久しぶりに、東京出張。お客様との打ち合わせは1時間ほどで終わったのだが、ちょっと重い宿題を頂いた。連休を目の前に、ん~、重いなっ。ただ、Pさんだとか、Nさんだとか、最近調子の悪いSOさんだとか、同じく調子の悪いSAさん等の家電王手メーカーへ出向くと、担当者個人の知見から事業規模まで、やはり一流であることを感じさせられる。そこへいくと、所詮、ウチの会社は隙間産業であることを実感する。俺らは5割ぐらいの可能性があれば突っ走るしかないし、下手打った時には辞めればいい。
さて、新幹線の中で持参の本を読み終えて暇を持て余し、車内の小雑誌(座席の後ろに入っている無料のやつ)を手に取る。巻頭のエッセイは、角田光代さんではないか。『八日目の蝉』はとても好きな作品で、原作、TV版、映画版、全部、見ている。その原作者のエッセイということで、ちょっと期待して読む。僕自身はごくごくノーマルな人生を生きているのだが、『八日目の蝉』にみられる子供を育てる事への思いとか、常に追われている様な気持ちとかに対して、何故か強く共感してしまう。幸せを感じる瞬間というのは在り来たりの平凡な時間であり、その満足度が高い程、刹那さと明日への不安が強くなるのは自分だけだろうか・・・。映画版は、たくさんの賞を受賞したみたいだけど、どちらかというとTV版の方がぐっとくる。(TV版の主演女優がやっている”私ってかわいいでしょう”的な酒類のCMは鼻につくが・・・。)
いやいや、小雑誌のエッセイの方の話。『あの夜の若い二人』という題で、昨年の震災後に盛岡で出会った若いカップルについて書かれている。これがまた、素敵なエッセイだった。-ありがとうと言いたかったのは私だったのだ―と書かれているが、それを読んだ俺も、ちょっと涙腺が緩んだよ。2ページ弱の文章で、この人は凄いなと思った。誰しも先の事は解らないのだから、何があっても前向きにがんばるしかないねぇ。
今月、新幹線を利用される方は、是非、読んでもらいたい。
歳を重ねる毎に、目立つ人、評価が高い人、賞賛を浴びている人への興味がどんどん薄れてきており、寧ろ世間的には弱い立場の人とか、負けた側の人とかに潜む無言の強さみたいなものに触れると、むちゃ感動してしまう。
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