メドレー日記 Ⅱ

by 笠羽晴夫 映画、音楽、美術、本などの個人メドレーです

リヒテル/ブリテン/モーツアルト

2007-03-15 22:26:08 | 音楽一般
モーツアルト: ピアノ協奏曲第22番(K482)、ピアノ協奏曲第27番(K595)、弦楽合奏のためのアダージョとフーガ(K546)
ピアノ: スヴィアトスラフ・リヒテル、ベンジャミン・ブリテン指揮イギリス室内管弦楽団
いずれも英オルドバラ音楽祭のライブ録音(BBC LEGENDS)、27番のみ1965年、その他は1967年。
 
まず始まって、ブリテンのモーツアルトっていいなと感じる。特にピアノコンチェルトだとピアニストがいい気持ちで入ってくるように出来るかどうか、そこの出来がいい。専門の名指揮者でモーツアルトの協奏曲だとあんまりうまくない、だからバレンボイムをはじめ、自分で指揮したくなる人も多いのだろう。
 
リヒテルという人は、モーツアルトのコンチェルトを積極的に弾きたいというタイプではないように思う。そういう人が次第に乗せられてきて、27番など彼には珍しくテンポも速めになってくる。
22番目でも1楽章の中盤からのピアノとオーケストラの調和がきれいだ。
 
しかし、一番のききものはなんといっても22番第1楽章のカデンツア。
始まってすぐにこれはモーツアルトでも、その他古典派の作でもなく、また誰か名ピアニストの作でもないのがわかる。
20世紀の作曲家であるのはまちがいない。曲想からしてプロコフィエフ? それとも指揮をしているブリテン?
 
後でリーフレットを読んでみたら、やはりブリテンで、しかもモーツアルとへの concern よりはリヒテルの personality を重視したとのことである。ちょっとプロコフィエフ風というのはその結果かもしれない。
でもなかなかいいカデンツアである。そしてこういうカデンツアのすわりがいいのは、この種のコンチェルトの様式におけるカデンツアのポジションそのものにもあるのだろう。
 
アダージョとフーガはなんとも表現が濃い。でもこれはこの曲が本来もっていたものとブリテンのもの双方からの結果だ。
 
リヒテルによるモーツアルトのコンチェルトは、ザンデルリンクとやった20番の他ほとんど入手困難だった。もっとも演奏した曲も少数で限られている。この二つも存在は知っていたが長らく廃盤になっていたので、今回の発売はうれしい。

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