バンド・ワゴン( The Band Wagon、1953米、112分)
監督:ヴィンセント・ミネリ 音楽:アドルフ・ドイッチ、作詞:ハワード・ディーツ、作曲:アーサー・シュワルツ
フレッド・アステア(トニー・ハンター)、シド・チャリシー(ガブリエル・ジェラード)、オスカー・レヴァント(レスター・マートン)、ナネット・ファブレー(リリー・マートン)、ジャック・ブキャナン(ジェフリー・コルドバ)
ミュージカル映画として、またフレッド・アステアの名演としてあまりにも有名だが、そのさわりを見たことは記憶していても、全編通して観たのは初めてだと思う。こういうことはよくある。
かってのスターでrハンター(アステア)が知り合いのマートン夫婦の手引きで再起を図る。マートンはクラシックバレエもこなすジェラード、そして売れっ子の演出家コルドバと組むことを勧め、いろいろあって新作「バンド・ワゴン」を作り上げ、上演するが失敗、それでも再度練り直してツアーに出かけ、大ヒットに至る。この種の主人公、演じるスターに焦点を当てたものとしては定番といってもいいよくあるストーリー展開である。
これが成功したのはおそらくヴィンセント・ミネリによる、アステアの魅力とストーリーがある映画では省略した方がいいアステアの一面をよく見通した演出によるものだろう。
とにかくテンポがよく、映画は快調に進行していく。退屈している暇はなく、次から次へとアステアが動きまわり踊りまわる。アステアという人、間を持たせる演技をして面白い人ではないので、ここは他の映画よりこの人をたっぷり楽しむことができる。
それはシド・チャリシーもそうで、見る方はとにかく彼女の素晴らしいダンスを観たいわけである。
二人が互いを好きになってきたのではないか、ということを観客に思わせはするが、あまりはっきりとは描かず、そのまま終わるというところも、すっきりしていていい。
それにしてもこの映画のチャリシー、涼しげな顔立ち、抜群なスタイル特にダンスとの相性、ミュージカル映画史上おそらく最高といえるだろう。彼女、このあとも長いこと続けて活躍したらしいが、どちらかというと日本人好みかもしれない。この映画でカメオ出演したエヴァ・ガードナーと比べると特にそうで、宝塚の娘役トップといったところだろうか。
その脚に高額な保険がかかっていたそうだが、それをきくとアンジー・ディキンソン(「リオ・ブラボー」(1959))を思い出す。タイプは違うけれど彼女も派手ではなかった。
音楽は「ザッツ・エンターテイメント」、「あなたと夜と音楽と」などすでになじみ深いものが多く、作曲はアーサー・シュワルツ。後者は歌ったことがある。手本にしたのはシナトラで、もう少し後に出た歌と思っていた。
監督:ヴィンセント・ミネリ 音楽:アドルフ・ドイッチ、作詞:ハワード・ディーツ、作曲:アーサー・シュワルツ
フレッド・アステア(トニー・ハンター)、シド・チャリシー(ガブリエル・ジェラード)、オスカー・レヴァント(レスター・マートン)、ナネット・ファブレー(リリー・マートン)、ジャック・ブキャナン(ジェフリー・コルドバ)
ミュージカル映画として、またフレッド・アステアの名演としてあまりにも有名だが、そのさわりを見たことは記憶していても、全編通して観たのは初めてだと思う。こういうことはよくある。
かってのスターでrハンター(アステア)が知り合いのマートン夫婦の手引きで再起を図る。マートンはクラシックバレエもこなすジェラード、そして売れっ子の演出家コルドバと組むことを勧め、いろいろあって新作「バンド・ワゴン」を作り上げ、上演するが失敗、それでも再度練り直してツアーに出かけ、大ヒットに至る。この種の主人公、演じるスターに焦点を当てたものとしては定番といってもいいよくあるストーリー展開である。
これが成功したのはおそらくヴィンセント・ミネリによる、アステアの魅力とストーリーがある映画では省略した方がいいアステアの一面をよく見通した演出によるものだろう。
とにかくテンポがよく、映画は快調に進行していく。退屈している暇はなく、次から次へとアステアが動きまわり踊りまわる。アステアという人、間を持たせる演技をして面白い人ではないので、ここは他の映画よりこの人をたっぷり楽しむことができる。
それはシド・チャリシーもそうで、見る方はとにかく彼女の素晴らしいダンスを観たいわけである。
二人が互いを好きになってきたのではないか、ということを観客に思わせはするが、あまりはっきりとは描かず、そのまま終わるというところも、すっきりしていていい。
それにしてもこの映画のチャリシー、涼しげな顔立ち、抜群なスタイル特にダンスとの相性、ミュージカル映画史上おそらく最高といえるだろう。彼女、このあとも長いこと続けて活躍したらしいが、どちらかというと日本人好みかもしれない。この映画でカメオ出演したエヴァ・ガードナーと比べると特にそうで、宝塚の娘役トップといったところだろうか。
その脚に高額な保険がかかっていたそうだが、それをきくとアンジー・ディキンソン(「リオ・ブラボー」(1959))を思い出す。タイプは違うけれど彼女も派手ではなかった。
音楽は「ザッツ・エンターテイメント」、「あなたと夜と音楽と」などすでになじみ深いものが多く、作曲はアーサー・シュワルツ。後者は歌ったことがある。手本にしたのはシナトラで、もう少し後に出た歌と思っていた。