日月神示の研究と実践

日月神示を中心に、神道、密教などを研究、実践するブログです。農薬不使用栽培などについても述べたいと思います。

「ドル亡き後の世界」 副島隆彦氏

2009-11-10 08:20:06 | 政治・社会
 <記事転載>
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 副島隆彦を囲む会のアルルの男・ヒロシ(中田安彦)です。今日は、2009年11月6日です。

 皆様お待ちかねの副島先生の「金融本」(エコノ・グローバリスト・シリーズ)が出ました。数えてみると、もう「その12」になっています。私が最初に読んだのが、「その3」の『堕ちよ!日本経済』(平成12年、2000年刊)ですから、ほぼ10年前です。この間、「旧長銀の買収」、「9.11事件」「イラク戦争」など様々なことがありました。

 そのようなシリーズの一冊に、「アメリカ処分さる」(America Dissolved)という英語での副題を付けられた一冊が加わりました。もちろん、ドルが暴落し、アメリカの世界覇権が終わっても、世界は歩みを止めるわけではないし、アメリカという国が消えてなくなることもない。

 しかし、そろそろ、「金融危機」についての解説は聞き飽きた、という声が出てくる。「その後」の世界について、「どういう世界になるのか」ということに関心を寄せる人が出てくるでしょう。その点についても、本書では副島先生なりの予測が述べられています(目次参照)。

 また、その前にアメリカはドルを暴落させて、海外に抱える借金の山(米国債やリスク金融商品のこと)の返済を行わないか、あるいは、暴落したドルの価値の分しか償還しない、と述べています。(『ドル亡き後の世界』、197ページ)だから、その手に出る前に、中国や日本は米国債を売らなくてはならなくなると宣言しているのです(同じく目次参照)。

 本書で述べられているような、1ドル=10円という過激で具体的な予測をしたエコノミストやジャーナリストはいない。おそらく、海外にも曖昧に「ドル大暴落、ハイパーインフレ」と予測する人はいても、それ以上は踏み込まない。私も、「60円ですか?」と以前、副島先生本人に聞いたら、返ってきた答えが「いや、一ドルは10円だ」というものだったのです。一瞬、言葉に詰まってしまったことを覚えています。

 最近、21世紀を予測する本が翻訳もので出始めています。例えば、『21世紀の歴史』(ジャック・アタリ著)、あるいは、『100年予測』(ジョージ・フリードマン著)などです。ただ、通貨体制や金融経済を土台にして議論を組み立てた本はあまり無いように感じています。みな、安全保障やテクノロジーの分野に立脚している。これらは大事な要素でしょうが、「通貨体制」もまた同様に、あるいはもっと重要な要素のはずです。この副島先生の新刊は、新しい通貨体制について考えるヒントを与えてくれるでしょう。

 それでは、いつものように、この本の目次と「まえがき」&「あとがき」を以下に載せます。

(貼り付け開始)

目 次

まえがき

1 章   2010年末、恐慌突入

●「景気底打ち」は大本営(だいほんえい)発表
●アメリカは2012年の「大底」に向かう
●金融商品への愚かな投資で損をするのは自業自得である
●冬のオリンピックが終わってから景気は崩れ出す
●今は落魄(らくはく)した「日本叩き」の責任者
●アメリカの中央銀行(FRB)の負債が危険領域に入った
●金融危機でアメリカ政府が取った4つの対策とは
●株価上昇で儲けたのは「プロ」たちだけだ
●なぜゴールドマン・サックスだけが「一人勝ち」したのか
●日経平均株価は一瞬、5000円を割り込む

2 章   1ドル=10円の時代

●やがて中国が米国債を売り始める
●長期金利が跳ね上がり、アメリカは恐慌に突入する
●アメリカの不動産市場はどれほどひどい状況か
●「テール・リスク」とは何か
●ヨーロッパ諸国にもたらされる大打撃
●世界はドル基軸通貨体制から離脱する。私たちはどうすべきか
 
3 章   中国が引き金を引く「ドル亡き後の世界」

●誰がホワイトハウスで財政・金融政策の主導権を握っているのか
●ガイトナー財務長官が中国で話したこと
●中国の中央銀行総裁は「ドルに代わる国際通貨が必要」と表明
●「超国家通貨」と「超銀行」
●ケインズから75年、スティグリッツも「新通貨構想」を唱えた
●アメリカの追加景気対策も、2010年初めに効果がなくなる
●日本一分かりやすい「金融政策」と「財政政策」の違い

4 章   「金融時限爆弾」が破裂する日

●アメリカ自身もドルの信用力を疑い始めた
●〝マッカーサーの再来〟の退場
●「ストレス・テスト」は八百長だ
●隠された「簿外の債務」
●「劣悪銀行」の資本不足分は低すぎる
●予測がつかない、シンセティックCDO(合成CDO)の負債総額
●〝日興(につこう)証券買い戻し劇〟を支配したデイヴィッド・ロックフェラー
●デリバティブの処理から導かれる「1ドル=10円」の理論
●金融核爆弾の破裂で大損をした農林中金
●農林中金は解体の運命にある
●日本人が理解できない「格付け」の考え方
●通信簿に「下駄を履(は)かせる」インチキがまかり通っている
●「時価会計」の恐るべき欠陥
●年金も大学も巻き込まれた「日米振り込め詐欺構造」

