一部表現が不正確だったため追記・修正しました。
リン酸鉄リチウムイオン電池はBMS(Battery Management System)回路で保護されています。
昨年組んだポータブルバッテリーには、XZNY社の12.8 [V] 18 [Ah]バッテリーを2個並列で
使用しています。
[
12.8 [V] 36 [Ah]、460 [Wh]の構成です。
このバッテリーのBMSは、
・過充電保護
・過放電保護
・過電流保護
・短絡保護
・65℃±5℃を越える高温保護
が付いています。
ん? 低温保護が付いていないなあ~。
動作温度は-20℃~60℃と書いてあるけれど、充電可能温度範囲の記載がありません。
通常は0℃~45℃なので、そう言うことにしておきます。
0℃以下だとプレーティング現象で、最悪バッテリーが破損してしまいます。
さて、
このポータブルバッテリーには電圧・電流LED表示器(22mA消費)、ALL POWERS 20A(10mA消費)が
付いており、常時通電されています。また、バッテリー内蔵のBMSが19 [mA] x 2 = 38 [mA]を消費している
と仮定しています。合計70[mA]が常時消費されている訳です。
そうすると、
満充電でも21.39日で完全に放電されてしまいます。(実測では45日程度)
このLiFePo4バッテリーの低電圧保護は10.8V程度です。
インバータ(GIANDEL 300W)が低電圧カットオフをするのが9.5Vですから、
特性が合っていません。本来はインバータが先に低電圧保護ダウンしないといけません。
追記:このバッテリーの低電圧カットオフ電圧は10Vと本体に記載されていました。
実測では10.8Vでカットオフされました。
そのため、インバータの低電圧保護9.5Vになる前にバッテリー出力がカットされてしまいます。
よって、突然ブチッとぶち切れます!
その後放っておくとどうなるか・・・
BMSによって更に電力が消費されます。
そして、もはやBMSも動作出来ない5Vや3.3V以下まで電圧が下がると、
当然ですがBMSが機能を停止して自由放電、あるいは全く放電しない状態となります。
この状態を過放電と言います。
こうなるとメンドクサイです。
何故か?
BMSが機能しないほど放電し切ったLiFePo4を再充電するには、電流容量が大きい充電器が
必要になるからです。例えば上記ポータブル電源の場合、14.6V , 15Aというレベルの充電器が
必要です。なぜなら、突入電流を制御するBMS回路が働いていないからです。
よって、
100W程度の小さなソーラーパネルを接続したところで、復活は出来ません。
そもそもチャージコントローラは、バッテリーを先に接続しないと機能しません。
10A以下のバッテリーチャージャーでは、突入電流によって保護回路が働いで充電が出来ません。
但しBMSが機能できる電力が残留していれば、出力容量の小さな充電器でも復活できます。
小さな出力容量の充電器しかない場合、10回くらい充電を試みてください。
チョコチョコ電力が溜まって行き、BMSが動作出来る状態まで復活する可能性があります。
36Ah程度のバッテリーでコレですから、200Ahクラスともなれば復活させるのは大変です。
なので、
LiFePo4(リン酸鉄リチウムイオン電池)の過放電は避けるべきです。