「情痴 アヴァンチュール」(Une Aventure 、2005年、仏・ベルギー、107分)
監督:グザヴィエ・ジャノリ
リュディヴィーヌ・サニエ、ニコラ・デュヴォシェル、ブリュノ・トデスキーニ、フロランス・ロワレ=カイユ
リュディヴィーヌ・サニエだから見た映画。同棲しているカップルが引っ越してきて、夢遊病らしい女(サニエ)を見かけ、男の方が気になりだしその世界に引き込まれていく。タッチはフィルム・ノワール風、男がビデオテークに勤めていて、それがこの話と事件を説明していく小道具のようになっている。
しかしフィルム・ノワールといってもそれ風であって、それほど暗さも、ドラマもあるわけではないので、最後どうなるのかと思って見ているうちに、二人の間に恋愛というほどのものが生まれもせず終わってしまった。こういうムードを味わってくれとでもいうのだろうか。ぜひともと人に勧める作品ではない。
サニエは「スイミング・プール」ほど迫ってくる強さがある役でもないし、「8人の女たち」ほどドラマ進行の中心にいるわけではないけれど、彼女という配役だからという作品にはなっている。
フランス映画では、こういうポジションの椅子が一つあって、20年くらい前はソフィー・マルソーだったかなと思われる。もっとも二人ともセクシーだけれど、ファム・ファタルとしての感じは随分ちがう。ソフィー・マルソーの方が表面的なかわいさがあるとでも言ったらいいだろうか。サニエの方はちょっと近づきがたい。
それにしてもこの邦題はないだろう、アヴァンチュールだけでよかったのに。