宇宙(そら)を見上げて

謎の天文機材技師 ☆男(hoshiotoko)のブログです。

縮小コリメート法(その6)

2013-06-13 15:50:00 | 縮小コリメート法
アイピースと接続アダプター・・・どれがいい? の巻

私の環境において、現在までに試したことなどを列挙します。
結構散財していますから、これから縮小コリメート法をやって
みようとする人が同じ轍を踏まぬよう、参考になればと思います。
縮小コリメート法が活きるのは、C-8などで観望しその場で直ぐに
撮影をする場合だと思います。RFT80やA80Mなどの安価な
アクロマート鏡筒という方向も面白いですが、今回はC-8と組み合
わせるならどれがいい?というベクトルで書きます。

まず、現在までに分かっていることは、

・縮小コリメート法専用に作られたアダプターは存在しない。

・アイピースとLX7レンズの主点を合わせなければならない。

・望遠鏡とLX7の光軸合わせが闇夜で困難。

・LX7のマニュアルフォーカスレバーを間違って押してしまうと、
 3EVのNDフィルタが入ってしまい失敗する。(頻度大)

・望遠鏡+アイピース+LX7の相性が様々でキリが無い。

・LX7の広角端開放F=1.4を活かしてこそ意味がある。
 ところが焦点距離は4.7mm(24mm(35)相当)であり、これが
 全てに影響する。つまり、メチャクチャ明るいが写野が狭く
 なる。じゃあ当然に2inchアイピースが良いだろうと思うが、
 賭けで買った笠井のSV30mmとC-8+LX7の相性は最悪であった。
 もう一つ、笠井のSV32mm(1.25inch)も買ったが、こちらの方が
 像は良かった。但し、円形写野が小さい。

・国際光器のユニバーサルデジタルカメラアダプターのような
 構造では、LX7すらしっかりと保持できずに失敗する。

・Vixenの現行DG-NLV DXデジタルカメラアダプターは、
 アイピースとLX7レンズとの距離が遠すぎる。
 買って30分でお蔵入りとなってしまった。

・何万円もする高級なアイピースを実験・検証用に買うほど
 余裕はない。よって、試していない。

------- 以下、そのドキュメント --------

1.笠井SV30mm 2inch アイピース

はじめに試したのがコレ。
アイレンズがφ36.4mmなので期待した。


まず、アダプターリングの群れが厚すぎる。
LX7のM37mmに到達するまでに2段も変換リングが必要だった。
このため、
主点を合わせる(具体的にはアイピースの視野絞りが
クッキリ見え、かつ、LX7の絞りをF8まで絞っても写野が
狭窄しない位置)ことが出来ない。

更にこのアイピースには視野絞りが無く、
何処で合っているのか判断しにくかった。

合成F=1.54の試写


結局LX7をF1.4の広角端固定で主点合わせを行ったが、変換リング
の厚さゆえ、アイピースのスライドスリーブを一番縮めた位置一択
となった。(たぶん合っているでしょうレベル)
期待してISO400で250秒の一枚画としてみたが・・・

アカ~ン!!

星像ボテボテやん。

その後変換リングの群れを外し、
国際光器のユニバーサルデジタルカメラアダプターを付けて試写。
こんな感じ。






せっかく買った2インチアイピース。
4時間かけて散々試したが、終ぞまともな星像になる位置なし。
お蔵入り1号だ。
でも、流石は2インチアイピース。
本来のアイピースとしての機能は申し分なく大迫力。
M42を存分に堪能してアイピース箱へ収納!

次、

Vixenの現行DG-NLV DXデジタルカメラアダプターである。






アリャリャ??
なんでアイピースまでこんなに距離がある?
このアイピースも現行のNLV25mmです。(期待して買った。)

アカ~ン!!

なんやねん。

前のアダプターはこんなじゃなかったと思うのだが・・・
これじゃあ現行のVixenアイピースは使えないじゃないか。
そっか、うん、これは拡大アダプターなのね。<`ヘ´>

30分でお蔵入り2号決定。

次、

Vixen NPL30mm。


NPL30mmは現行のDG-NLV DXデジタルカメラアダプター
非対応品。一応は組込めたが、風景を撮影してみたら
周辺がダメダメでアウト。☆撮影に至らず。

次、

Vixen NLV25mm。


このアイピース自体はC-8とも結構相性が良かった。
しかし、検証で使用した国際光器ユニバーサルデジタルカメラ
アダプターがイケマセン。まず、固定部分のゴムパッドが
薄い両面テープで張り付けてあるだけであり、使用1回目で
全てズリ剥がれた。(怒)
また、2インチアイピースなら結構しっかり固定出来るものの、
1.25インチアイピースだと・・・これがグニャグニャ。
写真の状態でカメラに触るとユラユラなんです。
更に、


