いろいろな思いを胸に秘め、慌ただしく出発したインド。
成田からからデリーまで10時間くらい乗ったでしょうか?それからさらにチェンナイには4時間くらい?デリーで一泊したほうが良かったかな?何て思いながら皆さんの表情を見ていました。でもこれは私の取り越し苦労。
到着は夜中というか朝方というか…。
旅の前半はスケジュールの関係上、モーニングコールがすこぶる早い。
谷奥徹男さんがすましてこうおっしゃいました。
「今日の到着は大変遅くなった分、明日のモーニングコールは大変早くなっています」
これには一同爆笑。
谷奥徹男さん、続けて曰く「え!どうして笑うんですか?何でもバランスが大事ですヨ」
これで毎回、場の空気が一変するんです。
「さあ!楽しい旅のはじまり!」と思う瞬間でした。
今年は久しぶりのインド最南端のコモリン岬。
母の一部を美しい海に流してあげました。
デシカチャー・アシューラムでは「本当の自分」を探るチャンティングを教わりました。ヴェーダーンタの教えをさりげなく皆で唱えるなんて何て素敵なんでしょう。
充実感は勿論のこと、まるで修学旅行のようにはしゃぐ私たち…。
本当に楽しかったですね。
さて、今日は映画を観てきました。
「ラサへの歩き方」です。
YUKARIさんからメールをいただいたからです。
「この映画はフィクションですが、チベットの村人が五体投地でラサへの巡礼の旅をするドキュメンタリーのような映画です。兄の遺志を継いで決意する初老の男性、家畜の解体を生業とする中年男性、妊婦、少女、その他もろもろ総勢11人が助け合いながらひたすら前へ進むその行為は、他の人のために祈る利他の祈りです。道程で起きるアクシデントも、彼らの揺るぎのない信仰心であっさり受け入れて乗り越えていく、その清々しさ!小さな虫が目の前を横切るのを見届けてから進む、その慈愛の眼差し。ぜひ田原先生、荻山先生にも観ていただきたい映画です」
YUKARIさん、ありがとうございました。
本当に観て良かったです。
現代人の失ったもの…それはこの映画のようなシンプルさ。
彼らの生活は祈りそのものです。底抜けの明るさをもって巡礼します。
伝統を重んじる民族。信心深いのでブレていない。
20年ほど前に行った「曼荼羅の国チベットと瞑想の国インド」を思い出していました。
人々は素朴で、空の青さは天国に一番近い国を思わせました。五体投地はごく普通の営みとして行われていました。
劇場は渋谷シアターイメージフォーラムです。宮益坂口に出て徒歩7~8分くらいです。(荻山貴美子)