航海の途上にある彼らが思いにもかけていない気配りが夕食の場を盛り上げた。ほんの一杯にに過ぎない酒が皆に振舞われた。焚き火を囲んでの夕食の場は一同をなごませた。彼らは、明日、自分たちがわたっていくであろう海を眺めての夕食の場であった。何よりも彼らを喜ばせたのは、手にして、ぬくもりを感じる焼きあがったばかりのパンを口にしたことであった。海上にあっては堅いパンしか口に出来ない彼らは、『うまいパン』にありついたことを心から喜び合った。
陽は西の空にとまどっている。軍団長のイリオネスは立ち上がり、明日の航海について語った。
『おっ、諸君っ!日夜大変にご苦労である。明日はエノスをあとにして四日目となる。昨日の嵐は序の口の嵐であった。我々にとってうれしかったことは、被害がなかったことである。今日一日をこの小島の浜で過ごし、明日、渡る海の静まりを待った。明日の天候は、航海日和となる。われわれは一路ミコノスに向かう。目的地に着く頃は、日が暮れているかもしれないが、ミコノスの浜に着くことは間違いはない。明朝は、空に星がある間に、この浜を離れる、諸君らの奮励努力を願うとともに航海が無事であることを祈る。諸君っ、よろしく頼む』
夕食の場は沸いた。
空を夕茜に染めていた太陽が一挙にその身を海に沈めた。
陽は西の空にとまどっている。軍団長のイリオネスは立ち上がり、明日の航海について語った。
『おっ、諸君っ!日夜大変にご苦労である。明日はエノスをあとにして四日目となる。昨日の嵐は序の口の嵐であった。我々にとってうれしかったことは、被害がなかったことである。今日一日をこの小島の浜で過ごし、明日、渡る海の静まりを待った。明日の天候は、航海日和となる。われわれは一路ミコノスに向かう。目的地に着く頃は、日が暮れているかもしれないが、ミコノスの浜に着くことは間違いはない。明朝は、空に星がある間に、この浜を離れる、諸君らの奮励努力を願うとともに航海が無事であることを祈る。諸君っ、よろしく頼む』
夕食の場は沸いた。
空を夕茜に染めていた太陽が一挙にその身を海に沈めた。