コンデジは三脚ネジがカメラ中央に無いことが多いのです。
よって、支柱を斜めにする必要があり、これが更に剛性を落とす
要因となっている。

えーとですね、ゴムパッドを全部剥がしたら、
今度は固定力が極端に落ちてしまい実用にならない。
超強力両面テープで貼り直すも、ゴムの部分でグニョグニョして
とても主点合わせなど出来たもんじゃない。

お蔵入り3号決定だ。

これがあまりに評判悪かったのか、国際光器では新たに2インチ用
と1.25インチ用をそれぞれ専用品として製品化してきた。
去年の秋はありませんでしたから、仕方なくユニバーサルを買った
のですが、今回は1.25インチ専用品を発注してみました。
明日来るようです。(懲りないヤツだ・・・俺)

次、

笠井SV32mm 1.25inch プロジェクション・アイピース


おお~、結構良さげだ。
まず光軸が狂わない、スライドチューブがアイレンズぎりぎりまで
寄れる、アイレンズがφ27mmある。シンプルなプローセルである。


これで初めて撮ったのがコレ。


はじめて見た時は感動しましたよ。たった1分でこれだもの。
でも、良く見ると星像はヒドイもんだね。

それから・・・


まだLX7に慣れていなかったとは言え、
気合のHDR撮影で外してしまった。いや、
先週の”安アクロマートでポン!”でもやっちまった。
と言うことは、カメラが悪いんじゃん!! ってことで、
皆さんご注意をば。

今のところ、このSV32mmが一番”マシ”かなあ。
上手く行くとこんな感じ。
C-8 + SV32mm + LX7 , F1.4 , 4.7mm , ISO1600 ,
60sec X2 compo , 合成 F=1.47


----------------------

以上、私が縮小コリメート法で去年の秋からやって来た実験を
まとめてみました。ただ、高級なアイピースや超広視野アイピース
で全くダメだったと言う報告もあり、試しに買うには清水の舞台が
高すぎます。

最後にフツフツと湧き上がって来たことを書きます。

・LX7の広角端開放F=1.4を活かしてこそ意味がある。
 ところが焦点距離は4.7mm(24mm(35)相当)であり、これが
 全てに影響する。つまり、メチャクチャ明るいが写野が狭く
 なる。


と書いた訳ですが、
これは明るいコンデジレンズの宿命でもあると思います。
本当はデジイチで24mmF2などを使いたいところですが、
これじゃあ~アイピースが超巨大になってしまう。

そこで気付いたこと・・・それは、

トリミングすりゃーいいじやん!!

ということです。
LX7とて1000万画素なんですよ。
例えば、上の画像から切出すとこうなるわけです。


如何でしょうか。
私的には全然問題なく”アリ”だと思うんです。
個人的には円形写野がリアルで好きだなあ~。  (つづく)

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6 コメント

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Unknown (よっし~)
2013-06-14 12:19:23
一番知りたいところだった部分の詳細解説ありがとうございます。
質問があります。
対象物の導入はカメラセット状態で行うのですか?
それともカメラを外してアイピースを覗くのですか?
SV32アイピースとC8のアイピースホルダの間の延長筒?みたいなものは何ですか?
返信する
Unknown (eti_forest)
2013-06-14 13:34:01
よっし~さんどーもです。

対象物の導入は他のアイピースでやるか、一旦LX7をSV32mmから外して
行っています。効率が悪いですが、そもそもまだ実験段階でピント合わせの方が
もっと効率が悪いので気になっていません。
しかも、LX7のマニュアルピント位置は1mから∞の間であれば大差無い星像と
なっています。天文ガイドではカメラも∞に合わせるとありますが、
実写してみると大差無いです。(C-8 + LX7の場合)
実際のピント合わせはC-8で行います。
ただその場合、LiveView拡大が数秒で元に戻ってしまうので面倒です。
マニュアルピント合わせレバーにチョット触れると、再び拡大画像に
なりますが、何回かやらないとピントが決まりません。
その時、一方向ばかりにレバーをはじいているとLX7側のピント位置が
どんどんずれて行きますから、右にはじいたら、次は左にはじくなどの小技
が登場する訳です。

Vixenのフリップミラーがありますので、今度これを挟んでみます。
これが真打かな?

