<船井幸雄.comより記事転載>
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鳩山首相は「決断のプロ?」
船井幸雄
マスメディアの公表から知る範囲からですが、われわれ日本人は、いま「鳩山首相は決断力に欠けるのではないか?」とたいていの人は思っています。
しかし彼については米、英、露、独などをはじめ、世界各国では「決断力にすぐれた決断の専門家」と考えられているらしいのです。
このことを強調しているのは作家で元外務官僚の佐藤優さんですが、佐藤さんの話しをきくと「なるほど」とも思われます。
鳩山一家はもともとアタマの良い家系で、首相の父、威一郎氏は東大法学部を主席で出た人ですし、弟の邦夫さんも同様だったと思います。ただ首相は工学部を出た人で、東大時代から数学に取りくんでおり、東大卒業後、スタンフォード大学でOR(オペレーションズ・リサーチ)と数学の修士号をとり、さらに工学博士号をORでとっています。
この学識だけでも世界中の有識者が尊敬を払うということです。
私は学歴とか資格無用論者なので、こんなことはどうでもいいと思うのですが、佐藤優さんの次の文章(月刊『経営塾フォーラム』3月号より転載)には、「なるほど」と 思い、また「びっくり」しました。
読者に紹介しておきます。
鳩山外交の計算式
永田町にも理科系出身は数多くいますが、すでに数学の論理は忘れて、永田町の掟に従っています。永田町の掟とは基本的に四則演算で、意見を集約し、足して二で割ります。例えば、沖縄県の普天間飛行場の移設問題について、民主党のマニフェストでは基地再編の見直し、日米合意では辺野古沿岸のキャンプシュワブヘの移設、08年の民主党の沖縄ビジョンと沖縄県から立候補している国会議員は県外あるいは国外への移設を主張しています。永田町の論理では、こうした三つの意見を足して三で割り、辺野古沖合への移設が妥当としています。
ところが、鳩山氏には永田町の四則演算が通用しません。鳩山氏は「日米関係の強化」を目的とした一本の目的関数の式を立てます。この目的関数について、鳩山氏はすでにオバマ氏を説得しました。「トラスト・ミー」という言葉がそれです。この言葉には現実的な形で日米関係を最大限強化するという意味が含まれています。オバマ氏も11月14日のサントリーホールでの演説で、日米関係の再確認だけでなく、進化した深い関係を築くことに私たちは合意しましたと述べています。
鳩山氏の目的関数の中には多くの制約条件が組み込まれています。普天間基地移設問題の場合、主要な制約条件はまずネオコン・ファクター。06年に米軍再編について戦略的な絵図を描いていたのはブッシュ政権下のネオコンでしたが、いまでは、このネオコンが著しく後退しています。
二つ目の制約条件は台湾における馬英九政権の出現です。この出現により、以前までの中台関係の危機的状況が、どの程度にまで変化するのか。沖縄県にアメリカ海兵隊が駐留しているのは、台湾海峡と朝鮮半島の危機に対応するためですから、中台関係に変化があれば、目的関数にも影響があります。
三番目は朝鮮半島です。米朝国交正常化プロセスが開始されており、このプロセスにより関数の値は変化します。
ちなみに、日本にいると北朝鮮についての情報に乏しいという声をよく聞きますが、日本に居ながらにして、基本認識に十分役立つ情報を得ることができます。カタカナで「ネナラ」と検索してください。ネナラというのは朝鮮語で「私の国」という意味です。検索すると「ネナラ朝鮮民主主義人民共和国」というサイトが出てきます。このサイトは事実上の北朝鮮政府のホームページです。このページは、日本語、英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ロシア語、中国語、アラビア語で運営されています。背後に相当の組織がなければ、これだけの数の言語で運営することはできません。北朝鮮はこのサイトを通じて各国に対して伝えたいメッセージを配信しているのです。
このサイトにはEショップもあり、金日成将軍の歌、金正日の映画芸術論などが有償でダウンロードできます。アメリカンエキスプレスは使用できませんが、ビザカードやマスターカードは使えます。けれども、クレジットデータや住所などを記入するのが怖いので、私は利用したことがありません。また、メールアドレスを登録すると、特別のメルマガが配信されますが、これも怖いので、私は利用していません(転載ここまで)。
