宇宙(そら)を見上げて

謎の天文機材技師 ☆男(hoshiotoko)のブログです。

台風一過の三峰ヘリポート駐車場で撮ったもの

2016-09-01 20:43:00 | 天体写真(PENTAX K-1&K-1Ⅱ)
二連荘で撮って来たデータを順次アップして行きます。
量はありませんがイロイロ分かったことも含めて書こうと思います。

まず、K-1のJPEG白点問題は設定感度に関係なく、露光時間で発生
するかしないか決まるようです。今までのデータから、

180秒では発生するが、90秒では発生していなかった。
よって、今回は120秒で撮影してみました。
         |
         +->結果、発生しませんでした。

どうやら120秒~180秒の間で発生しているようです。
とは言え、簡単に消せるし細かいので実際には殆ど目立ちません。
私的にはどうでも良い問題に思えて来ました。

と言うことで、
まずはZWO-CN15F4 + MPCCⅢ + 正しく配置されたワイドマウントPK改
による星像がどうなったか見てみます。

γCyg付近 , K-1 , ISO12800 , 11X120s , 22min Total , DarkX5 , FlatX5 , LPS-P2
RAWから正しく処理した画像。


ダークもフラットもJPEGで処理したお気楽画像。


この2枚の間には工数的にエライ差があります。
RAWの場合は、ここに至るまでには結構大変な作業が発生しますが、
JPEG画像ではあまりテクニックを必要としません。
どうでしょうか?
あまり変わらないような・・・
少なくともスマホ画面で後のち楽しむ分にはJPEGで良いかも?

星像はかなり改善されました。
K-1はフルフレーム機ですが、その四隅まで何とか鑑賞に耐える星像
になりました。ワイドマウントPK改は内径φ44mmですから、
MPCCⅢの最大径です。周辺減光も許容範囲で十分にフラット補正が
効きました。

また、
中心部を等倍拡大した画像がコレです。


真のピント位置の僅か前後で△星になりたがる傾向が残っていますが、
内外像はキレイな同心円、かつ、歪のない円形でした。
じゃあ、なんで△星になりたがるの???って話はそのうち調べます。

IC1396 , ISO12800 , 21X120s , 42min Total , DarkX5 , FlatX4 , LPS-P2
ダークもフラットもJPEG処理


ちなみに、
台風一過当日に撮ったLPS-P2無しの画像もあります。
空の透明度はコチラの方が良かったにもかかわらず、バックグラウンド
との輝度差が上がらず、発色も思ったようになりませんでした。
空が良いからと言ってLPS-P2を使わないと、この手の淡い星雲を
炙り出すことは難しいようです。
尚LPS-D1ではなくLPS-P2を使っている理由は、LPS-D1がS2波長付近から
長波長側をカットしてしまっているからです。
ペリカン星雲などはS2を多く含むため、LPS-P2の方が適していると
思うからです。K-1は無改造機のため、赤カブリを防ぐよりも
S2領域が出ない方が良くないと思い、このようにしています。
K-1で撮ると、ペリカン星雲のおどろおどろしいS2領域を上手く表現
出来るのは↓で実証済みです。
http://sky.ap.teacup.com/eti_forest/615.html

IC1396 , ISO12800 , 11X90s , 16.5min Total , DarkX4 , FlatX4
ダークもフラットもJPEG処理


ところで、この画像の左下辺りに流星のようなオレンジ色の直線が
写っています。これは30日も31も写っていました。
30日の画像は修正して消してしまいましたが、確認すると他の天体画像
やダーク、フラット画像には出ていません。
  |
  +->アレ? もしかして左上のガーネットスターの光状か!
       たぶんそうでしょう。妙な出方をするもんだ。

それにしてもなあ~、
大きな散光星雲をF4のニュートン反射でまともに撮影するのは結構大変。
この程度の画であればFS-60CBやWO-Star71ED、プロミナーなどの方が
適しているでしょうね(^^♪
FSQやイプが良いのは当然でつまらんし・・・
じゃ、何撮るねん!

NGC7635バブル星雲とM52付近
ISO800 , 4X600s , 40min Total , DarkX1 , FlatX1 , NoFilter
ダークもフラットもJPEG処理


主要部分切り出し
NGC7635(バブル), M52(N7654) , NGC7538(散光), N7510(散開)


NGC7635バブル星雲のピクセル等倍画像


おっと、△星になっとる(怒)
等倍で星像がコンスタントに良ければ冷却CCDで強拡大も狙えるのですが、
これではダメですね。以前撮ったNGC7293はキレイだったのになあ~。
http://sky.ap.teacup.com/eti_forest/558.html
このレベルでコンスタントに撮れれば、短焦点反射の意味があるのですけどね。

8/31はLPS-P2を付けて撮ってみました。
ISO800 , 3X600s , 30min Total , DarkX1 , FlatX1 , LPS-P2


やはりLPS-P2があった方が良さそうです。
下の方にクワガタ星雲が見えています。
それにしてもISO800は滑らかで良いですね。1枚画でも使えるレベルですよ。

M45
ISO12800 , 10X90s , 15min Total , DarkX4 , FlatX4 , NoFilter


流石に15分ではザラザラです。

NGC7023_vdB141 , ISO12800 , 21X120s , 42min Total , DarkX4 , FlatX4 , LPS-P2


全くお話しになりませんでしたm(__)m
ISO3200程度に下げ、最低限10倍~20倍の露光が必要なのではないかと
思います。こんなもん撮ってられません。

ちなみに、前日に撮ったノーフィルター画像がコレ。
構図がアレですが、まだましでした。
NGC7023 , ISO3200 , 13X300s , 65min Total , DarkX4 , FlatX4


以上でおしまいです。

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撮影日時:2016/08/30-09/01
撮影場所:三峰ヘリポート駐車場(標高850m)
天候:台風一過当日(もの凄い夜露)、快晴、無風
   と、その翌日、ほぼ快晴、弱風、結露なし
気温:16℃->12℃
星空指数:90->80
シーイング:3/5 -> 4/5

撮像鏡筒:ZWO-CN15F4 (15cmF4 , fl=600mm)
カメラ:PENTAX K-1
フィルター:無し、またはLPS-P2
コマコレクター:MPCCⅢ + 適正リング + ワイドマウントPK改

赤道儀:90s
ガイド:5cmF4 + QHY5L-ⅡM + PHD Ver,2.61

撮像時間:画像に併記
ダーク画像:画像に併記
フラット画像:画像に併記
フラット用ダーク画像:画像に併記

撮像ソフト:***
画像処理:SI7 , Photoshop_cc

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コメント (9)
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