第2項の数値を算出するのに長い時間がかかった。今様時間で1時間余りも要した。(現代の小学生で1分もあればできる計算である)次の第3項は、オキテスが気付いたガリダ方より派遣されている5人の者たちの原価を基礎数値を己の判断で決めて算出した。これにも時間を費やした。
木板に費目と算出した数値を書き込んだ。
『おう、できた!時間がかかったな』
彼は独りごちて空を仰いだ。太陽の高さを見て時間の頃合いを測った。
『よし!行こうか』
オキテスは腰をあげる、算出数字を書き込んだ木板と予備の木板1枚を小脇に抱える、歩み始める、イリオネスの宿舎へと歩を運んだ。
午後遅くの木漏れ日の落ちる林間の道をぬけて行く、イリオネスの宿舎の戸口の前に立つ、声をかける、返る言葉を待つ、答えがない、留守らしい、彼は待つことにした。
宿舎前の草地に腰をおろす、木板を見る、書き込んだ数値を確かめる、風が運んでくる話声を耳にする、アヱネアスとイリオネス、二人の交わす言葉が聞こえてくる、二人の姿を見とめる、オキテスは立ちあがった。
イリオネスが宿舎の前に立つオキテスの姿を見とめる、彼の歩速が早くなる、オキテスに近づいて声をかけた。
『おう、オキテス、どうした?』
『数字が出ました。軍団長に数字を入れてもらい、合算すれば原価の数字が出ます』
『おう、そうか。丁度、いいタイミングだ、統領もおられる、やろう!中へ入れ!』
『はい!』
『統領、新艇の原価が出ます!』
『そうか、それが解れば、これからを考えられる。オキテス、大変な作業だったろう』
『いえ、そのようなことはありません』
オキテスは答えて、第2項及び第3項の数値を書き入れた木板をイリオネスに手渡した。
『軍団長、第1項に新艇建造用材の価格を書き入れて合算してください。第3項は、製材担当要員としているガリダ方よりの派遣の者たち5人分です。自己判断で基礎数値を決めて算出した数値です』
『おう、そうか。お前、よく気付いてくれたな、お前が気付いてくれなかったら、抜け落として計算するところだったのか、ありがとう。余分の木板を持っているか?』
『1枚だけですが、持ってきています』
『それをくれ、計算に使う』
オキテスは、イリオネスに木板を木炭とともに手渡した。
木板に費目と算出した数値を書き込んだ。
『おう、できた!時間がかかったな』
彼は独りごちて空を仰いだ。太陽の高さを見て時間の頃合いを測った。
『よし!行こうか』
オキテスは腰をあげる、算出数字を書き込んだ木板と予備の木板1枚を小脇に抱える、歩み始める、イリオネスの宿舎へと歩を運んだ。
午後遅くの木漏れ日の落ちる林間の道をぬけて行く、イリオネスの宿舎の戸口の前に立つ、声をかける、返る言葉を待つ、答えがない、留守らしい、彼は待つことにした。
宿舎前の草地に腰をおろす、木板を見る、書き込んだ数値を確かめる、風が運んでくる話声を耳にする、アヱネアスとイリオネス、二人の交わす言葉が聞こえてくる、二人の姿を見とめる、オキテスは立ちあがった。
イリオネスが宿舎の前に立つオキテスの姿を見とめる、彼の歩速が早くなる、オキテスに近づいて声をかけた。
『おう、オキテス、どうした?』
『数字が出ました。軍団長に数字を入れてもらい、合算すれば原価の数字が出ます』
『おう、そうか。丁度、いいタイミングだ、統領もおられる、やろう!中へ入れ!』
『はい!』
『統領、新艇の原価が出ます!』
『そうか、それが解れば、これからを考えられる。オキテス、大変な作業だったろう』
『いえ、そのようなことはありません』
オキテスは答えて、第2項及び第3項の数値を書き入れた木板をイリオネスに手渡した。
『軍団長、第1項に新艇建造用材の価格を書き入れて合算してください。第3項は、製材担当要員としているガリダ方よりの派遣の者たち5人分です。自己判断で基礎数値を決めて算出した数値です』
『おう、そうか。お前、よく気付いてくれたな、お前が気付いてくれなかったら、抜け落として計算するところだったのか、ありがとう。余分の木板を持っているか?』
『1枚だけですが、持ってきています』
『それをくれ、計算に使う』
オキテスは、イリオネスに木板を木炭とともに手渡した。