宇宙(そら)を見上げて

謎の天文機材技師 ☆男(hoshiotoko)のブログです。

LiFePo4バッテリーの低電圧保護から脱出する方法

2024-11-21 14:47:36 | オフグリッド発電への道

一部表現が不正確だったため追記・修正しました。

 

リン酸鉄リチウムイオン電池はBMS(Battery Management System)回路で保護されています。

昨年組んだポータブルバッテリーには、XZNY社の12.8 [V] 18 [Ah]バッテリーを2個並列で

使用しています。

[

12.8 [V] 36 [Ah]、460 [Wh]の構成です。

このバッテリーのBMSは、

           ・過充電保護

           ・過放電保護

           ・過電流保護

           ・短絡保護

           ・65℃±5℃を越える高温保護

が付いています。

ん? 低温保護が付いていないなあ~。

動作温度は-20℃~60℃と書いてあるけれど、充電可能温度範囲の記載がありません。

通常は0℃~45℃なので、そう言うことにしておきます。

0℃以下だとプレーティング現象で、最悪バッテリーが破損してしまいます。

さて、

このポータブルバッテリーには電圧・電流LED表示器(22mA消費)、ALL POWERS 20A(10mA消費)が

付いており、常時通電されています。また、バッテリー内蔵のBMSが19 [mA] x 2 = 38 [mA]を消費している

と仮定しています。合計70[mA]が常時消費されている訳です。

そうすると、

満充電でも21.39日で完全に放電されてしまいます。(実測では45日程度)

このLiFePo4バッテリーの低電圧保護は10.8V程度です。

インバータ(GIANDEL 300W)が低電圧カットオフをするのが9.5Vですから、

特性が合っていません。本来はインバータが先に低電圧保護ダウンしないといけません。

 

追記:このバッテリーの低電圧カットオフ電圧は10Vと本体に記載されていました。

   実測では10.8Vでカットオフされました。

   そのため、インバータの低電圧保護9.5Vになる前にバッテリー出力がカットされてしまいます。

   よって、突然ブチッとぶち切れます!

 

その後放っておくとどうなるか・・・

 

BMSによって更に電力が消費されます。

そして、もはやBMSも動作出来ない5Vや3.3V以下まで電圧が下がると、

当然ですがBMSが機能を停止して自由放電、あるいは全く放電しない状態となります。

この状態を過放電と言います。

こうなるとメンドクサイです。

 

何故か?

 

BMSが機能しないほど放電し切ったLiFePo4を再充電するには、電流容量が大きい充電器が

必要になるからです。例えば上記ポータブル電源の場合、14.6V , 15Aというレベルの充電器が

必要です。なぜなら、突入電流を制御するBMS回路が働いていないからです。

よって、

100W程度の小さなソーラーパネルを接続したところで、復活は出来ません。

そもそもチャージコントローラは、バッテリーを先に接続しないと機能しません。

10A以下のバッテリーチャージャーでは、突入電流によって保護回路が働いで充電が出来ません。

但しBMSが機能できる電力が残留していれば、出力容量の小さな充電器でも復活できます。

小さな出力容量の充電器しかない場合、10回くらい充電を試みてください。

チョコチョコ電力が溜まって行き、BMSが動作出来る状態まで復活する可能性があります。

 

36Ah程度のバッテリーでコレですから、200Ahクラスともなれば復活させるのは大変です。

なので、

LiFePo4(リン酸鉄リチウムイオン電池)の過放電は避けるべきです。

 

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一期一会最終章

2024-11-04 19:37:19 | 天体写真(PENTAX K-1&K-1Ⅱ)

11月3日は良く晴れましたね!

