルス、木札の整理は終わった。ところで集散所への輸送搬入の件だが、オロンテスと打ち合わせを終えているのか?』
 『はい、その件は打ち合わせ済みです』
 『これだけの木札の量だ。どのようにして輸送搬入するのか、聞かせてくれ』
 『はい、集散所への輸送搬入の段取りについて説明いたします。用船は、軍船を使います。これだけの木札です、ヘルメスと舟艇を使用しても輸送はできかねます、そのうえ、陸上における運びの件もあります。運びに使役する人数の件があります、そのようなわけで軍船を用船として、使用しようと考えています』
 『了解!集散所との交渉は、オロンテスが今日やっているわけか』
 『はい、そうです。集散所への輸送搬入は、明日行います。集散所側に事情がない限り、当方の実行に変更はありません』
 『解った』
 『木札の勘定明細を描いた木板をお渡しいたします。以上です』
 パリヌルスは、手にしている木板を控えの木板と照合のうえ、一枚をイリオネスに手渡した。
 木板を確認するイリオネス、パリヌルスが担当した木札の整理作業が終了した。
 『パリヌルス、ご苦労であった』
 『いえ、それはーーー。明日、朝めしを終えたら木札の積み込みを行います。終わり次第、出航します。今日これから用船の準備にかかります』