宇宙(そら)を見上げて

謎の天文機材技師 ☆男(hoshiotoko)のブログです。

GN-26S赤道儀オーバーホール中_その1

2015-04-02 20:24:00 | 撮影機材
次のお題はコレ。

三鷹光器製GN-26S赤道儀です。アトラクスとの比較。


バラシて持ち帰った一式を組み上げてみました。


アトラクス、ちっちぇー!


ウォームホイルは430歯、mo=0.6でPCD=258mmもあります。
アトラクスは180歯、mo=0.5でPCD=90mmです。
焼き入れ研磨の高精度ウォームネジを使っていますので非常に追尾精度が
良い赤道儀です。赤経目盛環は5分読みの恒星時目盛環です。
恒星時目盛環は赤経クランプを緩めても常に恒星時で駆動されています。
よって、目的の天体の赤経値に合わせれば簡単に導入できます。
この時代(30年以上前)の赤経駆動は”運転時計”とも呼ばれており、
今の様に高速で高負荷のウォームホイルをギュンギュン駆動したりは
していませんでした。あくまでも”恒星時時計”の考えです。

赤経微動装置はタンジェントスクリュー式であり、軸から260mmも離れた所
に付いています。赤経クランプはユニバーサルジョイントで赤緯軸内を通り、
バランスウェイトベースの中で折り返して極軸を固定すると言う、
非常に凝った造りとなっています。そのおかげで赤経・赤緯ともに同じ場所に
クランプハンドルが付いています。また、キチンと軸と同じRが付いた
真ちゅうボスが入っており、当たり面と反対側を逃がして3点止め出来る
構造です。なので、軽い力でビシッと固定出来ます。

古いですし雨に濡れて内部にサビも出ています。
グリスも殆ど切れかかっています。
ベアリングまで全部洗い、グリスアップからやり直す必要があります。
駆動回路はオリジナルではなく、E-ZEUSが付いていました。
これを解析し、赤緯軸を全周微動化すれば自動導入機になりますが、
最高の目盛環が付いていますから、あえて自動導入赤道儀にしなくても
良い気がします。赤経・赤緯とも微動がDCモータのタンジェントスクリュー
ですから、このままではオートガイドが上手く行かないかもしれません。

今の考えでは、ほぼオリジナルのままにレストアし、恒星時目盛環の
恩恵を受けつつも、オートガイドはAOガイダーを作って対応。
一応、DCモータとタンジェントスクリューでもガイドが出来るように
リレーボックスを設ける・・・といった感じです。

駆動回路はPICマイコンで作ろうかと思っています。
目標は梅雨明け前に完成!

で、

何処で使うかが一番の問題なんです。
今のところ、近所の空き地の一部を借りて仮設小屋を作り、
そこで仮運用をするというプランが濃厚ですが、もしかしたら油圧ジャッキ
で可搬仕様となり、県民辺りに湧いて出るかもしれません。
30.5cmF4鏡筒は、本来このクラスの赤道儀に載せる大きさですからね。
流石に30cmF7_60Kgを持ち歩く気はございませんm(__)m




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2 コメント

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Unknown (☆男(hoshiotoko))
2015-04-03 20:43:10
北杜の犬さん

赤道儀一式で155Kgも有ります。
30.5cmF4とCCDを載せた場合のシステム重量は180Kg程度です。
各部をバラせば一人で車に積めますが、かなり大変な作業です。

でも、

やっちゃうかも・・・(V)o¥o(V)
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Unknown (北杜の犬)
2015-04-03 08:26:59
三鷹の赤道儀を入手とは素晴らしい。元は天文台に鎮座していたものと推察いたします。それにしても、ご自身で整備できるところがなお、素晴らしいです。これで追尾した30cmの画像を楽しみにしてます。
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