今回の台風19号(ハギンス)は早い段階から危険度が高いとメディアで騒がれていたのでそれなりに自身も関心を持っていた。
上陸日前日に自宅では女房殿が台風に備えて庭の片づけをしていた。
会社でも金曜日夕方に息子も自発的に事務所廻りのプラスチックの植木鉢等を倉庫にしまっていた。
息子の片づけを見てずぼら親父は感心しきり。
親に似ない息子に少し嬉しくなっていた。
台風の名前がハギンスと知って興味が湧き、これについて少し調べてみました。
今回の19号の名前はハギンス(フィリピン語)すばやいという意味。
以下
直近の台風の名前
・台風17号(ターファー)マレーシアの言葉でなまずの意味
・台風16号(ペイパー)マカオの言葉で魚の名前
・台風15号(ファクサイ)ラオス語で女性の名前
・台風14号(カジキ)日本の提案で、星座の「かじき座」が由来
・台風13号(レンレン)香港の言葉で少女の名前
・台風12号(ポードル) 北朝鮮語で「柳」の意味
・台風11号(バイルー)中国の名前で「白鹿」の意味
・台風10号(クローサ)カンボジア語で鶴の意味
台風には従来、米国が英語名(人名)を付けていましたが、
現在は台風には(加盟国などが提案した名前)を付けています。
発生順にあらかじめ用意された140個の名前を順番に用いて、再び1番に戻る。
ちなみにハギンスは52番目の名前です。
台風の年間発生数の平年値は25.6個なので、おおよそ5年間で台風の名前が一巡することになるそうです。
毎年1月1日以後、最も早く発生した台風を第1号とし、以後台風の発生順に番号をつけていますが
年ごとに発生月は様々で、1月に発生する事もあれば7月になった例もあるそうです。
今年2019年の台風1号は「パブーク」2019年1月1日発生。1月1日の台風発生は、統計開始以来、最も早い発生。
これまで最も発生が早い台風は1979年1月2日9時に発生した台風です。
今年の台風1号は、その記録を更新する最早の台風となりました
まあそんなわけで一応それなりに家族は台風対策はしていたのです。
ダメ親父はまったくしていません。今思うと情けないかぎりです。
さて12日土曜日ですが午前中はまだ、雨・風はまったくなく平穏な天気でした。
昼頃から雨が降り出し風も急に強くなりだしてきた。
しかし私の経験上ではこのあたりで台風は治まり
翌日を迎えて台風一過となる読みであった。
ところが今回は違っていた。
夕方6時頃から携帯がひっきりなしにピンポーンと警戒音を鳴らして
危険情報を呼びかけだした,しかし回数が違う10分置き位に警報が出る
今までの経験とは全く違う。
そのうちに息子から電話があり自宅地区に避難勧告が出たので
高台にある我が家に一家で避難したいとのこと。息子の家は千曲川から1K以内。
夜中11時ごろに我が家にあわただしく避難してきた。
孫も眠い目をこすってぐずっている。早速布団を敷き孫を寝かせつけた。
そうこうしているうちに会社近くの千曲川堤防が決壊というニュースが
飛び込んできた。
しかし、ダメ親父はまあ会社は堤防から5K以上離れているから
大丈夫だよなどとのんきな構え。
警報は具体的地域を発表しだした。
会社の地域は堤防決壊地区の隣だが
その他の隣接地域の名前がニュースで流されている。
しかし我社の地区は避難地区として名前は出てこない。
そんなわけで明日朝に見回りに行けば良いと安易に結論を出して寝てしまった。
今にして思えば今まで災害に遭った事が無いので危機感が全く出てこないのだ。
あああああ!
翌日には悲惨な状況になる事を予測できないあほ親父だ。
一夜が明け穏やかな台風一過の朝を迎えた。
良かったなあと一安心。。。
息子と「7時に会社に向かうぞ」と打ち合わせをして朝食。
ゆったりと二人で会社へ向かう。
会社近くになるとどうも周りの様子がおかしい。
まだ会社まで距離があるのに警察官が出ていて交通整理をしている。
会社まであと500メートルくらいのところでついに通行止め。
ここまでくるとだれでも悪い結果が理解できる。
息子に運転を替わってもらい車を降りて速足で会社へ向かった。
警察官に止められたが事情を話しバリケードを越えて前に進んだ。
水際には近くの住人の方々が集まっている。
すでに水没している家の方もいるようだ。
着の身着のままので皆さん悲壮な顔をしている。
我が会社はどうだろう。見渡せるところまで水の中を進む。
会社が見えてきた。
水没している。 (涙
駐車上の車も水没だ==。
10台ある会社の車、幸いなことに3台だけしか駐車場に置いていない。
残りの車は社員が自宅に乗って帰っていたらしい。
その内一台は車両保険に入っているのでそれも不幸中の幸い。
水辺を遠巻きにしている周りの方に水位を聞いてみる。
我社のところまでは。深い処で太ももまでとのこと
ここでやっと高価な測量の器機が事務所の床に置いてあることを思い出した。
自分では気付かないが気は動転している。
水の中を会社まで進むことにした道路の真ん中をパンツまで水につかり
マンホールや側溝に気を付けながら用心深く進む。
さすがに太ももまでの冠水では歩くことも難儀だ。
なんとか会社へは到着した。
会社は少し高い所にあるので床上浸水はギリギリまぬがれている。
しかし水際になっているのでゴミが大量に押し寄せて来ている。
軽トラックだけ動かせる状態なので一番高い位置に移動させ、
事務所に入り測量機器を机の上へ移動させた。
会社前の道路が水道(ミズミチ)になっていて低い所へ水が流れ広がっている。
そのせいで水位は上がってこないようだ。
水の流れは三陸の津波の映像を見ているようだ。
暫く留まって様子をうかがっていたが水の上昇は治まっている様子。一安心。
しかしもう水に対しては手の打ちようがないので
成り行き任せしかしょうがない。
この場に居ては危険という事も有る。一旦引き上げだ。 (涙
家へ息子と帰り今後の対策、ここまで来てしまうと何も出来る事はない。
しかし居てもたってもいられないのだ。
ゴムの胴長靴を2人分買って再び会社へ向かった。
胴長靴、店では今日だけでもかなり売れて品切れ寸前だ。
買えてよかった。
結果はただ現場へ行っただけだった。冷静な判断ができない状態。
一夜明け幸いなことに水は引いた。
会社へ向かう道路上にバリケードはなく警察官も居ない
会社まで車で行くことが出来た。
水が引いた状態。色々なゴミが流れついている。
社員有志と家族総出で人力で少しづつゴミを固めた。
この後フォークリフトでごみを押して片づける。
その後高圧洗浄機で会社前のアスファルトを水洗い
交差点を見ると信号気も動いていない。
離れている駐車場の片づけはまだだがなんとか事務所廻りは綺麗になった。
会社の出来事だが家族一致で災害に対処した。
災難に向かう事で皆の気持ちがまとまり団結心が強くなった。 良い事も有る。
然し会社は依然停電なのでパソコンのデータと冷凍庫の中身が心配。
次々と問題が出てくる。
データが無事であればいいのだが。。いつまで停電は続くのか。
コンピューター対策はまた明日だ。
県外からボランティアの方がゴムボート持参で来てくれている。
本当にありがたい。
叔父、友人、会社関係の方々から心温かい言葉や
心配の連絡をいただいています。
会社はあと5センチくらいのところで床上浸水は免れました。
大事には至りませんでした。
本当にラッキーでした。
皆様色々御心配いただきまして有難うございました。
この場で厚く御礼申し上げます。