<株式日記より記事転載>
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【記事のみ転載】
中国政府が発表する数字はあてにはならないのですが、朝日新聞の記事によれば3月は6年ぶりの赤字になったそうです。貿易は相手国がある数字なので誤魔化しはきかないから確かなのだろう。鉄鉱石上がっているし石炭も値上がりしている。石油も85ドルまで値上がりしてきた。にもかかわらず中国政府は人民元をドルにリンクしたまま安く保っている。
「株式日記」では人民元を切り上げた方が中国にとっても得だと何度も書いて来ました。しかしながら中国が元を切り上げないのは三橋貴明氏が書いているように中国製品の競争力が上がってこないからだろう。中国製品の輸出の多くは外資系企業の製品であり自力によるものではないようだ。自動車にしてもアフリカやロシアのような国でないと売れないからだ。
最近では韓国企業がすごいとよく言われますが、サムスンにしてもLGにしても韓国企業ではあっても資本から見れば外資系企業だ。だから韓国企業が上げた利益は外資に流れて行ってしまう。中国の輸出も同じでありグローバル企業を誘致して格安の労働賃金で働かせて製品をアメリカに輸出してきた。だから中国には中国発のブランド企業がない。
中国にしても韓国にしても、日本や欧米で売り出された新製品をばらして同じようなものをこしらえて国内や東南アジアなどで売っている。開発コストがかからないから安く売ることが出来るし元安やウォン安で手取りが多くなるから会社の利益率が高い。2007年頃は日本も120円台の円安でトヨタなどは空前の利益を出していた。だから確かに通貨が安ければ輸出企業は手取りが多くなり有利になる。
しかし鉄も石炭も石油も値上がりしてくれば通貨安政策は総合的に見てマイナス効果になる。国内ではインフレとコスト高に直面する。70年代に日本がオイルショックを克服できたのは円高によるものであり、製品の高付加価値化で高度成長が実現できた。円が安いままだったならばインフレが酷くなり産業の高度化も進まなかっただろう。
おそらく中国は人民元を切り上げなければ4月以降も経常赤字が続く事だろう。原材料を高く買って製品を安く売っていればコスト高とインフレで人件費も上がって行って競争力が落ちる事になりますが人民元を切り上げたのと同じ結果をもたらすだろう。中国人は馬鹿だから実際にそのような状況に直面しないと為替と言うものが理解できないのだろう。
中国政府の当局は切り上げた方がいい事は分かってはいるが、中国共産党の国営企業の幹部を説得するのは至難の業だろう。元を切り上げれば外国からそれだけ安い物が入ってくるから競争力が弱いと負けてしまう。中国の富裕層は安い中国製品よりも高い輸入物を買いたがる。品質がよければ高くても買う層が出来ているから日本は富裕層に売っていけばいいのだろう。
オバマ大統領のドルを安くして製造業を復活させようとする政策も、通貨政策では産業を復活させる事は難しい。一度製造基盤が失われてしまえばそれを取り戻す事は不可能に近い。だから中国も人民元を切り上げてもアメリカの輸入はそれほど減らないだろう。人民元を切り上げしただけ手取りが増えるから有利なはずだ。
日本の場合は変動相場制に移行して輸出企業に輸出競争力をつけさせることに成功した。今では1ドル=95円ぐらいで儲けが出るような体勢になっている。日本が恐れなければならないのは円高よりも突発的な円安だ。中東で戦争が起きて石油が入ってこなくなればドルが暴騰して円が暴落するだろう。日本は軍事力がないから何の手も打てない。
しかし投機的な資源高などには日本の省エネ製品が売れるのでプラスですが、中国や韓国の安い製品は原材料高の直撃で厳しくなる。2008年に石油が147ドルまで上がった時は韓国経済がアウトになるところだった。中国経済にも同じ事がおきるようになり原材料高が直撃すれば中国は2兆ドルもの外貨準備高の蓄積もあっという間に消えるかもしれない。輸入量も中国爆食で半端な量ではないからだ。
中国のような統制経済では途中までは上手くいっても、産業が高度化するにしたがって政府のコントロールが上手く行かなくなる事はソ連崩壊でも明らかだ。為替相場も自由化しても急激に人民元が上がることもないだろう。中国は数年前に20%切り上げただけで輸出競争力が無くなってしまった。外資もインドやベトナムなどにシフトしていますが、その為には元が高くなってくれなければ困る。
いつまでも日本や欧米の新製品をばらして同じ物を作っていたのでは、いつまでたっても高付加価値の物は出来ない。中国はロシアのジェット戦闘機までコピーして海外に売ろうとしている。日本の新幹線もコピーされてアメリカに売込みを図っていますが、中国人の考え方にはついていけない。ロシアも中国への武器輸出は止めましたが、中国人は今までのような商売が出来なくなることが理解できないのだろうか?
