イリオネスは、小島の波打ち際に立って、浜を眺めた。己の意思が働いたわけではなく、ただ何となく眺めた。第三者の立場にスタンスして浜を見つめた。
短い時間である、不思議な感慨が通り過ぎていく、何かを想い、考えた時間ではなかった。
アヱネアスとイリオネスが率いる一族の明日を考えるスタンスに立脚する己を感じている。一時が過ぎていく、頬を撫でて吹きすぎる風を感じていた。
自分を呼ぶ声を耳にする、傍らにアレテスが立っていた。
『軍団長、お待たせしました。用件を済ませました。昼めしの時間としませんか。獲れたての魚を焼かせています』
『おっ!それはいい!』
アレテスはイリオネスの先に立って昼めしの場へと歩を進める。
『軍団長、一同と一緒です。かまわないでしょう』とイリオネスの目を見つめた。
『おう、かまわん!それを気にする俺ではない。ワイワイガヤガヤがいい』
昼めしの場は、めずらしい軍団長の臨場で沸いている。彼らは総立ち、拍手で彼を迎えた。
焼き魚の香ばしさが漂っている、香りたつ焼き魚のにおいが場にあふれている。
『おう!諸君!日頃、ご苦労!君らの働きに感謝感謝だ。今日は君らの厚意に甘えて、昼めしを馳走になる』
一同から拍手が起こる。
『どうぞ!』と木板をプレートとして、焼きあがった魚が目の前に供された。
魚はかなりでっかい、魚の身を手でほぐし口に運ぶ、うまさが舌にのる。
『うまいっ!』感動が口をついて飛び出す、木板プレートの片隅においてある塩を魚にふって口に運ぶ、舌鼓をうって胃に収めた。
『おう、諸君!うまい昼めしを馳走になったな。ありがとう』
イリオネスは、場の一同を見まわして、感謝の意を伝えた。
『アレテス、うまかった!実に、うまかった。馳走になった、礼を言うぞ』
食事を終えて二人は、連れ立って場を離れていく。
『おう、アレテス、今日は、お前らの日頃の活躍、その成果について、感謝の言葉を届けに来たのだ』
『何とそのような、私どもは、やるべきことをやっているだけなのに、そのように言われると、大いなる感動です。ありがとうございます』
『新艇完成まで、あと一か月余りとなってだな、新艇建造用材の決済をするわけだ。これまで、お前が届けてくれた木札を集散所に持ち込んで銀貨に交換することにした。それで整理勘定してみると、俺が考えていた量より多いではないか。その成果に対する統領と俺からの感謝の言葉だ。よくぞ!日々、業務に励んでくれた。ありがとう。重ねて礼を言う、ありがとう』
イリオネスは、そのように言って、アレテスの手を力強く握りしめた。
短い時間である、不思議な感慨が通り過ぎていく、何かを想い、考えた時間ではなかった。
アヱネアスとイリオネスが率いる一族の明日を考えるスタンスに立脚する己を感じている。一時が過ぎていく、頬を撫でて吹きすぎる風を感じていた。
自分を呼ぶ声を耳にする、傍らにアレテスが立っていた。
『軍団長、お待たせしました。用件を済ませました。昼めしの時間としませんか。獲れたての魚を焼かせています』
『おっ!それはいい!』
アレテスはイリオネスの先に立って昼めしの場へと歩を進める。
『軍団長、一同と一緒です。かまわないでしょう』とイリオネスの目を見つめた。
『おう、かまわん!それを気にする俺ではない。ワイワイガヤガヤがいい』
昼めしの場は、めずらしい軍団長の臨場で沸いている。彼らは総立ち、拍手で彼を迎えた。
焼き魚の香ばしさが漂っている、香りたつ焼き魚のにおいが場にあふれている。
『おう!諸君!日頃、ご苦労!君らの働きに感謝感謝だ。今日は君らの厚意に甘えて、昼めしを馳走になる』
一同から拍手が起こる。
『どうぞ!』と木板をプレートとして、焼きあがった魚が目の前に供された。
魚はかなりでっかい、魚の身を手でほぐし口に運ぶ、うまさが舌にのる。
『うまいっ!』感動が口をついて飛び出す、木板プレートの片隅においてある塩を魚にふって口に運ぶ、舌鼓をうって胃に収めた。
『おう、諸君!うまい昼めしを馳走になったな。ありがとう』
イリオネスは、場の一同を見まわして、感謝の意を伝えた。
『アレテス、うまかった!実に、うまかった。馳走になった、礼を言うぞ』
食事を終えて二人は、連れ立って場を離れていく。
『おう、アレテス、今日は、お前らの日頃の活躍、その成果について、感謝の言葉を届けに来たのだ』
『何とそのような、私どもは、やるべきことをやっているだけなのに、そのように言われると、大いなる感動です。ありがとうございます』
『新艇完成まで、あと一か月余りとなってだな、新艇建造用材の決済をするわけだ。これまで、お前が届けてくれた木札を集散所に持ち込んで銀貨に交換することにした。それで整理勘定してみると、俺が考えていた量より多いではないか。その成果に対する統領と俺からの感謝の言葉だ。よくぞ!日々、業務に励んでくれた。ありがとう。重ねて礼を言う、ありがとう』
イリオネスは、そのように言って、アレテスの手を力強く握りしめた。
