日本ヨーガ学会

ヨーガ的生活

頭痛・肩こり・樋口一葉

2016年08月09日 20時53分02秒 | 思うがままに
井上ひさしさんの戯曲「頭痛・肩こり・樋口一葉」の舞台を再び観ました。

好きな人と添い遂げられず自害し、成仏できないでいるお女郎さんの幽霊は、お盆の度に樋口一葉の前に出てきます。

何故ならこの幽霊にとって、樋口一葉はとても身近な存在だったからです。

樋口一葉は自分の不遇の人生を恨み、肉体は生きていても心は死んだも同然でした。

そんな一葉に親しみを感じて毎年お盆に現れるのです。

幽霊と樋口一葉の友情にも似た会話はユーモラス。幽霊は恨みの元を尋ねて化けて出ます。しかし恨みに思う人には皆、それぞれの理由があり、その元の元を尋ねて100何か所。辿りついた先は、実に些細なことでした。

恨みをはらそうと思ったら、世界中が恨みの相手になってしまう…ということに気づくのです。

やはり、このお芝居のテーマも恨みの連鎖を断ち切る大切さでした。

それにしても幽霊役の若村麻由美さんの艶やかさと芝居の上手さ。

お女郎さんの幽霊が現れるとパッと花が咲き、笑いが起こる。何とも心優しいお人好しのキャラクターが最高でした。

よくよく考えたら、再び観たくなったのはこの幽霊に会いたかったからかもしれません。
 
こんな幽霊にとりつかれてみたいです。(荻山貴美子)
コメント
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