連休中日でしたが、入笠山天体観測所(1810m)まで行って撮って来ました。

2024年11月3日 18:13:35~18:28:32 

気温:3℃~6℃

PENTAX K-1Ⅱ , 28-105mm , 88mm , ISO6400 , 6x30s

18:50:04~18:59:41

PENTAX K-1Ⅱ , Askar FRA300 F5 Proノートリ , ISO6400 , 12x30s , 恒星基準コンポジット

沢山楽しませてもらいました。

この彗星と再開することは無いのですね まさに一期一会

-------------

相変わらずAskar FRA300F5 Proの星像は素晴らしい。

-------------

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バッテリー充電器を殻割して強制放熱

2024-10-29 15:38:35 | オフグリッド発電への道

FLLY POWER社の12.8V_120Ah LiFePo4バッテリーには10Aの専用充電器が付属していますが、

これが看過出来ないほど発熱します。

メーカは75℃まで耐える設計だから心配無用とFAQに書いていますが、

到底信用できません。

購入して3年5箇月経ちました。

普段はソーラー充電しているのですが、時々はACアダプター充電器からフル充電します。

なので、ヒートシンクとFANをケースの上から付けていましたが、

この夏は暑過ぎて使う気になれませんでした。

そこで、充電器本体を殻割してヒートシンクを露出させ、

DCファンで直接冷却することにしました。

MOSFETじゃなくてパワトラか?

と思う程に効率が悪くて発熱します。

特に手前のアルミバーは75℃以上になっていると思います。

これが密封ケースに入っているのだからアウトでしょう。

 

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91cm反射望遠鏡用PC-9801DX-U2を半導体ドライブへ改装

2024-10-28 14:45:49 | 堂平の宇宙(そら)から

業務報告(^^♪

堂平天文台 91cm反射望遠鏡用PC9801DX-U2を半導体ドライブへ改装完了!

・CFカードドライブへの改装を実施致しました。
・ドライブ名はC: と D: です。
・予備を含め、CFカードを4枚作成しました。
・起動用フロッピーディスクが不要になったため、デスク下へ保管致しました。


<起動方法>


・今まで通りPC-9801の電源を入れると、CFカードドライブも連動して電源が入ります。
・フロッピーディスクを入れる必要は無く、D:ドライブのCFカードから自動起動します。
・OPDESK.exe を実行してください。
*CFドライブの電源をON-OFFする必要はありません。
*CFカードを都度引き抜く必要はありません。入れっ放しにして下さい。
*冬季の氷点下であっても問題なく使用できます。


以上

------------------------

観望会支援を行ってきた方々も共有をお願い致します。

もうフロッピーディスクは必要ありません!

------------------------

技士長の笠原です。

紆余曲折あって、いまココ。

PC-9801DX-U2は非常に良く出来たパソコンです。

電源改装、コンデンサ改装、基板洗浄、FDD_OH済みの高価なPC-9801を3台確保してあります。

これで8年間動態保存して来た訳ですが、いかんせん冬季のFDDクラッシュは避けられません。

以前より最新の制御系に更新するなどの案が出ては消え、出ては消え、出ては消え。

そして、ほぼ消えたと思われ・・・

この大物は赤緯が二重軸になっていて、微動がタンジェントスクリューの部分駆動なのです。

粗動は大きなインダクションモータで駆動し、高価な軸直結エンコーダで位置を管理しています。

何より、超精密加工されたウォームホイールと軸受けは ”運転時計” と呼ばれ、

1962年からず~っと、ゆっくりと星を追尾して来たのです。

1992年の制御系大改修でオリエンタルモータのデジタルサーボモータが組み込まれ、

運転時計のデファレンシャルギア機構のいくつかは取り除かれています。

しかし、

中型赤道儀までの機械と同様にガンガン廻せる構造ではありません。

せいぜい50倍速程度までですね。

Nikonもその辺を分かっていて、1992年の大改修でも赤経軸の運転時計機構を半分残しています。

だから50倍速程度でしか回らない。(サーボモータは3000 [min-1]程度ですが。)

粗動は大きな別ギアで行う構造です。

 

私が関わって9年目になりますが、やはりコレは昔のプロ機です。

フェイルセーフ的にも高速駆動には向きません。

いまさら大金を掛けて大改造するよりも、

”動態保存”

が最適解だと思います。

------------------

今回はPC-9801DX-U2の3.5inch FDDに引導を渡して来ました!

IBM PC 互換機と言われた1.44MB機のFDDではなく、PC-9801用1.2MB用の

半導体ドライブです。とても希少、かつ、高価な逸品となります。

今年初めに、公官庁でFDD使用がついに消える!!

