「おじいちゃんはデブゴン」という映画を見ました。2016年の作品。この題名は日本だけのものでしょう。そもそも、”デブゴン”なんて名が通じるのは日本だけ。”でぶ”って、どんだけ失礼なネーミングよ。サモ・ハンが監督・主演です。
退役軍人で認知症も入り始めた66歳の太ったじいさんが、隣人の少女の為に素手で悪い奴らをバキバキ、ボコボコにするという話なんですが、いや~、いい映画でした。良かった、良かった。「マトリクス」以降、カンフー的な飛んだり跳ねたりはどの作品も全部一緒に見えてしまう感じだったが、「おじいちゃんは・・・」では飛ばないし跳ねないし、蹴りも殆ど出さないし、出しても高くは蹴らない。場面によっては、殆ど移動もせずにさばく、突く、当てる、極めるという感じ。派手な動きが無い中で、強さ、怒りみたいなものが表現されていて、新鮮さを感じた。おじいちゃんは心に傷を持っていて、映画全体的に暗い感じで話が進むのだけど、それが僕くらいの歳になると共感というか、近親感が持てて良い。サモ・ハン自身もプライベートでいろいろあったって何かで目にした様に記憶している。人間、長く生きたら生きた分の”心の闇”は誰しも増えるもんで、地味な動きの中に自身が抱えるどうしようも無い悲しみ、怒りが見てとれてスカッとした。
今の流行りなんでしょうけど、50、60歳になって、”僕鍛えてマス”、”私仕事してます”アピールって、俺は、”ダッセーーー”って思うわ。美魔女とか言われて喜んでいるおばちゃんて、どんだけ頭悪いんよって。(笑)まっ、人それぞれですがね。
刀は秘かに磨いて鞘に入れておくのがカッコいいと思う。歳とったら、地味に目立たずコツコツと刀を研ぎましょうよ。
世間さまの評価とは無縁に生きるデブで強いじいさん、カッコいいわ!