<記事転載>
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<副島隆彦 学問道場より転載>
中曽根・ナベツネラインの終焉か 投稿者:アルルの男・ヒロシ投稿日:2010/02/12(Fri) 11:45:44
本日の「朝日新聞」によると、ロッキード事件の「もみけし」を中曽根康弘が、米国に対して働きかけていたことが分かりました。これはアメリカの公文書館に保管された資料に書かれていたものです。朝日の記事を引用します。
(引用開始)
ロッキード事件「中曽根氏がもみ消し要請」 米に公文書
2010年2月12日3時30分 朝日新聞
ロッキード事件の発覚直後の1976年2月、中曽根康弘・自民党幹事長(当時)から米政府に「この問題をもみ消すことを希望する」との要請があったと報告する公文書が米国で見つかった。
裏金を受け取った政府高官の名が表に出ると「自民党が選挙で完敗し、日米安全保障の枠組みが壊される恐れがある」という理由。三木武夫首相(当時)は事件の真相解明を言明していたが、裏では早期の幕引きを図る動きがあったことになる。中曽根事務所は「ノーコメント」としている。(中略)
ロッキード事件は76年2月4日に米議会で暴露されたが、ロ社の裏金が渡った日本政府高官の名前は伏せられた。
与野党いずれも政府に真相解明を要求。三木首相は2月18日、「高官名を含むあらゆる資料の提供」を米政府に要請すると決めた。
文書によると、中曽根氏はその日の晩、米国大使館の関係者に接触し、自民党幹事長としてのメッセージを米政府に伝えるよう依頼した。中曽根氏は三木首相の方針を「苦しい政策」と評し、「もし高官名リストが現時点で公表されると、日本の政治は大変な混乱に投げ込まれる」「できるだけ公表を遅らせるのが最良」と言ったとされる。
さらに中曽根氏は翌19日の朝、要請内容を「もみ消すことを希望する」に変更したとされる。文書には、中曽根氏の言葉としてローマ字で「MOMIKESU」と書いてある。中曽根氏はその際、「田中」と現職閣僚の2人が事件に関与しているとの情報を得たと明かした上で、「三木首相の判断によれば、もしこれが公表されると、三木内閣の崩壊、選挙での自民党の完全な敗北、場合によっては日米安保の枠組みの破壊につながる恐れがある」と指摘したとされる。
文書中、依然として秘密扱いの部分が2カ所あり、大使館関係者の名前は不明だ。
結果的に、事件の資料は、原則として公表しないことを条件に日本の検察に提供された。(奥山俊宏、村山治)
http://www.asahi.com/politics/update/0211/TKY201002110364.html
(引用終わり)
中田安彦です。
ロッキード事件の「灰色高官」の一人は、実は中曽根幹事長本人ではないか、と言われて久しい。中曽根の盟友であるキッシンジャー国務長官は、韓国系ジャーナリストの「ロッキード事件はあなたが仕掛けたものか」との問いに「オフコース(もちろんだ)」と答えていた。(韓国系ジャーナリスト文明子女史の著書に記述がある)
中曽根との関連では、防衛庁長官時代に、その職務権限に直結する、対潜哨戒機(P3C)導入に絡み、ロッキード社からの賄賂が行われたのではないかという説がある。しかし、民間機の導入にからみ、田中が賄賂を受け取ったという話にすり替わった。他国における、ロッキード事件も軍用機受注が舞台になったものである。
中曽根の「もみ消し」要請は、自らの対米人脈を強調しつつ、ロッキード事件の火の手が田中角栄までにとどまるようにアメリカに要請したことを示している。
この時期に、2008年に機密解除された公文書の存在が報道されるというのは、きわめて重要なシグナルである。小沢一郎を巡る国策捜査が急速にしぼんでいく中、小沢とアメリカの“急接近”が報道されている。事態は今年の初めから急速に転回している。
背後には、鳩山政権に対するアメリカの方針転換がある。自民党時代のしがらみ、具体的に言えば、中曽根や渡邊恒雄(読売新聞主筆)とキッシンジャー、ロックフェラーの人脈を超えて、新しい関係が構築されつつあるのだろう。
