宇宙(そら)を見上げて

謎の天文機材技師 ☆男(hoshiotoko)のブログです。

K-1のセカンドライトは奥秩父にて

2016-05-02 00:03:00 | 天体写真(PENTAX K-1&K-1Ⅱ)
県民の森の爆風データはまだ未処理ですが、翌日は栃本ヘリポートまで行って来ました。
三峰ヘリポート駐車場へ行ったのですが、観光シーズンの為に駐車場が閉鎖されて
使えませんでした。観光バス専用の待機場として使われていました。
夜間もバリケードがあるので入れません。行こうと思っている方はご注意を!

さて、

K-1のセカンドライトは機材を変更し、VISACとZWO-CN15F4の二台体制で臨みました。
車の脇で撮影する予定で大量に機材を持って行きましたが、なんと南端まで
10往復するハメになってしまいました。それでも、理想の移動型赤道儀である
GN-26s改造に比べれば楽なものです。

<目的>

・VISACのF9(1800mm)+K-1の画像チェック

・VISACのF6.4(1278mm)+K-1の画像チェック

・VISACのF9+ISO12800 , 180secX4枚でどれだけの画像になるのかをテスト

・ZWO-CN15F4+MPCCⅢ+K-1でどこまで良像範囲が期待できるかチェック

尚、カメラ位置を固定の上、共通ダーク&フラットを各4枚撮影して適用してあります。
そのため、構図的には本来は横構図にしたい画像も縦構図(上が天の北極方向)に
統一してありあります。また、RAW+JPEGでSD1,SD2に同時保存しましたが、
テストレベルの為、全てJPEG画像で作業しました。
RAWからの処理に比べて雑な印象は否めません。

M97とM108付近 , VISAC_F9 , ISO12800 , 9X180sec , 27min Total


M106付近 , VISAC_F9 , ISO12800 , 4X180sec , 12min Total


M101 , VISAC_F9 , ISO12800 , 4X180sec , 12min Total


M51 , VISAC_F9 , ISO12800 , 4X180sec , 12min Total


VISAC_F9(1800mm)の画像はフルサイズ周辺まで素晴らしい星像で、周辺減光も
大変少なく優秀です。但し、F9と暗い為にいままでは使いづらかった。
K-1の高感度特性を活かし、どこまで撮影時間を短縮できるかのテストです。
1カットたったの3分ですから成功確率も高くなります。
20分だとガイドエラーは元より、雲の襲撃もありますから難儀です。
そのため、今までは高感度なモノクロ冷却CCDでしか使って来ませんでした。

今回のテストではISO12800でしたが、ISO6400との比較で大差無かった為、
ISO12800で撮っています。本気撮りはISO3200で1カット10分が良いかと思います。
流石にISO12800では解像感は期待できません。本来の解像力は出ていませんが、
何しろ1カット3分でポンポン撮影が出来ます。
系外銀河マップを焦点距離1800mmのフルサイズで簡単に作れる目処は付きました。
素晴らしい!

1時には全天薄雲が出てしまい、VISAC_F6.4とZWO-CN15F4では撮影対象は得られません
でした。薄雲の切れ目を狙って星像チェックと周辺減光、良像範囲だけは
確認が出来ました。

VISAC_F6.4レデューサー使用時


F9時に比べて周辺減光がやや大きく、四隅は少しケラレています。
星像は周辺まで十分に実用的です。

ZWO-CN15F4 + MPCCⅢの場合

撮って出し画像


フラット画像


フラット補正後の画像


あらまビックリ!
周辺画像も結構イケてる感じですよ。
ケラレも思ったほど大きくなく、フラット補正で何とかなりそうです。
24mm角で使えれば良いかと思っていましたが、これならばフルサイズで撮っても
十分に使えそうです。また、星が三角形になっていた問題も解消された模様。
主鏡圧迫の改善と光軸再調整でかなり良くなった印象です。


<総感>

今回は風も無くガイドがバッチリ安定していました。RMS=1"角程度でした。
僅か50mmF4ガイド鏡でVISACの1800mmを余裕でガイド出来ました。

K-1のフレキシブルチルト式液晶がとても便利で感動しました。
望遠鏡が斜めになっても液晶画面をひねってやれば、かなり見やすくなります。
これは真にありがたい。


K-1のファインダーは天体用には使い難く見え難いです。
透過型液晶の影響だと思いますが、微光の天体と言う条件ではホントに見づらい。
写野が何処まであるのかを確認するのも一苦労・・・と言うか良く分からない。
もっとも、背面液晶にはちゃんと星が映っていますので、これでピントを出せば
問題はありません。天体用にはせっかくの光学ファインダーが全く役立たず
となるのは、どのデジタル一眼レフ機でも同じことです。
なので、天体用にはミラーレス機の方が適しています。

バッテリーは十分に持ちます。
21時~2時くらいまで電源を入れっ放しで撮影を行い一本目が終了。
二本目を使いきることはありませんでした。
一晩で二本あれば十分でしょう。BG6を付けておけば、まずは安心です。


次回はDFA28-105mmで天の川撮影とZWO-CN15F4による夏物天体の撮影です。
これらは、もっと高い山へ行って撮影予定です。

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撮影日時:2016/04/30-05/01
撮影場所:栃本ヘリポート(標高1030m)
天候:ちぎれ雲多数、微風、結露無し→1時頃から全面薄雲&月出
気温:8℃ -> 6℃
星空指数:50
シーイング:3/5

撮像鏡筒:VISAC , ZWO-CN15F4
カメラ:PENTAX K-1
フィルター:なし
コマコレクター:MPCCⅢ(ZWO-CN15F4のみ)

赤道儀:ニューアトラクス改 + E-ZEUSⅡ
ガイド:50mmF4ファインダーガイド鏡 + QHY5L-ⅡM+PHD2_Ver,2.6.1

撮像時間:画像に併記
ダーク画像:共通ダーク4枚
フラット画像:共通フラット4枚
フラット用ダーク画像:***

ASCOM Platform 6.1 SP1-6.1.1.2627
撮像ソフト:***
画像処理:SI7 , Photoshop_cc

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コメント (6)
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