5 章   日本は米国債を売り払え

●やはり震源は米国債の暴落だ
●米中の綱引きは、かつての「米英覇権争い」に通じている
●日本からアメリカに流れ出した800兆円を取り戻せ
●中川昭一氏の死は日本国民の〝見殺し〟である
●売国官僚たちを厳罰に処せ!
●新興4カ国(BRICs)一致で描く「ドル亡き後の世界」

終 章  「ドル亡き後の世界」を生き抜く

●金地金とレアメタル(希少金属)が暴騰する
●日本企業は中国の「内需」に引きずられてゆく

あとがき

巻 末  底力のある企業60株の一覧
  
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まえがき


あの〝9・15リーマン・ショック〟から1年が経(た)った。今年(2009年)中は、もうたいしたことは起きない。ただ株がズルズルと下がり、為替でドル安(円高。1ドル=80円台)になってゆく。〝ドル安〟はもう決まりなのだ。ドル(アメリカ)が弱ったのを見越して、ロンドンの投機筋が襲いかかっている。アメリカ政府はこれに必死の防戦をしている。この攻防戦がしばらく続く。が、どうせドルの負けである。1ドルは60円を目指して落ちてゆく。

次の株式と為替と債券(国債)の暴落が起きるのは来年(2010年)3月だろう。なぜなら2月28日にカナダ・バンクーバーでの冬季オリンピックが終わるからである。

 その後、景気は一度戻す。アメリカの景気が本格的に崩れ出すのは来年7月ごろからであろう。中国で上(シヤン)海(ハイ)万博が開かれるのは5月1日から10月31日までである。上海万博は何ごともなく終わってゆく。そのあと年末にかけて、いよいよ世界経済はひどいことになる。

私がこれまで他の本たちで書いてきたとおり、アメリカのオバマ政権は長くは保(も)たないだろう。金融危機の責任を取らされて、バラク・オバマは任期半(なか)ばで辞任してゆく。次の大統領はヒラリー・クリントンが取って代わる。2010年末にはアメリカは恐慌に突入する。

 そして2012年に「ドン底」がやってくる。

 おそらく、この「副島シナリオ」どおりに世界は動くだろう。
その後、3年をかけて世界(ワールド・)覇権(ヘジエモニー)はアメリカ合衆国から中国へ移ってゆく。2015年には中国が新たな世界覇権国となる。

私はこれまで直球で自分の予測(予言)を書いて勝負してきた。私はこれまでのところ自分の予測(予言)を外していない。このことを私の本の読者は知ってくれている。予測を大きく外した金融・経済評論家は、客(読者たち)からの信用と評判を落として退場してゆくのである。もうあと何人も残っていない。私はこの本でも直球で勝負する。

副島隆彦(そえじまたかひこ)

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あとがき


 本書『ドル亡き後の世界』は、2009年10月に入ってから私が本気で書き始めた本だ。そして10月末には本になって出版される。この機動力(ヽヽヽ)に勝てる出版人、言論人はこの国にはいない。

〝リーマン・ショック〟から一周年の日に、バーナンキFRB議長が景気底打ち(底入れ宣言)をした。「景気回復の兆(きざ)しが見えた」と為政者の最高責任者が言って、その直後に崩れるということはない。彼らなりにあれこれ周到な手を打ってからの発言だ。彼ら世界権力者の力を私は甘く見ない。だから景気(経済)が急に崩れるということはない。だがしかし、来年の暮れには分からない、世界中に暗雲が垂(た)れ込めるだろう。

「ドル亡き後の世界」は2012年、すなわち3年後から始まる。その時、「新しい世界銀行」a(ア) New(ニュー) International(インターナシヨナル) Financial(フイナンシヤル) Institution(インステイテユーシヨン) 「新国際金融組織」がユーロ・アジア(ユーラシア大陸)の一国に生まれるだろう。それはカザフスタンという国であろう。いつまでもアメリカ合衆国が世界(ヘジエモニ)覇(ツク)権国(・ステイト)(世界帝国)であるわけではない。現在ワシントンDCにあるIMF=世界銀行体制は、もう保(も)たないのである。

「中国が昇り龍の勢いで次の覇権国を目指す、と言っても、それにはあと20年はかかる」と訳(わけ)知(し)り人間たちが思い違いをしている。世界の動きのスピードの真の速さを彼らは測り間違っている。私の前著『あと5年で中国が世界を制覇する』の中身の重要性を理解しようとしない遅れた考えの者たちだ。彼らは来年の末には慌(あわ)て出し、2012年には血相を変えるだろう。見ものである。