SV32mmアイピースとC-8のアイピースホルダの間は、まさしく延長筒です。
天頂プリズムを使わないと、眼視でもこの位置です。
実際には、2インチ天頂プリズムを使っていますのでもっと短いです。
これをフリップミラーにして眼視とLX7を同焦点にしてみようと思います。

但し! 天頂を向けた時に撮影画像をチェックするとLX7は勝手にレンズを
収納させる動作に入りますから、ブログに書いたように”ガガガガガ!!!”
と脱調して、”電源を入れ直してください” と言われます。
撮影画像のチェックはアイピースごと引っこ抜いて行い、
画像確認後に”スポッ”っと付け直せばOKです。
そのような意味からも、デジタルカメラアダプターの類はハンドリングが
悪そうですね。
返信する
Unknown (あまぶん)
2013-06-18 21:48:11
eti_forestさん、こんばんは こちらには、初めてお邪魔します。

何処に書き込もうか迷いましたが、こちらの記事に触発されての行動だったのでここで。

アッチの
>ねえ、コレって何?
まずは回答を、と思ったのですが 1.コリメートの方法の1つを聞かれてるわけではないでしょうし、2.何を使っているか構成部材を答えればいいのか?、3.何でこんな接続方法を編み出し部材を持ってる過程を説明したほうが良いのか?。

2、あっちの写真とあわせてご確認を、望遠鏡側のカメラアダプター・カメラマウントまではよろしいですね。

リバースリングライトホルダー(ボディKマウント→M49)

ステップアップリング(M49→M52)

ケンコーOMリング(M52オスオス)

ステップアップリング(M52→M49)

リバースリングライトホルダー(M49→ボディKマウント)

接写リングK No.3+No.2(レンズKマウント→ボディKマウント)

A50mmF1.2(レンズKマウント→M52)

ケンコーOMリング(M52オスオス)

ステップダウンリング(M52→M77)

ステップアップリング(M77→M67)
       これは丁度良いステップダウンリングを持ち合わせていないため。

FA24mmF2(M67→レンズKマウント)
と接続しました。高度な機械加工が出来ない者が何とか光軸をだそうと考えた苦肉の策です、ただ今回初めてスチルで使ってみました。本来はFA24mmの代わりにレンズの外れないカメラが付きますし、A50mmのところももっと長いレンズを使います。

3は、長くならないように端折って、まだ自分の機材を持ってなかったころ、コリメート法で画面に入りきるように、太陽 月を撮りたいけれどアイピースでは長い焦点の物がなく倍率が下げられない、でアイピースより焦点の長い物で手近に有ったのが カメラレンズだった訳でレンズマウントキャップに穴を開けてつないだりしました。(理論武装のない行き当たりバッタリですが、その延長です。)
返信する
Unknown (eti_forest(☆男))
2013-06-19 20:16:40
あまぶんさん、お待ち申しあげておりました♪

これはビデオ機器で撮影するための構成ですかね?
日食の時にチラっと写真を見たような気がします。
それにしてもリバースリングライトADとか接写リングとか、凄すぎます。
どれを使えばどう映る?など、私にはピンと来ません。
この構成だと、素のFC-60よりも低倍率になるのですか?
う~ん、難しい・・・
何か撮ったら見せてくださいm(__)m
返信する
Unknown (あまぶん)
2013-06-19 22:36:12
eti_forestさん、こんばんは。

混乱させてしまったでしょうか?。

あくまでも、A50mmがアイピースの代わりで、それをFA24mmの付いたカメラで見ている、(コリメート)ですので“その他のリングはすべて素通し”で つなぐ為に使っているだけです。(私なりの理由はありますが、合ってるかは別で。機会があれば絵でも書いて見て添削していただければと思います。)


倍率については私も良く解かりませんが、FC-100でも85mmか135mmをアイピース代わりに使って、1/3インチだったか2/3インチ撮像素子のカメラをコリメートで、丸い太陽・月を画面に収めたことも有ります。(35mm換算、1200mm~1600mmくらいなのかな?。)普通はコンバージョンレンズ使うよね~。我ながら変態!

何か撮ったら・・・何処に張りましょ?考えておきます。(問題は天気)

もう一つ、ついでに。
コリメートも有る意味コンバージョンレンズですよね、レンズに負担掛けないって意味では面白い事されてる方が居ました。

http://bbs.kakaku.com/bbs/K0000386303/SortID=16262465/#16263839
返信する
Unknown (eti_forest (☆男))
2013-07-04 22:41:00
あまぶんさん、すみませんコメントを見落としておりました。m(__)m

ということは、50mm / 24mm = 2.083 で、

約1/2の縮小光学系ですね!
FC60がF8.3とすれば、合成Fは8.3 / 2.083 = 3.98 ですね。
焦点距離 238.8mm の望遠鏡ですね。

FC100に135mmアイピース、24mmカメラ側レンズでは合成 F=1.422です。
つまり、焦点距離は約142mmとなります。
2/3型CCDなら対角が9.5mmなので35mm換算が4.55倍です。
よって、35mm換算で646.1mmということになります。
1/3型では852mmです。
アイピースが85mmならば35mm換算で1406.7mm、合成 F=2.34
ですから、85mmだったのかも。

面白いですねえ~、これは相当なヘ○タ○ですよ。(^^♪
興味深い情報を有難うございました。
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