宇宙(そら)を見上げて

謎の天文機材技師 ☆男(hoshiotoko)のブログです。

K-1のRAW現像をFlat画像でチェックする

2016-09-07 12:37:00 | 撮影機材
K-1のRAW現像は純正のPDCU5、CameraRAW、SI7の三種類を使える
環境にありますが、多くはSI7で行っています。
と言っても、SI7がK-1のRAWに対応したのが最近ですから、
実際にはこれからRAWで処理して行こうという段階です。

今回はPDCU5(Ver,5.6.1)、CameraRAW(Ver,9.6.1)を使ってFlat画像を
現像してみました。
PDCU5・・・使いにくいですねえ((+_+)) しかも、何故にこんなに遅い?

PC環境:Core i7_2600K , 16GB Memory , 256GB_SSD(C_drive)
撮像環境:ZWO-CN15F4 + MPCCⅢ + LPS-P2 + K-1
Flat条件:部屋中でコピー用紙を筒先に張り、白タオル3枚掛け、
       カメラアイキャップ、鏡筒全体を布にて遮光
       白い壁に向けて撮像。
       画像はニュートラルグレーに調整。
ISO:800 , 1600 , 3200 各30秒

尚、PEFをPDCU5で現像、DNGをCameraRAWで現像しています。

<PEF>

ISO 800 , 30sec


ISO 1600 , 30sec


ISO 3200 , 30sec


<DNG>

ISO 800 , 30sec


ISO 1600 , 30sec


ISO 3200 , 30sec


やはり普通のRAW現像環境としてはCameraRAWが秀逸で使いやすいです。
PDCU5はこんなに遅かったかなあ?と思うくらい引っ掛かります。
思考が中断されてしまう。
しかも、ニュートラルグレーにしたいがヒストグラム三色同時出しは
出来ないのか? 調べる気も起きない・・・

天文用はSI7一択ですが、一般用はやはりCameraRAWを使いたい。
RRSの時だけPDCU5ですかね。(-。-)y-゜゜゜

追記 2016/09/09

あまぶんさんからISO800_600secのダーク画像で緑色帯が出ないか検証
して欲しいとのご要望を頂きましたのでやってみました。
ダーク画像は今朝方奥秩父で撮影したダーク1枚画で、気温17℃です。
特に何も出ませんでした。
以前のダーク画像もイロイロ確認しましたが、特に妙な帯は出ていません。
ただPDCU5のノイズ処理を掛けると、処理がゆっくりと(-。-)y-゜゜゜
進行するため、場合によっては下記のような”それらしい”状態には
なります。PCかPDCU5に問題があって処理が途中で終わってしまうなどが
起これば、あるいは緑帯が残ってしまうこともあるかもしれませんね。


コメント (9)
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ZWO-CN15F4 光軸調整最終章

2016-09-06 21:47:00 | 撮影機材
ZWO-CN15F4の△星問題が解決しましたので書きます。
まずは本日雲の合間から撮影した最終星像です。

K-1フルサイズエリア , ISO1600 , 31sec JPEG撮って出し1枚画


中心部ピクセル等倍拡大
スターシャープやシャープ系フィルターは使っていません。


おお、良いですねえ~。
これなら小さい冷却CCDでもバッチリ使えるレベルですよ。
満足できる良像はAPS-Cエリアまでですが、全画面で鑑賞するならば
フルサイズエリアでもなんとか見られます。
今まで、まったりと星像がデカかったり、△星になったり不安定な挙動を
見せていた原因は、やはり主鏡の圧迫でした。
以前の改良でサイドサポートネジを開放し、バスコーク着けに変更しました。
これで△星問題は無くなったかと思いきや、思い出したように時々△星に
なったりしていました。

原因は光軸調整機構ロックネジでした!

