NarrowBand にてハッブルパレット的画像を狙っている訳ですが、
どうやらフィルタごとにピント位置が異なるようです。
ニュートン反射なので色収差は無いですが、フィルタ基板と
CCDカメラの保護ガラスを通過する過程でズレている模様。
ORION の NarrowBandFilter セットなので基板厚は揃っている
筈ですが、明らかにHα,OⅢ,S2でピント位置が異なります。
ひとつ気になるのがフィルタの表と裏。
今は干渉膜面が入射光側に来るように設置してありますが、
取説では干渉膜面をCCDカメラ側に向けるように書いてあります。
Nautilus Filter Wheel は共にTネジが切ってあるので、どちら
にも出来るのです。光学的に考えたら表でも裏でも同じだと
思うのですが、その辺りの記述はありません。
今回のピント。
見た目では完璧に合っていそうです。フィルタはS2。
PintAideで見てみましたが、画像が小さいとこんな感じ。
ところが、画像を大きくすると・・・
検出精度から言えば、大きい画像の方が良いに決まっています。
なかなかこれ以上にはなりませんでした。
ということで、今回は-0.6で妥協しました。
この状態でS2を撮像するとジャスピンでしたが、OⅢではボケボケ、
Hαはまあまあ合っているかなあ~って感じでした。
これでは絵にならないので、結局はS2を6X10min撮像して鏡筒を
動かし、近くの5等星ぐらいの星でFWHMを見ながら再調整し、
OⅢを6X10min撮像。空がどうしようもない状態なので、そのまま
Hαを4X10min撮像。160min Total としました。
で、
やっぱりHαはややボケで星像が肥大していました。ガッカリ。
自動導入機能が無い私の赤道儀でこの作業は辛すぎます。
フィルタを裏返せば良いのですかねえ~??
ピント合わせでは、ぴんたんさん作のPintAideが大活躍です。
MaxIm DLにもFWHMが出ているのですが小さすぎて見難いのです。
その点PintAideは大きな数字と最小値を知らせるアラーム音が
秀逸です。フォーカスを操作しながらでも十分に見えます。
バーティノフマスク判定機能もスバラシイですが、実際には
FWHM機能が大変使いやすかったです。有難うございます。
と言う訳で、160分も撮像したのにこんなショボイ画像です。
Hαがピンボケなので締りがありません。
それに・・・
何よりも星が殆ど見えていない状態での撮像だったのです。
オートガイドがコケない限り撮像を続けていましたが、アレ?
星が全然見えないよ!的な空。常に薄雲越しの撮像。
流石にOⅢがちっとも来ません。
ややボケのHαを外してS2 , OⅢ , OⅢでやってみました。
120分かけてこんなもんでしたが、ピントは合っています。
OⅢが無いに等しいですねえ。薄雲があると青系はアウトです。
撮影日時:2012年8月7 21:11:04~00:47:04
撮影地:飯能市郊外
星空指数:2点(月明、かつ、薄雲多数)
気温:22℃
冷却CCD:ORION StarShoot MonoⅢ(SONY ICX285AL)
撮像鏡筒:10cmF6 ニュートン反射
フィルタ:ORION Hα , OⅢ , S2 ExtraNarrowBandFilter
露出時間: Hα 4X10min , OⅢ 6X10min , S2 6X10min ,
160min Total
ダーク画像:3X10min
フラット画像:***
フラット用ダーク画像:***
赤道儀:TS-90S
ガイド:5cm fl=250mm + SSAG + PHD
CCD制御&RAW現像:MaxIm DL Essentials Edition
画像処理:CS5
処理プロセス:MaxImにてFITS_16bitでダーク減算
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撮像鏡筒はfl=600mmですが、ORION StarShoot MonoⅢ
冷却CCDカメラの撮像素子は対角11.21mm。
35mm換算で2316mmにもなります。
殆どイメージサークルの中心しか使わないのでコマ収差は
気になりませんが、手動での構図決めに難儀します。
ワンショットカラーCCDのStarShootPro V2は大きめのAPS-C
なので814mm相当となり、かなり楽に構図決めが出来ます。
これは、K-5の814mmと同じ広さです。
フィルタごとにピント位置が異なるのが避けがたい現実だと
すると、LRGB や NarrowBand の撮像は大変過ぎます。
接眼部には大きなイメージシフトがあるし、
マイクロフォーカサーも付いていません。
問題山積みです。