ともかくこの文章を読むだけでお人柄がよく善人だと思える鳩山首相が、日本のために、あるいは世界のために、すばらしい決断力を発揮してくれるかも知れません。そのことを私は心から祈っています。
日本人としてできればみんなで首相を応援したいものです。私は民主党は時々きらいになりますが、鳩山さんだけは、まだ分りません。
=以上=
<転載終わり>
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『マスメディアの公表から知る範囲からですが、われわれ日本人は、いま「鳩山首相は決断力に欠けるのではないか?」とたいていの人は思っています。
しかし彼については米、英、露、独などをはじめ、世界各国では「決断力にすぐれた決断の専門家」と考えられているらしいのです』
アメリカ、イギリス、ロシア、ドイツでは、鳩山首相は決断力にすぐれた「決断の専門家」と考えられているとのことですが、肝心の日本では、鳩山首相は「一人では何も決断できない人」と、多くの国民は考えているように思います。知人と話していても、「どうせ、裏で小沢が操っているんだろう」と言う人が多いです。
「鳩山総理は裏で小沢幹事長に操られている」というネガティブキャンペーンを日本のマスコミが扇動してやっているようですが、その手口はかなり巧妙だと思いました。それは芸能人や芸能人のような弁護士などを上手く使って言わせているように思えます。テリー伊藤や、黒鉄ヒロシ、太田光をはじめちょっとした芸能人が一人前の評論家として、コメントしていますから、そのテレビを見ている国民は、知らず知らずに鳩山首相は、小沢幹事長に操られているんだな、と刷り込まれてしまうのだと思います。
確かに小沢幹事長の意見に、鳩山首相が耳を傾けることは多いとは思います。ただ、最後の決断は首相がしているのではないかと思っています。(真相は解りませんが)
しかし、外国では鳩山首相は「決断の専門家」だと評価されているそうですので、全くの真逆です。本当に今の世の中は、真逆が多くてびっくりです。
●船井幸雄.com
http://www.funaiyukio.com/funa_ima/
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鳩山首相は「決断のプロ?」
船井幸雄
マスメディアの公表から知る範囲からですが、われわれ日本人は、いま「鳩山首相は決断力に欠けるのではないか?」とたいていの人は思っています。
しかし彼については米、英、露、独などをはじめ、世界各国では「決断力にすぐれた決断の専門家」と考えられているらしいのです。
このことを強調しているのは作家で元外務官僚の佐藤優さんですが、佐藤さんの話しをきくと「なるほど」とも思われます。
鳩山一家はもともとアタマの良い家系で、首相の父、威一郎氏は東大法学部を主席で出た人ですし、弟の邦夫さんも同様だったと思います。ただ首相は工学部を出た人で、東大時代から数学に取りくんでおり、東大卒業後、スタンフォード大学でOR(オペレーションズ・リサーチ)と数学の修士号をとり、さらに工学博士号をORでとっています。
この学識だけでも世界中の有識者が尊敬を払うということです。
私は学歴とか資格無用論者なので、こんなことはどうでもいいと思うのですが、佐藤優さんの次の文章(月刊『経営塾フォーラム』3月号より転載)には、「なるほど」と 思い、また「びっくり」しました。
読者に紹介しておきます。
鳩山外交の計算式
永田町にも理科系出身は数多くいますが、すでに数学の論理は忘れて、永田町の掟に従っています。永田町の掟とは基本的に四則演算で、意見を集約し、足して二で割ります。例えば、沖縄県の普天間飛行場の移設問題について、民主党のマニフェストでは基地再編の見直し、日米合意では辺野古沿岸のキャンプシュワブヘの移設、08年の民主党の沖縄ビジョンと沖縄県から立候補している国会議員は県外あるいは国外への移設を主張しています。永田町の論理では、こうした三つの意見を足して三で割り、辺野古沖合への移設が妥当としています。
ところが、鳩山氏には永田町の四則演算が通用しません。鳩山氏は「日米関係の強化」を目的とした一本の目的関数の式を立てます。この目的関数について、鳩山氏はすでにオバマ氏を説得しました。「トラスト・ミー」という言葉がそれです。この言葉には現実的な形で日米関係を最大限強化するという意味が含まれています。オバマ氏も11月14日のサントリーホールでの演説で、日米関係の再確認だけでなく、進化した深い関係を築くことに私たちは合意しましたと述べています。
