メドレー日記 Ⅱ

by 笠羽晴夫 映画、音楽、美術、本などの個人メドレーです

ホドラー展

2014-12-17 13:39:38 | 美術
フェルディナント・ホドラー展
国立西洋美術館 10月7日(火)- 1月12日(月・祝)
 

フェルディナント・ホドラー(1853-1918)というスイス生まれの画家については、その名前もまったく知らなかった。40年ぶりの回顧展ということで、しばらく前のNHK日曜美術館で特集され、見ておこうと思った次第。
 

最初はいかにもスイスらしいというか、絵葉書になるような風景画で始まったようで、そのあと意識的に描くようになり、人物画も多くなり、生涯両方を描き続けたようだ。これは案外珍しいかもしれない。
 

風景、人物(特に複数の人物が登場するもの)の双方とも、絵の中にいくつかの要素の反復があり、またその反復の変化がリズムとなっている。オイリュトミー、平行主義(パラレリズム)なとどいう言葉が使われるものである。
これらは見る者の眼に動きを促がし、印象としても動きを感じさせる。その一方、全体をショットとして見たとき、風景の切りとり、人物のポーズに卓抜なものがあって、絵としての価値を高めている。
 

後期になると山ははっきりとした輪郭線を持ち、セザンヌに通じる感じもある。
なお年譜を見ると、若いころから複数の女性をいろいろあった人のようだが、それにしては描かれた女性は肉感的、性的なところが乏しい。反復、リズムなどに集中したのか、それとも何かほかの考えがあったのか。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする