日本が沈んでいく!
ほとばしる溶岩は民族の血か。
咆哮する大地は魂の慟哭か…。
一億の民をのせて、
あゝ、日本が死んでいく!
小松左京さんの小説の映画化「日本沈没」を久しぶりに観ました。
ほぼ50年ほど前の映画です。
日本沈没を予言する小林桂樹さん演じる博士。それに呼応し、民族大移動を練る丹波哲郎さん演じる総理大臣。
予言どおり、関東の大震災は街は壊滅し、火事と津波で大変な死者を出します。
しかし、それは序奏に過ぎず次から次に日本は崩壊していきます。
火と水と大地に飲み込まれる日本。よくできた映画ですね。今、コロナに翻弄されている時期だからこそ、真に迫ります。
生き残れた人は各国に散らばり難民になった人のみ…。
総理は立派でしたね。
外務大臣任せにせず、各国首脳に難民受け入れを懇願します。
予言した博士に総理は言います。
「あなたのお陰で何千万という日本人が助かったのですよ」と。
博士は答えます。
「それが良かったのかどうか?
日本は民族としてはまだ若い。4つの島で育てられてきた子どもだ。外へ出ていってケンカをして酷い目に遭っても、4つの島に逃げ込み、母親のふところへ鼻を突っ込みさえすれば良かった。しかし、これからは、その帰るべき国がなく、海千山千の世界の人の中で生きて行かなくてはならない」
50年前ですから時代背景は勿論違いますが、本質はそんなに変わっていません。
私だったらどうするでしょう?
日本とともに沈みます。