という衝撃的な(爆)報道がありました。

お~~、ついにこの日が来たかあ~~

  |

  +->つまり、メーカとしてのFDD関連業務が終了するということ。

     あっと言う間に ”生産中止” 、 ”在庫限り” 、 ”取扱終了”

     の嵐です。

 

や・る・な・ら・今・し・か・ね・え・~♪

 

ってことで、メーカさんに泣きついてようやく1台新品をゲット。(価格は皆さんご想像の10倍程度)

2024年12月で生産終了だそうで、本当に滑り込みセーフでした。

巷に1.44MB対応USB_FDDエミュレータはあれど、PC9801の業務用は皆無ですね。(マニア用は存在する)

日本の公官庁需要が尽きたことで、やっとPC-9801文化も終焉を迎えたと言う訳です。

---------------------------

さて、

今回は128MB×2枚、32MB×2枚の計4枚を作成しました。

全部 DISKCOPY A: C:  (^^♪

PC-9801DX-U2が産業機器の様にCFドライブ起動になったのです。

これは嬉しい。

もはや専用の望遠鏡コントローラです。

オーバーホール&部品改装されたPC-9801DX-U2は、今でも十分なコントローラとして使えます。

 NEC MS-DOS Ver,3.30D

  インターネットはなんじゃそりゃ?

   クラッキングとは無縁の世界です。

 

本日、NECがPC事業をレノボと作ったNEC PCへ移管するとのニュースが入りました。

PC-9801DX-U2はNECのPC事業が絶好調だったころの、正にmade in JAPAN機です。

板金ひとつ取っても、手を切りそうなIBM PC互換機とは出来が違うのです。

今後10年位は動態保存できると思います。

技術遺産としても価値があります。

 

もし、この望遠鏡をご覧になる機会があったら、

是非このようなことにも思いを馳せて頂けると幸いです。

 

 

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夕焼けが無かったらこんな感じか?

2024-10-15 16:43:04 | 天体写真(冷却CMOS)

2024年10月13日の紫金山アトラス彗星を赤缶でも撮っていました。

夕焼けの赤を取り除くとこんな感じでしょうか。

尚、画面下の影は樹木です。

元画像はコレです。

<データ>

撮影地:新潟県上越市柿崎区(米山中腹635mより)

鏡筒:Askar FRA300 F5 Pro

カメラ:ASI294MCP

赤道儀:90s_Onstep改

キャプチャーソフト:ASI Sutudio

露光:5sec x 64枚、320sec Total、彗星核基準コンポジット

画像処理:SI9、PS_CC

 

[ZWO ASI294MC Pro]
Auto Exp Max Exp = 30000ms
Auto Exp Max Gain = 285
Auto Exp Target Brightness = 100
Bin = 1
Brightness = 8
Capture Area Size = 4144 * 2822
Colour Format = RAW8
Debayer Preview = OFF
Debayer Type = RGGB
Exposure = 5s
Flip = None
Gain = 366
Hardware Bin = OFF
High Speed Mode = OFF
Mono Bin = OFF
Raw Format = OFF
StartX = 0
StartY = 0
Temperature = 16.2 C
Timestamp Frames = OFF
USB Limit = 49
USB Port = 3.0
White Balance (B) = 73
White Balance (R) = 68

 

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540Kmはこの1枚のために

2024-10-14 01:29:36 | 天体写真(PENTAX K-1&K-1Ⅱ)

2024年10月13日(近地点通過時)の紫金山アトラス彗星です。

PENTAX K-1Ⅱ 105mmノートリ

5秒×11枚コンポジット(少しトリミングあり)

<データ>

撮影地:新潟県上越市柿崎区(米山中腹635mより)

この1枚のために540Km走った。

日本海を見下ろすココから撮りたかった。

今日、絶対晴れるのは何処だ?

新潟しか無いだろう・・・と言うことで、3連休真っ只中の日中に渋滞覚悟で関越道へ。

湯沢で降りて十日町を抜け、美人林と棚田をかすめて上越市まで抜け、

米山へ向かいました。

4時間45分。我ながらエライ!

 

えっ?

 

関東も晴れたんでつか?

 

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静寂の蒼と一期一会

2024-09-26 15:51:54 | 天体写真(PENTAX K-1&K-1Ⅱ)

誰も居ない 蒼

サルオガセを撫でた風が ひんやりと甘い

遥か漆黒の闇から現れし旅人は 恐れ多くも太陽に戦いを挑む

ここは標高1895m 下界の町は雲海に沈む

やあ! やっと会えたぞ

奥秩父山塊にまとわり着く 重い雲の上にチョロッと出た

(Askar FRA300F5 Pro + K-1Ⅱ、7枚彗星核基準コンポジット、等倍切り出し)

昨晩、埼玉県入間市は雨でした。

しかし、長野県方面は夜半から晴れそうだったので入笠山の中腹まで行って来ました。

観測所までは行かず、紫金山アトラス彗星を撮影後に即帰宅。

3時頃から概ね快晴となりましたが、肝心の東側低空は秩父山塊に纏わり着く雲が切れません。

ここの標高が1895mあるので、秩父山塊とはツライチで雲の上に出るかな?