●株式日記
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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【記事のみ転載】
中国政府が発表する数字はあてにはならないのですが、朝日新聞の記事によれば3月は6年ぶりの赤字になったそうです。貿易は相手国がある数字なので誤魔化しはきかないから確かなのだろう。鉄鉱石上がっているし石炭も値上がりしている。石油も85ドルまで値上がりしてきた。にもかかわらず中国政府は人民元をドルにリンクしたまま安く保っている。
「株式日記」では人民元を切り上げた方が中国にとっても得だと何度も書いて来ました。しかしながら中国が元を切り上げないのは三橋貴明氏が書いているように中国製品の競争力が上がってこないからだろう。中国製品の輸出の多くは外資系企業の製品であり自力によるものではないようだ。自動車にしてもアフリカやロシアのような国でないと売れないからだ。
最近では韓国企業がすごいとよく言われますが、サムスンにしてもLGにしても韓国企業ではあっても資本から見れば外資系企業だ。だから韓国企業が上げた利益は外資に流れて行ってしまう。中国の輸出も同じでありグローバル企業を誘致して格安の労働賃金で働かせて製品をアメリカに輸出してきた。だから中国には中国発のブランド企業がない。
中国にしても韓国にしても、日本や欧米で売り出された新製品をばらして同じようなものをこしらえて国内や東南アジアなどで売っている。開発コストがかからないから安く売ることが出来るし元安やウォン安で手取りが多くなるから会社の利益率が高い。2007年頃は日本も120円台の円安でトヨタなどは空前の利益を出していた。だから確かに通貨が安ければ輸出企業は手取りが多くなり有利になる。
しかし鉄も石炭も石油も値上がりしてくれば通貨安政策は総合的に見てマイナス効果になる。国内ではインフレとコスト高に直面する。70年代に日本がオイルショックを克服できたのは円高によるものであり、製品の高付加価値化で高度成長が実現できた。円が安いままだったならばインフレが酷くなり産業の高度化も進まなかっただろう。
おそらく中国は人民元を切り上げなければ4月以降も経常赤字が続く事だろう。原材料を高く買って製品を安く売っていればコスト高とインフレで人件費も上がって行って競争力が落ちる事になりますが人民元を切り上げたのと同じ結果をもたらすだろう。中国人は馬鹿だから実際にそのような状況に直面しないと為替と言うものが理解できないのだろう。
中国政府の当局は切り上げた方がいい事は分かってはいるが、中国共産党の国営企業の幹部を説得するのは至難の業だろう。元を切り上げれば外国からそれだけ安い物が入ってくるから競争力が弱いと負けてしまう。中国の富裕層は安い中国製品よりも高い輸入物を買いたがる。品質がよければ高くても買う層が出来ているから日本は富裕層に売っていけばいいのだろう。
オバマ大統領のドルを安くして製造業を復活させようとする政策も、通貨政策では産業を復活させる事は難しい。一度製造基盤が失われてしまえばそれを取り戻す事は不可能に近い。だから中国も人民元を切り上げてもアメリカの輸入はそれほど減らないだろう。人民元を切り上げしただけ手取りが増えるから有利なはずだ。
日本の場合は変動相場制に移行して輸出企業に輸出競争力をつけさせることに成功した。今では1ドル=95円ぐらいで儲けが出るような体勢になっている。日本が恐れなければならないのは円高よりも突発的な円安だ。中東で戦争が起きて石油が入ってこなくなればドルが暴騰して円が暴落するだろう。日本は軍事力がないから何の手も打てない。
しかし投機的な資源高などには日本の省エネ製品が売れるのでプラスですが、中国や韓国の安い製品は原材料高の直撃で厳しくなる。2008年に石油が147ドルまで上がった時は韓国経済がアウトになるところだった。中国経済にも同じ事がおきるようになり原材料高が直撃すれば中国は2兆ドルもの外貨準備高の蓄積もあっという間に消えるかもしれない。輸入量も中国爆食で半端な量ではないからだ。
中国のような統制経済では途中までは上手くいっても、産業が高度化するにしたがって政府のコントロールが上手く行かなくなる事はソ連崩壊でも明らかだ。為替相場も自由化しても急激に人民元が上がることもないだろう。中国は数年前に20%切り上げただけで輸出競争力が無くなってしまった。外資もインドやベトナムなどにシフトしていますが、その為には元が高くなってくれなければ困る。
いつまでも日本や欧米の新製品をばらして同じ物を作っていたのでは、いつまでたっても高付加価値の物は出来ない。中国はロシアのジェット戦闘機までコピーして海外に売ろうとしている。日本の新幹線もコピーされてアメリカに売込みを図っていますが、中国人の考え方にはついていけない。ロシアも中国への武器輸出は止めましたが、中国人は今までのような商売が出来なくなることが理解できないのだろうか?
●株式日記
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/