『よしっ!ご苦労。乗船して配置についた人員は?』
『総員、102名、以上です』
『よしっ!いいだろう。リュウクス、浜に行って、建造の場にいるオキテスに出航する旨を伝えてきてくれ』
『はいっ!解りました』
指示を終えたパリヌルスは、航海条件のチエックをする。
天候、うす曇り、陽光が薄く差し照らしている。凪後の北西からの風が海上を波立てている、白うさぎが海の上で跳ねているように見える波立ちである。パリヌルスは状況を理解した。
リュウクスが戻ってくる。
『オキテス隊長に出航を伝えてきました』
『よしっ!出航する』
パリヌルスが声をかける。
『今日の操舵担当は誰だ?』
『操舵担当は、ヘストスです』
『了解!中央帆柱、帆を上げ!』
帆が展がる、風をはらむ、船がゆるゆると動き始める、パリヌルスが声をあげる。
『おう、一同に伝える!今日、この船は、キドニアに向かう、船上の積荷を運送する、いいな』
『漕ぎかた櫂を持て、漕ぎかた始めっ!』
海面が泡立つ、船は蹴立てるように波を割る、船足に速度が出てくる。
船上の者たちにとって久しぶりの航海である。櫂を操る腕に汗が噴き出してくる、瞬く間に全身が汗ばんだ。
リュウクスは船の中ほどで木板を打ち鳴らす、漕ぎが同調する、船はパリヌルスの想定速度でキドニアへと航走した。
ヘルメス艇は、時速10ノット(18~19キロメートル)近い速度で走るのに、軍船の速度といえば、6ノット(11キロメートル)くらいである。歩速の2~2.5倍くらいといったところである。航走時間1時間超でキドニアの船だまりに着いた。
彼らを迎えたのは、パン売り場のスタッフのひとりである。
『パリヌルス隊長、ご苦労様です。予定時刻通りの到着です。荷運びの準備をお願いいたします。オロンテス隊長を呼んできます』
スタッフは走り出した。
『おう、リュウクス、荷物を岸壁の上におろしてくれ』
『はい、解りました』
船上の荷を下ろし終える頃にオロンテスが姿を見せた。
『パリヌルス隊長、ご苦労です。予定した時間通りの到着です。荷を集散所の収納の部屋へと運びます。案内は私がします』
『おう、よろしく頼む』
『総員、102名、以上です』
『よしっ!いいだろう。リュウクス、浜に行って、建造の場にいるオキテスに出航する旨を伝えてきてくれ』
『はいっ!解りました』
指示を終えたパリヌルスは、航海条件のチエックをする。
天候、うす曇り、陽光が薄く差し照らしている。凪後の北西からの風が海上を波立てている、白うさぎが海の上で跳ねているように見える波立ちである。パリヌルスは状況を理解した。
リュウクスが戻ってくる。
『オキテス隊長に出航を伝えてきました』
『よしっ!出航する』
パリヌルスが声をかける。
『今日の操舵担当は誰だ?』
『操舵担当は、ヘストスです』
『了解!中央帆柱、帆を上げ!』
帆が展がる、風をはらむ、船がゆるゆると動き始める、パリヌルスが声をあげる。
『おう、一同に伝える!今日、この船は、キドニアに向かう、船上の積荷を運送する、いいな』
『漕ぎかた櫂を持て、漕ぎかた始めっ!』
海面が泡立つ、船は蹴立てるように波を割る、船足に速度が出てくる。
船上の者たちにとって久しぶりの航海である。櫂を操る腕に汗が噴き出してくる、瞬く間に全身が汗ばんだ。
リュウクスは船の中ほどで木板を打ち鳴らす、漕ぎが同調する、船はパリヌルスの想定速度でキドニアへと航走した。
ヘルメス艇は、時速10ノット(18~19キロメートル)近い速度で走るのに、軍船の速度といえば、6ノット(11キロメートル)くらいである。歩速の2~2.5倍くらいといったところである。航走時間1時間超でキドニアの船だまりに着いた。
彼らを迎えたのは、パン売り場のスタッフのひとりである。
『パリヌルス隊長、ご苦労様です。予定時刻通りの到着です。荷運びの準備をお願いいたします。オロンテス隊長を呼んできます』
スタッフは走り出した。
『おう、リュウクス、荷物を岸壁の上におろしてくれ』
『はい、解りました』
船上の荷を下ろし終える頃にオロンテスが姿を見せた。
『パリヌルス隊長、ご苦労です。予定した時間通りの到着です。荷を集散所の収納の部屋へと運びます。案内は私がします』
『おう、よろしく頼む』