<転載終わり>
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『この時期に、2008年に機密解除された公文書の存在が報道されるというのは、きわめて重要なシグナルである。小沢一郎を巡る国策捜査が急速にしぼんでいく中、小沢とアメリカの“急接近”が報道されている。事態は今年の初めから急速に転回している。
背後には、鳩山政権に対するアメリカの方針転換がある。自民党時代のしがらみ、具体的に言えば、中曽根や渡邊恒雄(読売新聞主筆)とキッシンジャー、ロックフェラーの人脈を超えて、新しい関係が構築されつつあるのだろう。』
アルルの男 ひろしの中田氏の言われる通り、今まで距離を置いていた小沢一郎氏とアメリカが急接近した可能性もあるかも知れません。つまり、ロックフェラーとしては、今まで子飼いにしていた中曽根やナベツネから、小沢一郎氏へシフトし、関係を新たに構築しつつあるという見方は、正しいように思いました。
ただ、そもそも小沢氏は、イギリス・ロスチャイルド系と言われていますので、アメリカ・ロックフェラーと一時的な共同戦線を張ることはあっても、密な関係を構築するとは思えません。
片やアメリカはグーグル問題を筆頭に、台湾への武器輸出、ダライ・ラマ氏との会談と、中国に喧嘩を売るというモードに切り替えました。そうなると、小沢氏としても中国寄りの姿勢から、アメリカへも配慮するという姿勢に軸足をやや動かしたのかもしれません。
今後は、アメリカと小沢氏との関係及び、中国と小沢氏との関係を注視していく必要があると思います。
ただ、このように見ると、やはり何だかんだ云っても、現時点での日本の顔は小沢氏ということが、改めて解りました。アメリカも小沢氏を日本の代表として見ているからこその動きだと思いました。
●朝日新聞
http://www.asahi.com/politics/update/0211/TKY201002110364.html
●副島隆彦 学問道場
http://soejima.to/
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<副島隆彦 学問道場より転載>
中曽根・ナベツネラインの終焉か 投稿者:アルルの男・ヒロシ投稿日:2010/02/12(Fri) 11:45:44
本日の「朝日新聞」によると、ロッキード事件の「もみけし」を中曽根康弘が、米国に対して働きかけていたことが分かりました。これはアメリカの公文書館に保管された資料に書かれていたものです。朝日の記事を引用します。
(引用開始)
ロッキード事件「中曽根氏がもみ消し要請」 米に公文書
2010年2月12日3時30分 朝日新聞
ロッキード事件の発覚直後の1976年2月、中曽根康弘・自民党幹事長(当時)から米政府に「この問題をもみ消すことを希望する」との要請があったと報告する公文書が米国で見つかった。
裏金を受け取った政府高官の名が表に出ると「自民党が選挙で完敗し、日米安全保障の枠組みが壊される恐れがある」という理由。三木武夫首相(当時)は事件の真相解明を言明していたが、裏では早期の幕引きを図る動きがあったことになる。中曽根事務所は「ノーコメント」としている。(中略)
ロッキード事件は76年2月4日に米議会で暴露されたが、ロ社の裏金が渡った日本政府高官の名前は伏せられた。
与野党いずれも政府に真相解明を要求。三木首相は2月18日、「高官名を含むあらゆる資料の提供」を米政府に要請すると決めた。
文書によると、中曽根氏はその日の晩、米国大使館の関係者に接触し、自民党幹事長としてのメッセージを米政府に伝えるよう依頼した。中曽根氏は三木首相の方針を「苦しい政策」と評し、「もし高官名リストが現時点で公表されると、日本の政治は大変な混乱に投げ込まれる」「できるだけ公表を遅らせるのが最良」と言ったとされる。
