宇宙(そら)を見上げて

謎の天文機材技師 ☆男(hoshiotoko)のブログです。

真の容量テストはインバータ無しで!

2024-12-03 16:36:25 | オフグリッド発電への道

遠征撮影に行く場合、最近はリン酸鉄リチウムイオン電池のポタ電を持って行きます。

超大容量を持って行けば問題ないのですが、例えば90sシステムでお気楽撮影を行う時などは

小型のポタ電が有難いです。それでも最近はノートPC必須なのでDC-ACインバータも搭載

しています。

 

<結論を先に書きます>

 ・LiFePo4 + インバータでは70%容量程度と考えよ!

 ・LiFePo4バッテリーは温度にシビアである!

  特に0℃以下となると放電性能がガタ落ちになる!

 

です。

私の小型ポタ電はXZnY 12.8V 18Ah LiFePo4バッテリー2台並列で460Whです。

室温23℃に於いて上記の容量テストを実施すると、なんと70%しか容量がありません。

0℃などともなれば・・・

放電性能のフラットさは素晴らしいのですが、温度特性に注意が必要です。

特に低温には弱いです。

放電はー20℃~45℃を謡っている製品が多いですが、たった0℃で上記グラフでは頼りない限りです。

ましてや充電は0℃~45℃の制限もあります。

 

0℃以下で充電するとプレーティング現象が発生してセル破壊となり危険です。

 

GIANDEL300Wインバータの変換効率は90%となっています。

ところが・・・

これは12.8Vでの変換効率であり、電源電圧が下がって来ると効率も下がって行きます。

12.2Vでは70%程度まで下がります。

それでも、AC100V側出力は安定している訳です。

つまり、バッテリー側の電流値がどんどん増えているのです。

結果、予想以上に早くポタ電がシャットダウンしてしまいます・・・org !!

寒ければ尚更です。

 

リン酸鉄リチウムイオン電池(LiFePo4)は素晴らしくフラットな放電特性ですが、

温度変化にはめっぽう弱いのです。

更にインバータを使っていれば尚更です。

 

試しに、

インバータを使わずに抵抗負荷だけで容量測定した結果がコチラです。

このバッテリーは4個持っていますが、このテストでは先週到着した新品2台を測定しています。

0.468C放電なので、90%程度の容量になる筈です。

結果は予想通り、2台とも遠からず90%の容量がありました。

0.2C放電(一般的な5時間率)なら100%容量だったと思います。

 

リン酸鉄リチウムイオン電池の容量は0.2C(5時間率)表記で間違いないです。

車のバッテリーと同じですね。

但し、普通のリン酸鉄リチウムイオン電池はスタータモータを回す電力は取れません。

ディープサイクルバッテリーであり、扱いはACDelcoボイジャーなどと同じです。

ただし、

鉛ディープサイクルバッテリーの容量表記は0.05C(20時間率)です。

例えばMF31シリーズは115Ahですが、20時間率なので115/20=5.75Aで

20時間使えますよ・・・と言うことです。

リン酸鉄リチウムイオン電池はBMSで制限されていますが、概ね1C放電、1C充電が出来ます。

100AhのLiFePo4バッテリーなら、なんと100Aで1時間使い続けられるのです!

凄い特性ですねえ~。

1C充電ですから100A充電ができ、1時間で満充電に出来ます。

メモリー効果もありませんから、チョビチョビ追加充電しても大丈夫です。

 

但し、

満充電でチョビチョビ補充電していると劣化が早まるのは三元系リチウムバッテリーと同じです。

 

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高性能な鉛バッテリー用充電器でリン酸鉄リチウムイオン電池を充電してはイケマセン!

2024-12-03 14:26:45 | オフグリッド発電への道

最近の遠征撮影で鉛バッテリーを使う機会はありません。

100%リン酸鉄リチウムイオン電池(LiFePo4)を使っています。

しかし、鉛ディープサイクルバッテリー用の高性能充電器が勿体なく思っていても、

絶対に使ってはイケマセンよ!!

鉛ディープサイクルバッテリー、特にACDelcoのMFシリーズは充電方法が特殊です。

鉛バッテリーなので12.6Vですが、通常は14.2V程度まで電圧を上げて充電し、

満充電後に1時間程度放置すると13.8Vになり、コレが真の満充電電圧です。

しかし、

一旦14.2Vまで到達すると電流が入らなくなります。

30分程度経つと電解液が落ち着いて電圧が下がり、再び充電が出来ます。

本当はコレを数回繰り返せば良いのですが3時間くらい余計に時間が掛かってしまいます。

そこで、

ACDelcoの高性能鉛バッテリー充電器AD-0002はこのような充電を行います。

ご覧の通り、ステージ3では15~17Vも掛けており、

充電時間の短縮を図っているのです。

もちろん電流は減らして行く制御です。

なので、

 

ディープサイクルバッテリーは16V~17V掛けないと満充電出来ない・・・

 

と言う都市伝説が広まってしまいました。

要は充電時間を短縮するために、危険を承知で高電圧を掛け、電流を減らしているのです。

これとて、フローティングになれば13.8Vになります。

 

で、

 

勿体ないからと言って、この充電器でリン酸鉄リチウムイオン電池を充電するとどうなるか?

リン酸鉄リチウムイオン電池の充電方式はCCCV(Constant Current Constant Voltage)です。

充電開始から14.4Vまたは14.6Vになるまでは定電流でガンガン充電します。(CC充電)

上記電圧に達すると電圧を一定にして電流を下げて行く制御に移行します。(CV充電)

これで電流が入らなくなったら充電は終了で、満充電となります。

鉛バッテリーの様にフローティング、イコライゼーションモードはありません。

当然に、最高電圧も14.6Vです。

これは、バッテリー自体にBMSが入っているからです。

BMSには過充電保護機能が付いており、16V程度で充電をカットオフします。

なので、AD-0002のように17Vも掛けて来る充電器とは相性が悪く、満充電になりません。

充電の途中でカットオフされている可能性もあります。

更に、

リン酸鉄リチウムイオン電池を満充電状態でチョビチョビ補充電するのはNGです。

大幅に寿命を縮めてしまいます。

ここが鉛バッテリーと真逆なわけです。

なので、

リン酸鉄リチウムイオン電池の充電には専用のチャージャーを使いましょう。

出来れば、LiTime充電器の様に0V充電機能付きが良いです。

完全放電してBMSすら動作出来なくなったLiFePo4バッテリーを復活できる可能性が

高くなります。

 

 

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