 私は9月末に急いでモンゴルに行ってきた。モンゴルの大平原に立って、見るべきものは見た。どこまでも果てしなく続くこのユーラシア大陸の、その原点(ヽヽ)はモンゴルである。かつて1220年代(チンギス・ハーンの時代)から160年間にわたって〝初めての世界帝国〟が築かれたことを実感した。私はあらためて、私の先生の一人である岡(おか)田(だ)英(ひで)弘(ひろ)東京外国語大学名誉教授(78歳でご存命)の歴史学、モンゴル学( Altaic(アルタイツク) Studies(スタデイーズ) )の世界的な学問業績に従おうと思った。

 私たち日本人も実はモンゴル人の一種に違いない。どう考えてもそうである。今も頑張って生きているモンゴルの遊牧民たちにとっては、大平原に恵みの雨が少ないことが嘆きである。この事実はシベリアや旧満州、黄(こう)土(ど)高原からゴビ砂漠、タクラマカン砂漠(新(しん)疆(きよう)ウイグル自治区)、そして中央アジア、それからアフガニスタン、中東(ミドル・イースト)全域にわたる共通の悩みである。現地に立ってみてよく分かった。

 ところがこの問題は、白井克彦早稲田大学理工学部教授(現総長)の提案(アイデア)によって本当に解決されるかもしれない。白井教授は「世界中の砂漠やステップ平原の土地の50センチぐらい下に、紙おむつの吸着性素材を敷き詰めればよい」と研究発表した。この技術提案はきっと素晴らしい。どんな乾燥気候も雨がまったく降らないということはない。降る時は降るのである。ユーラシア大陸は保水(ヽヽ)の問題さえ解決すれば、あとはどんなに灼(しやく)熱(ねつ)の砂漠であろうとも、緑の草原に変わる。人間(人類)はそこで生きてゆける。その時、ちょうど500年間続いた〝海の時代〟(大航海の時代(ザ。グレート・ナビゲーシヨン))が終わり、人類の〝新たなる陸の時代〟(ユーラシア大陸の時代)が始まるのである。

 私が本書の巻末に載せた、「日本が世界に誇る水と空気をきれいにする企業。新素材、クリーンエネルギーの企業」の一覧を参考にしてください。合図は〝日経平均が今の半値の5000円になったら、その時に〟である。いいですか、みなさん。

 10月2日にオリンピック(東京五輪)の誘致に失敗した、あの傲慢(ごうまん)な石原(いしはら)慎太郎(しんたろう)・東京都知事が泣いていた。たぶんヨーロッパ貴族たち(神聖ローマ帝国の伝統を引くハプスブルク貴族たち)にまんまと騙されて、彼なりには手痛い打撃を受けたのだろう。今の日本で、日本の一般国民は、東京でスポーツのお祭りなんかやってくれと誰一人望んでいない。2016年のオリンピックは、新興4大国(BRICs(ブリツクス))の一つのブラジル(リオデジャネイロ)に華を持たせるのが、世界の流れだ。そんなことは初めから私には分かっていた。日本国内程度で威張っている田舎者たちには世界の動きは分からない。

 鳩山民主党政権と小沢一郎幹事長には、愚劣きわまりない日本官僚(という宦官(ユーナツク)ども)たちを、ひとつ徹底的に粛清(リクイデイシヨン)していただきたい。今のうちにこの日本の100年の宿痾(しゅくあ)を取り除いておかないと、迫り来るアメリカ発大恐慌に対応できなくなってしまう。

 この本も突貫工事で作った。しかし手抜き工事は一切ない。少しでも手を抜いたら精緻(せいち)な構造物は必ずどこかが爆発する。それでも私が齢(よわい)(経年)を重ねた分だけさらに読みやすい文になっていると思う。祥伝社の岡部康彦編集長が「自分がこの一冊を落としたら部下に示しがつかない」と気迫で迫ってきたので、それに応えなければならないと思って早駆けで書いた。記して感謝します。モンゴルの大平原を馬で駆ける喜びをこの齢で知った。

 2009年10月14日
副島隆彦

(貼り付け終わり)

以上です。

・上記の本は「副島隆彦の学問道場」内の「1セット・4冊、本の頒布サービス」でも取り扱っております。お申し込みになるにはコチラ↓
http://soejima.to/cgi-bin/hi-mail/4books.html

これからも、学問道場をよろしくお願いします。

中田安彦(アルルの男・ヒロシ)拝

 <転載終わり>
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 副島氏の予測にはいつも驚かされますが、1ドル=10円とはびっくりです。いくらなんでも、それは高すぎではないかと思いましたが、1年後には副島氏の予測通りの展開になっているかも知れません。今の不景気も氏の予測通りになってますので。

 また、アメリカの金融センターが崩壊した後は、世界の金融センターはカザフスタンに移るとの予測もびっくりです。昨年読んだ恐慌前夜でも、確か世界の中心がタシケントになると予測されていました。今までの海の時代から、今後は陸の時代に移行していくという予測も面白いと思いました。
 この「ドル亡き後の世界」は是非読んでみたいと思いました。近々購入しようと思います。



 ●今日のぼやき
  http://www.snsi-j.jp/boyaki/diary.cgi

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