宇宙(そら)を見上げて

謎の天文機材技師 ☆男(hoshiotoko)のブログです。

やっぱりフィルタごとに違ったピント位置

2012-08-11 17:58:00 | 天体写真
どうしても気になって仕方が無いので、ほぼドン曇りながら時々
スポッと雲に穴が空くような夜空でしたがデータを撮りました。

<結論>

全てのフィルタでピント位置が異なる。

<データ>

Hαでピントを合わせ(すぐに曇るので追い込めずですが)、
そのまま他のフィルタで撮像した。

冷却CCD:ORION StarShoot MonoⅢ
フィルタホイール:ORION Nautilus 7X1.25" FilterWheel
フィルタ:ORION L(SkyGlowFilter) , RGB set , HαOⅢS2 set
撮像鏡筒:10cmF6 Newtonian(コマコレ等無し)
露光時間:各20sec

・前回懸案だったフィルタの表裏は取説通りに戻してある。
・ミラー洗浄と光軸合わせを完璧に行った。(当日)




L(SkyGlowFilter)


R


G


B


OⅢ


S2(検出点をずらさないと測定すら不可能)


はあ~、
これじゃあピンボケ増産も当たり前ですね。
フィルタはORION純正のセット品だから、基板厚は統一されている。
ここまでずれていると明らかなピンボケ画像となります。
色収差で滲むなどのレベルではありません。
フィルタ交換は電動だし、接眼部はガッチリ固定してスタティック
な状態でしたから、触ってたわむなどの要因はありません。

筒先にフィルタを付けている訳ではないので、当然フィルタ基板に
は斜めに光が入射します。平行平板の光学ガラスに波長の異なる
光が斜め入射する訳ですから、結像位置が異なるのが正しい。
分光器やプリズムは何故波長分解できるのかを考えれば当然。
また、フィルタホイールのフラつきによる位置ズレは±1Pixel程度
でした。(MaxImDLで実測)

では、
皆さんのフィルタワークはどうなっているのでしょうか?
フィルタごとにピント位置が違うのなんて当然じゃん!
ネボケてるのか? ってことでしょうか。
ググッてもあまり情報がないので、どなたか教えて頂けませんか?

何れにせよ、
接眼部にダイヤルゲージを付けて定量化する以外無いでしょうね。

------------------- 追記 -------------------

コメント欄に記述した通り、並行平面版に波長の異なる光が斜入射
すれば、短い波長ほどピント位置がズレて当然です。
これはプリズムの原理からも明らかです。
よって、

”フィルタごとにピント位置がズレるのは当たり前”

これが結論です。


*** 追記 ***

波長ごとに結像位置が異なるのは当然だけど、
今問題としている程のズレが発生するならば、SkyGlowFilterや
L Filterではまともに撮像が出来ないことになってしまいます。
実は・・・各フィルタ基板の厚さが異なっていたというオチが
付きました。
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  +-->詳しくは8月13日の記事へ


コメント (4)
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