宇宙(そら)を見上げて

謎の天文機材技師 ☆男(hoshiotoko)のブログです。

K-1 いいでしょう! 赤いのも出ます。

2016-05-13 19:05:00 | 天体写真(PENTAX K-1&K-1Ⅱ)
ではK-1で撮影した”すんごい天の川”をお見せ致しましょう(^O^)/
0時に月没。明け方まで3時間勝負の結果です。

DFA28-105mm(28mmF4) , ISO3200 , 4X90s , 6min Total


甲府方向の光害(ひかりがい)は多重レイヤー処理にて削減してあります。
光害の無い所で撮ったら凄いだろうなあ~~。

リベンジのアンタレス付近。
DFA28-105mm(88mmF5.6) , ISO3200 , 10X90s , 15min Total


これを撮るにはレンズが役不足ですね。
レンズ枚数が少ない望遠鏡タイプのレンズなら、もっとワヤワヤ出て来るでしょう。
これはレンズが合っていないと判断します。でもまあ、これだけ写れば上等ですね。
この標準ズームはテレ端で周辺減光が大きい為、アンタレス付近のように超強力処理
をするエリアには向きません。それから、ワイド端、テレ端共に星像がシッカリ
していましたが、88mmでは満足な星像ではありませんでした。
やはり単焦点レンズが必要なようです。

NGC7000 & IC5067 , CN15F4(600mmF4) , ISO3200 , 15X3min , 45min Total ,
DarkX2 , FlatX2(妙な黒ラインが入りましたが無視して下さい)


発色はK-5っぽい。
ヒストグラムも赤だけを強調してはいないため、これはK-1が出してきたJPEG画像
の発色です。ちなみに、一連のK-1評価は全てJPEG画像を使って処理してあります。
RAWからイジると何でもアリな結果となり、K-1の評価としての信憑性が下がって
しまうからです。

どうでしょう、素ノーマルK-1でこれだけ写れば良いのではないでしょうか?

RAW(DNG)をステライメージ7でまっとうに処理をした画像を追加します。
発色的にはこちらの方が正しいと思います。( 2016/05/14 )

訂正と画像差し替え(2016/0516)
ステライメージではK-1のRAWを”まっとう”には処理できていないようです。
5/14に一旦アップした処理画像はフラット補正がまともに当たっておらず妙なザラザラが
沢山出ているモノでした。”発色的には”と書いたのはその辺りに不満があったからです。
ステライメージ7はK-1のRAW(PEF)には対応していませんが、DNGであれば読み込め、
一通りの処理が出来るように振る舞っています。ところが、処理画像を保存する際に問題が
発生するようです。これはFitsでもTiffでもJPEGでも同じです。
要はRAW画像をFitsでダーク減算とフラット補正を行い、32bitで保存する工程が成り立って
いません。画面上では正しく補正されているし、保存もできるのでDNGであれば大丈夫か?
と思いましたが、保存されたデータがダメでしたね。
  |
  +->なので、今の所はDNGを開く際にRAW現像してカラー化しています。
     ダーク画像もフラット画像もそうです。ホット・クールピクセル除去もカラー
     画像で行い、ダーク減算もフラット補正もカラー画像で行います。
     カラー化の条件は”自動”としました。
     これを行った15枚の補正済み画像をFits_32bitで一旦保存し、15枚一気に
     開いてコンポジットしました。ちなみに、前回は裏でPhotoshop ccが動いて
     いた為にメモリー不足が発生しましたが、今回は15枚一気に出来ました。
     その際、メモリー使用量15GB、CPU使用率80%程度でギリギリでした。
     PCはCORE i7_16GB Memory , 256GB_SSD(C:)という環境です。

上のJPEG画像は”鮮やか”の設定で撮ったものですから、やや明るめになっています。
対してRAWから処理した画像はやや地味ですが、K-1のJPEG画像はかなりのレベルで
天体写真にも使えると言う印象です。手間を考えるとJPEGでイイじゃん!!と言うのも
アリかもしれません。



LX7で流し撮り4分


LX7のレンズが曇ってしまいました。なんかSFっぽい。


薄れゆく天の川をK-1で1枚撮り。


伊那谷方面が年々明るくなっていますが、この写真では丁度良いアクセントに
なったようです。

<総感>

5月12日は夏型の超快晴でした。
これを逃したら次の新月期までチャンスが無いと思い、18:45に飯能を出発。
21:30現地着。予想外の夜露に大苦戦を強いられました。
今日はカラッと快適な撮影を期待していただけにビックリです。
大型ドライエアユニットを持って行かなければ、全くもって撮影不能になる
ところでした。これをもってしても主鏡が曇りたがる始末です。
まるで風呂場で撮っているみたいでした。
そういう意味ではベストなコンディションじゃなかった。(水蒸気が多かった)

4月28日にK-1を手にしてから、運良く4夜も撮影することが出来ました。
天体適性もまずまずだし、フレキシブルチルト式液晶の恩恵は計り知れない
ものがあります。ダイナミックレンジはK-5Ⅱsよりも格段に上で、安心して
強調処理が出来ました。色載りも薄っぺらではなく、どちらかと言うと濃いです。
望遠鏡に付けるとOVFが暗くて使い物になりませんでしたが、DFA28-105mmでは
2等星ぐらいまではOVFで確認ができました。これならば実用域だと思います。
LCDのLVは16倍まで拡大できる為、実際のピント合わせはLVで行います。

画像がデカくてパソコンの能力が足らなくなりました。
CORE i7 , 16GB , 256GB_SSDのパソコンでは10枚のコンポジットが出来ません。
5枚ごとにグループを作り、トーナメント方式で2回程の工程。
うーん、メンドクサイ・・・
高感度特性がK-5Ⅱs比で2段ほど上がっている感じです。
そのため、撮影自体は1カット3分以下でバシャバシャ多数枚を確保できますが、
後処理が大変だということに気付きました。1対象5枚程度で妥協すれば現実的
でしょう。作品としては撮っていないので。

GPSもアストロトレーサーもWiFiも内蔵され、最高のダイナミックレンジで
色載りも良い。K-1、良いカメラに仕上がっているようで嬉しい限りです。

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撮影日時:2016/05/12-05/13
撮影場所:入笠山天体観測所(標高1850m)
天候:快晴・無風・夜露ビッショリ
気温:4℃
星空指数:80
シーイング:3/5

撮像鏡筒:ZWO-CN15F4
カメラ:PENTAX K-1 + DFA28-105mm F3.5-5.6
フィルター:なし
コマコレクター:MPCCⅢ

赤道儀:90s改
ガイド:50mmF4ファインダーガイド鏡 + QHY5L-ⅡM+PHD2_Ver,2.6.1

撮像時間:画像に併記
ダーク画像:画像に記載
フラット画像:画像に記載
フラット用ダーク画像:***

ASCOM Platform 6.1 SP1-6.1.1.2627
撮像ソフト:***
画像処理:SI7 , Photoshop_cc

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コメント (8)
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すんごい天の川ナウ

2016-05-13 02:32:00 | 天体写真
今夜を外すと次の新月期までチャンスがないので、
19時発で入笠山まで来ました。明け方狙いです。
快晴・無風、4℃、夜露ビッショリです。

が、

すんごい天の川が見えてますよ!

4時撤収で速攻帰宅予定です。

コメント (3)
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