米国イーストマン・コダック社が破産法を申請した。
これでフィルムメーカーは世界で実質的に富士フィルムだけとなる。
これから撮られる写真は、今のデジタルカメラであれば、もう性能的にほとんど問題はないけれど、これまでの膨大なフィルム資産を生き延びさせるためには、それをデジタルスキャンすればいいというわけでもなくて、新しいフィルムを使ったオリジナルからの修復とかいくつかの分野があるから、困るところは出てくるだろう。富士フィルムの生産継続も限られた種類だし、フィルムの特性がちがう。
思い出して、久しぶりに「僕のコダクローム」(Kodachrome)を聴いてみた。サイモンとガーファンクルが解散したのち、ポール・サイモンが出した2つ目のアルバム There Goes Rhymin' Simon の最初に入っている曲である。
コダクロームは1935年にコダックが発売した35ミリカラーフィルムで、これから一般の人たちがカラー写真を楽しめるようになっていった。この曲でもコダクロームは若いころの美しいイマジネーションを象徴するものとなっている。
ところで、歌詞のなかでコダクロームを入れたカメラはNikon(ナイコンと発音されている)だが、ニコンはフィルムカメラの生産を既にやめており、デジタルカメラとその他の事業で生き残っている。
今聴いているアルバムは1973年に発売されたLPレコード、ジャケットはとってもきれいなイラストで、まさにポール・サイモン若き日のイマジネーションそのもの。