『死ぬ前に言っとこ』
を読みました。
淡路恵子さんが死の直前まで書いていた最期のメッセージ。
私は淡路恵子さんの特別なファンではありませんでしたが、彼女の波乱万丈な生き方に前から関心がありました。
しかし、これを読んでにわかにファンになりました。
十分美しかった淡路恵子さんですが、ご自分のことをよく知っていました。脇役として輝ける自分だ…と。
あとがきは井田晃一郎さん。萬屋錦之助さんは義父にあたります。淡路恵子さんの長男。
「お母さん。情けない息子たちでごめんなさい。とりわけ長男の僕が不甲斐なくてごめんなさい。貴女の望む様な息子になれなかった事が唯一心残りです。ごめんなさい。でも、弟たちの分まで、お母さん、お父さんの供養をしっかり続けて行きます。それはきっとします」と締めくくっているとおり、彼女はしっかりもので真面目で一途だっただけに別れた二人の夫や子どもに頼られてしまいました。
親孝行は生きているうちにするもの。失ってわかる親の偉大さ。しかし、彼女は不倫した夫も不甲斐ない子どもも恨んでいない。
「もう一度、生まれ変われたら、いいなあ…」の彼女の最後の言葉に人生に悔いなし!の思いが込められています。
実の息子が母親の家に盗みに入ったとき、警察に届けて大ひんしゅくをかいましたが私は立派だと思いました。
人は性根が腐っていると、どこまでも腐ったままです。
結局は彼は自分の罪を認めましたが、自死。
これも人生、あれも人生。
ただ言えることは、自分の人生の主役は自分自身だということ。
淡路恵子さんは、仕事は脇役でしたが、人生では主役でした。