さらに中曽根氏は翌19日の朝、要請内容を「もみ消すことを希望する」に変更したとされる。文書には、中曽根氏の言葉としてローマ字で「MOMIKESU」と書いてある。中曽根氏はその際、「田中」と現職閣僚の2人が事件に関与しているとの情報を得たと明かした上で、「三木首相の判断によれば、もしこれが公表されると、三木内閣の崩壊、選挙での自民党の完全な敗北、場合によっては日米安保の枠組みの破壊につながる恐れがある」と指摘したとされる。
文書中、依然として秘密扱いの部分が2カ所あり、大使館関係者の名前は不明だ。
結果的に、事件の資料は、原則として公表しないことを条件に日本の検察に提供された。(奥山俊宏、村山治)
http://www.asahi.com/politics/update/0211/TKY201002110364.html
(引用終わり)
中田安彦です。
ロッキード事件の「灰色高官」の一人は、実は中曽根幹事長本人ではないか、と言われて久しい。中曽根の盟友であるキッシンジャー国務長官は、韓国系ジャーナリストの「ロッキード事件はあなたが仕掛けたものか」との問いに「オフコース(もちろんだ)」と答えていた。(韓国系ジャーナリスト文明子女史の著書に記述がある)
中曽根との関連では、防衛庁長官時代に、その職務権限に直結する、対潜哨戒機(P3C)導入に絡み、ロッキード社からの賄賂が行われたのではないかという説がある。しかし、民間機の導入にからみ、田中が賄賂を受け取ったという話にすり替わった。他国における、ロッキード事件も軍用機受注が舞台になったものである。
中曽根の「もみ消し」要請は、自らの対米人脈を強調しつつ、ロッキード事件の火の手が田中角栄までにとどまるようにアメリカに要請したことを示している。
この時期に、2008年に機密解除された公文書の存在が報道されるというのは、きわめて重要なシグナルである。小沢一郎を巡る国策捜査が急速にしぼんでいく中、小沢とアメリカの“急接近”が報道されている。事態は今年の初めから急速に転回している。
背後には、鳩山政権に対するアメリカの方針転換がある。自民党時代のしがらみ、具体的に言えば、中曽根や渡邊恒雄(読売新聞主筆)とキッシンジャー、ロックフェラーの人脈を超えて、新しい関係が構築されつつあるのだろう。
<転載終わり>
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『この時期に、2008年に機密解除された公文書の存在が報道されるというのは、きわめて重要なシグナルである。小沢一郎を巡る国策捜査が急速にしぼんでいく中、小沢とアメリカの“急接近”が報道されている。事態は今年の初めから急速に転回している。
背後には、鳩山政権に対するアメリカの方針転換がある。自民党時代のしがらみ、具体的に言えば、中曽根や渡邊恒雄(読売新聞主筆)とキッシンジャー、ロックフェラーの人脈を超えて、新しい関係が構築されつつあるのだろう。』
アルルの男 ひろしの中田氏の言われる通り、今まで距離を置いていた小沢一郎氏とアメリカが急接近した可能性もあるかも知れません。つまり、ロックフェラーとしては、今まで子飼いにしていた中曽根やナベツネから、小沢一郎氏へシフトし、関係を新たに構築しつつあるという見方は、正しいように思いました。
ただ、そもそも小沢氏は、イギリス・ロスチャイルド系と言われていますので、アメリカ・ロックフェラーと一時的な共同戦線を張ることはあっても、密な関係を構築するとは思えません。
片やアメリカはグーグル問題を筆頭に、台湾への武器輸出、ダライ・ラマ氏との会談と、中国に喧嘩を売るというモードに切り替えました。そうなると、小沢氏としても中国寄りの姿勢から、アメリカへも配慮するという姿勢に軸足をやや動かしたのかもしれません。
今後は、アメリカと小沢氏との関係及び、中国と小沢氏との関係を注視していく必要があると思います。
ただ、このように見ると、やはり何だかんだ云っても、現時点での日本の顔は小沢氏ということが、改めて解りました。アメリカも小沢氏を日本の代表として見ているからこその動きだと思いました。
●朝日新聞
http://www.asahi.com/politics/update/0211/TKY201002110364.html
●副島隆彦 学問道場
http://soejima.to/