『アヱネアスよ。その建国の地だが、広い数ある世界に一点しか存在しないことであると俺は考えている。その一点を探し求め、広い数ある世界から見つけ出し、その地に立つ!その一点の地が国を興す条件を具備しているところであるか、はたまた、国を建てる条件を造成構築できるところであるかを見極めなければならない。俺の想いでは、その地に立ってみただけでは建国にふさわしい地であるか否かを察知しえないことである。そのような故によって、神の存在を是とするか、否とするかを考える。それを是とする者が全知全能の神の知恵に頼ろうとする。その頼る者が神託を乞う。神の全知全能を疑うか、疑わないかは、その者による。また、神によって神が示す神託に差があることも確かなことであると思っている。この場合それに携わる神官にもよる。アポロン神とゼウス神とは違う、俺の想いではアポロン神の神託には、あいまいさの割合が大きい、ゼウス神の神託には、物事の核心の指摘に対する的確性が高い。俺とお前ではその出生による能力に差がある。お前は、俺をはるかに超えた力を持っている。お前は、決意した建国の礎を築き、基礎をつくり、ユールスが建国の第一歩を踏み出すと信じてやまない。国は、一朝一夕で建てることはできない。最短でも20年という長い年月を必要とする。成就することを信じて迷わず建国の礎を築いてくれ。この広い世界、いや、数ある世界といった方がいいか、展開している盆状世界が数ある、その中にある、たった一つ建国の地点に立ってくれ。そのように願っている。俺は想う、そのことにさまよい、時がかかるやもしれぬ、それは摂理の計画と考え、耐える、そして、見つける、たった一つ地点こそ、建国の最良の地点である。そこに立って建国の礎を築くのだ。このあとその地点を見出すための話をしようではないか!息子アヱネアスよ!』
アンキセスは、渾身の力を振り絞って、息も継がずに、一気にこれだけのことをアヱネアスに話した。
アンキセスは、盆の上に展開する世界がこの世に数多く展開しているといった世界観を持っていた。それは、アヱネアスがイデー山山頂で目にして、頭中に描いた世界観と同じであった。
父アンキセスは、敬意をたたえた眼差しでアヱネアスと目を合わせた。
ここまで話したアンキセスは、肩の力を抜いた様子で酒杯を口に運び、酒を含み胃に流し込んだ。
アンキセスは、渾身の力を振り絞って、息も継がずに、一気にこれだけのことをアヱネアスに話した。
アンキセスは、盆の上に展開する世界がこの世に数多く展開しているといった世界観を持っていた。それは、アヱネアスがイデー山山頂で目にして、頭中に描いた世界観と同じであった。
父アンキセスは、敬意をたたえた眼差しでアヱネアスと目を合わせた。
ここまで話したアンキセスは、肩の力を抜いた様子で酒杯を口に運び、酒を含み胃に流し込んだ。