鳩山氏の目的関数の中には多くの制約条件が組み込まれています。普天間基地移設問題の場合、主要な制約条件はまずネオコン・ファクター。06年に米軍再編について戦略的な絵図を描いていたのはブッシュ政権下のネオコンでしたが、いまでは、このネオコンが著しく後退しています。
二つ目の制約条件は台湾における馬英九政権の出現です。この出現により、以前までの中台関係の危機的状況が、どの程度にまで変化するのか。沖縄県にアメリカ海兵隊が駐留しているのは、台湾海峡と朝鮮半島の危機に対応するためですから、中台関係に変化があれば、目的関数にも影響があります。
三番目は朝鮮半島です。米朝国交正常化プロセスが開始されており、このプロセスにより関数の値は変化します。
ちなみに、日本にいると北朝鮮についての情報に乏しいという声をよく聞きますが、日本に居ながらにして、基本認識に十分役立つ情報を得ることができます。カタカナで「ネナラ」と検索してください。ネナラというのは朝鮮語で「私の国」という意味です。検索すると「ネナラ朝鮮民主主義人民共和国」というサイトが出てきます。このサイトは事実上の北朝鮮政府のホームページです。このページは、日本語、英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ロシア語、中国語、アラビア語で運営されています。背後に相当の組織がなければ、これだけの数の言語で運営することはできません。北朝鮮はこのサイトを通じて各国に対して伝えたいメッセージを配信しているのです。
このサイトにはEショップもあり、金日成将軍の歌、金正日の映画芸術論などが有償でダウンロードできます。アメリカンエキスプレスは使用できませんが、ビザカードやマスターカードは使えます。けれども、クレジットデータや住所などを記入するのが怖いので、私は利用したことがありません。また、メールアドレスを登録すると、特別のメルマガが配信されますが、これも怖いので、私は利用していません(転載ここまで)。
ともかくこの文章を読むだけでお人柄がよく善人だと思える鳩山首相が、日本のために、あるいは世界のために、すばらしい決断力を発揮してくれるかも知れません。そのことを私は心から祈っています。
日本人としてできればみんなで首相を応援したいものです。私は民主党は時々きらいになりますが、鳩山さんだけは、まだ分りません。
=以上=
<転載終わり>
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『マスメディアの公表から知る範囲からですが、われわれ日本人は、いま「鳩山首相は決断力に欠けるのではないか?」とたいていの人は思っています。
しかし彼については米、英、露、独などをはじめ、世界各国では「決断力にすぐれた決断の専門家」と考えられているらしいのです』
アメリカ、イギリス、ロシア、ドイツでは、鳩山首相は決断力にすぐれた「決断の専門家」と考えられているとのことですが、肝心の日本では、鳩山首相は「一人では何も決断できない人」と、多くの国民は考えているように思います。知人と話していても、「どうせ、裏で小沢が操っているんだろう」と言う人が多いです。
「鳩山総理は裏で小沢幹事長に操られている」というネガティブキャンペーンを日本のマスコミが扇動してやっているようですが、その手口はかなり巧妙だと思いました。それは芸能人や芸能人のような弁護士などを上手く使って言わせているように思えます。テリー伊藤や、黒鉄ヒロシ、太田光をはじめちょっとした芸能人が一人前の評論家として、コメントしていますから、そのテレビを見ている国民は、知らず知らずに鳩山首相は、小沢幹事長に操られているんだな、と刷り込まれてしまうのだと思います。
確かに小沢幹事長の意見に、鳩山首相が耳を傾けることは多いとは思います。ただ、最後の決断は首相がしているのではないかと思っています。(真相は解りませんが)
しかし、外国では鳩山首相は「決断の専門家」だと評価されているそうですので、全くの真逆です。本当に今の世の中は、真逆が多くてびっくりです。
●船井幸雄.com
http://www.funaiyukio.com/funa_ima/