yama room

山コンビ大好き。

ブログではなくて妄想の世界です。

きらり

短編集 part7

2017-07-07 20:47:20 | 超短編







6月23日 






顔を洗い、鏡に映る自身の顔を見る。



まだ、ダメ だ。




 




「……ここにいたんだ?」


その言葉に驚いて振り向くと智くんが扉の前に立っていた。


「……何 で?」

「ちょっとだけ探しちゃった」


その言葉にくすっと照れくさそうに笑う。



この場所は普段みんなが使うトイレとは別の場所にある。
人気のない離れた場所にあってめったに人も来ない。


その場所に。


多分いつまでも戻らない自分の事を心配して
探しに来たのだとすぐにわかった。






「……」

「行ける?」


何も言えず立ち尽くしたままでいると、智くんが気遣うようにそう言った。


「……」

「大丈夫」


その言葉にやっぱり何も言えないでいると大丈夫だと頷く。


大丈夫って?


大丈夫ってどういう意味?


そう思いながらやっぱり何も言えず立ち尽くしたまま動けないでいると
智くんがゆっくりと自分に近づいてきて右手を差し伸ばしてくる。


思わずつられるように右手を差し出すと、智くんがぎゅっとそれを掴んだ。


そして引っ張られるように引き寄せられて、
そのまま智くんの左手が背中に回ってきて抱きしめられる。


「……!」


びっくりしてそのままされるがままでいたら
智くんの背中に回された腕にギュッと力がこめられる。


そのまま呆然と抱きしめられた状態でいたら
智くんの回した手から、とんとんと優しく背中をたたく音が聞こえてくる。
その規則正しく奏でる音を聞いていたら
気持ちがだんだんと落ち着いてくるような気がした。


しばらくそのまま規則正しく奏でる音を目を閉じながら聴いている。


そしてその手を止めゆっくりと身体を離したかと思ったら
優しく顔を覗き込むように見つめてくる。


視線が合うとまたニコッと可愛らしく笑った。


「行こう?」

「……」


やっぱりまた何も言えないでいるとニコッと笑って小さく頷いた。


そしてまるで自分が頑張るから無理しなくてもいいと言わんばかりに
力強く手をぎゅっと握りしめた。






多くを語る人ではない。
多くを語らせる人でもない。


でも。


その言葉に
その存在に、


大丈夫だと、勇気をもらう。


無理しなくていいのだと、安心感をくれる。






うん、行ける。


行こう。





その扉を開け、足を踏み出した。














夜会





『初めて見直した』



その人は心底驚いたようにそう言って笑った。


そう言ってくれるのは自分の事のように嬉しい事だ。


でも。


以前に共演した時に散々話したよね?
コンサートDVD も渡したよね?


それなのに、今 か。
初めて見直した か。


その言動に一瞬言葉を失った。





でも。


悲しいけど智くんの世間一般の認知度ってこんなものなんだよね。


どれほど素晴らしい人なのか。
どれほど才能にあふれている人なのか、
どんなに伝えても伝わらない。
どんなに語っても伝えきれない。


こんなにも凄い人なのにね。


そう思いながらも。


今回の事でまた一人、そしてまた一人と
智くんの実情を知ってもらえた事に満足感を覚える翔さんなのでした。






翔くんの果てなき布教活動はまだまだ続く。








VS嵐






「最近努力をしていることを言うようになったね?」


部屋で二人でまったりと過ごす時間。


「ん~」

「何で?」


ずっと聞きたかったこと。


「だって天才じゃないもん」


それを何でもない事のように答える。


「……」


でも。


ずっと昔から凄い人だと
天才だと言われ続けていたけど
それはただの天才ではなくて努力の上に成り立っていることを知っている。
そしてそれを見せないようにしてきたことも知っている。
そしてそれを知られることを恥ずかしい事だと思う事も。


でもだからって天才という言葉一つで誤解されたくないという意味もあるのだろうか。


相葉ちゃんの例もある。
もう本当に、素直というか真っ直ぐというか。
まあそこが可愛らしい所でもあるんだけどね。
そう思いながらあの時の言動を思い出し思わず笑ってしまう。





でも。


ずっと前から天才だって知っている。


そして努力をする天才だってことをイヤってほど思い知らされている。


そしてそれがどんなに最強かってことも。





でも、そんな事を微塵も感じさせず



隣にのんびりと座っているその人に



そう言うところがやっぱり好きなのだと言って、



ちゅっとその唇にキスをした。







何だかうまくまとめられずすみません。

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2 コメント

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知られたいような (白紙)
2017-07-08 19:45:35
 大野さん、最近のインタビューで、“20代は自信が無くて言えなかったけど、30代になって、自分から発信してもいいと思えるようになった”といったコメントを出したとか。あの番組全体に、“大野君って踊り上手いんだ~意外~”みたいな雰囲気があって、ちょっとイラッとしていたので、「大野君、言ってやって!」と思いました。丁度、職場の人が「大野君って天才だよね」と言っていて、その裏には“やる気無いのに何でも器用に出来ちゃうんでしょ”といった感じがあってモヤモヤしました。「大野君はもの凄く努力しているのに、それを見せないだけなの!」と言いたかった…。奥ゆかしい大野君が大好きなので、今のままでもいいような気もしますが、やっぱり見くびってほしくない…。複雑です。
 話は変わりますが、やはりインタビューで、あまり怒らない大野さんが“何かに怒っている時は、共感してほしいものだから自分も(相手に合わせて)一緒に怒る”と答えていたとか。ハワイで松潤と一緒に泣いていた話もそうなのですが、本当に共感力が高くて、かつ包容力の大きい人だと思います。引っ張るリーダーじゃなくて見守るリーダーと言っていましたが、寄り添って支えてくれる大人です。翔さんが辛い時も、一緒に泣いてくれたのではないかと思ったのでした。
 なんだか私もまとまりのないコメントになってしまいました。しかも長くてすみません。それではまた。
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白紙さんへ (きらり)
2017-07-09 17:37:22
白紙さん、コメントありがとうございます。

最近の言動が昔と少し違ってきたなぁと思っていたのですが、大野さん自身が少し変わってきたのですね。

こういうのを見ると、自分からあまり発信しないせいもあるのでしょうがまだ全然伝わっていないのだなと思って愕然とします。
さらっと何でもできてしまえる人なので、その裏ではどれほど努力しているのかが見え辛く誤解されてしまう事も多いんですよね。
でもその奥ゆかしさが大野さんらしいところでもあって。
そしてそれを翔くんがいつも代わりに伝えてくれて。
そういう二人が大好きです。

大野さんは本当に共感力が高い人だと思います。
よく人の事も見て合わせているので、一緒にいる人はみな凄く安心するし、大好きになってしまうのでしょうね。
あの日。大野さんは翔くんにそっと寄り添っていたんじゃないかなあと思います。
今回は凄く短くまとめてしまったのでどうかなと思ってたのですがコメント凄く嬉しかったです♪
ありがとうございました♪
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