っと思ったのですが、なかなか雲が消えてくれませんでした。

オマケに高崎・渋川・秩父市方面の光害が結構目立ちました。

今朝方は九州方面が良かったようですね!

関東の天気は下り坂で、もう明け方のチャンスは無いでしょう。

西空に廻ってからが楽しみです!

 

<撮影日時>2024年9月26日 04:30~05:10

<機材>Askar FRA300F5 Pro , K-1Ⅱ , 90s_OnStep改

 

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ソーラーパネルを1枚追加

2024-09-15 15:36:41 | オフグリッド発電への道

家用のSOLAR2システムに100Wパネルを1枚追加して4枚直列で400Wにしました。

手前の4枚が今回再構築したパネルです。

これで2系統合計925Wとなりました。

SOLAR2は24V系システムですが、パネル4枚直列だと80Vぐらいになります。

RENOGY ROVER20A はMPPTチャージコントローラで、パネル入力は100Vまで可能です。

24Vシステムだと520Wまで入力可能なので、

400Wなら丁度良い感じです。

 

それにしてもインバーターが25Wも消費するので困ったものです。

イロイロ調べると、どのメーカーも待機電力が25W程度あります。

3000Wクラスのインバーターの場合です。

家庭用のインバーターは電源を切りません。

日没〜夜明けまで、2台で50W✕16時間=800Whが無駄に消費されてしまいます。

バッテリー容量5120Whに対して15.6%もの無駄電力です。

なんでこんなに待機電力が大きいのでしょう?

パネルが300Wだと、標準的な利用では充電が追い付かず、

時々バッテリーが低電圧アラートでダウンしていました。

今回400Wとしたことで、絶妙にプラスとなります。

発電無駄も僅少であり、実用的なシステムになりました。

 

それにしても・・・暑っつい!!作業でした。

 

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C-14とTOA-130N同架では・・・軽すぎた件

2024-09-09 13:42:53 | 撮影機材

観測所で塩漬けになっていたASKO310赤道儀にE-ZEUS2を取付け、

C-14とTOA-130Nを同架しましたが、軽すぎて全くバランスが合いませんでした。

なので、10mm厚アルミ板でステーを作り、ウェイトを23Kg追加しました。(ステー込み27kg)

小型、軽量、コンパクトな撮影システムとなりました。

C-14、もう一本載るじゃん!

スライディングルーフの北端で長いこと塩漬けになっていた架台です。

モータトルク無く、ほぼ打ち捨てられていましたが、外山電子さんの最新ドライバーを

使ったところアッサリ300倍速で動いてしまいました。

ならばと、

今回スペシャルなE-ZEUS2を新調して復活させた次第です。(これも外山電子スペシャル)

このE-ZEUS2はドライバ基板別置き仕様になっています。

天文バブリー時代の中型赤道儀は非常に丈夫なため、上手く改造すれば復活出来ますゼ (^^♪

 

 

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ネオジム磁石って割れやすいのか?

2024-08-12 14:57:11 | ノンジャンル

ドアヒンジのロック用に買ったトラスコ製ネオジム磁石がアッサリ割れてしまいました。

3枚買って2枚割れた。

それもトレイから出して弄っているだけで。

また、鉄にピチッ!っとくっ着いただけで、いとも簡単に真っ二つ。

そりゃあ~ねえべよ~~!! ってガッカリしてしまいました。

焼結磁石なので割れ易いらしいですが、それでもこの商品の目的はM3皿ビスでの固定。

とても無理なお話ですよ。

っと言う事で、100均で買って来た2.5mm厚ネオジム磁石を定盤上で叩いてみました。

恐る恐る叩いた程度では欠けもせず・・・

徐々に叩く強さを上げて行ったところ、周辺が欠けました。

でも、これだったら必要十分な強度だと思います。

フェライト磁石よりよっぽど欠け難いです。

やはり、トラスコの製品が弱すぎるのだと思います。

ご参考まで。

 

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