これです。この外側の固定用ネジです。(バネが付いていない方)




光軸調整が終わって主鏡を固定するため、このロックネジを締めます。
ところが、これを強く締めると主鏡サポートのアームが変形するのです。
サイドサポートネジを締めていた時はサイドサポートネジで押し上げ、
バスコークにしてからはバスコーク全面の接着効果で主鏡を圧迫して
いたのです。このロックネジを締めなくても主鏡は保持できます。


バネの付いた引きネジは主鏡サポーター板に固定されており、
セルの底側からメスネジになっている光軸調整ローレットツマミを回します。
これは14回転で抜け、10回転でバネの有効エリアが終わります。
よって、バネを一番縮めた状態から5回転の位置を標準位置としました。
この位置であればバネが効いていて、ロックネジを当てなくても光軸を
維持できています。移動時に軽く当て、遠征地でレーザ確認後に緩めて
しまえばOKです。今回の試写もそうのようにしています。

サイドサポートねじは鏡に当てていません。


主鏡抜け防止板も鏡には触れていません。


斜鏡部にはバッファー板が入っていませんが、そもそも調整しろが1mm以下
なので不要です。


ここで問題個所発見!


引きネジはM6で外径がφ5.7mmです。
対してスパイダーユニットの中心穴がφ7.1mmもあってガタガタでした。
つまりセンターが決まらない!
熱収縮チューブ2枚掛けでピッタリとなりました。

斜鏡は短径63mmで、3.5mmドローチューブの反対側へオフセットされています。


斜鏡はバスコークのような弾力性接着剤で浮き固定されています。


調整ネジの圧迫が出そうな気もしましたが、今回はキチンと締め付けて
大丈夫でした。もう少し斜鏡セルの付け根が長いと安心ですね。

本来、斜鏡位置は固定で良い訳です。
しかも、この鏡筒は調整しろが殆どありません。
なので、バスコークを付けて必要以上動かないようにしてしまいました。
また、斜鏡のコバを黒板塗料にて黒塗りしました。


センター引きネジは一杯まで引いて丁度良い位置に来る設計のようです。
この時、三点の調整ネジは1mm以下の調整しろしか残されていません。
良く出来ています。いくらでも調整できてしまう他の鏡筒はオカシイ
です。少しは考えて設計をしてもらいたいものですね。


光軸調整は、

・ドローチューブに対する斜鏡の位置を決定する。

・コリメーションアイピースにてドローチューブと斜鏡の回転角、
 スパイダーの位置関係、オフセット斜鏡のオフセット具合確認する。

・コリメーションアイピースにて主鏡のセンターマークをドローチューブ
 センターに合わせる。

・主鏡センターマークの中心にレーザが落ちるように斜鏡を微調整する。


・主鏡を微調整してレーザが中心に戻ってくるようにする。


遠征地ではレーザだけを使って斜鏡と主鏡の位置を再確認すればOKです。
私の鏡筒は主鏡センターマークが0.5mmズレていましたので、コレを
過信しないことです。上記調整にてコリメーションアイピースでも
ほぼ合っているように見えます。コリメーションアイピースだけでも
おおよそは合いますが、視差や位置配分の感覚に誤差要因があります。
完璧だと思っても、レーザで追い込むと結構ズレています。
但し、初めからレーザでやってはイケません。
適当なアライメントでも、接眼部にレーザを戻すことは可能であり、
とんでもない光軸調整をやってしまう危険があります。
斜鏡の位置さえ決まっていれば、レーザだけでも大丈夫です。
当然ですが、信頼性のあるレーザコリメーターを使いましょう。
私のは星見屋さんで売っている、
Hotech SCA十字レーザーコリメーター 2" 接眼部用
http://hoshimiya.com/?pid=66635775
です。

これでやっと安心して撮影が出来そうです。

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10cmF6ニュートンでもここまで行けるぜって話し

2016-09-06 18:39:00 | 撮影機材
久しぶりに日野金属(ミザール)10cmF6ニュートン反射で撮った
画像を見ていたら、ZWO-CN15F4は完全に超えているし、GINJI-300FN
にも負けないくらいの解像感があることに気付いた。

M31中心部ピクセル等倍/飯能市郊外
10cmF6 + AC-No,3 + LPS-P2 + K-5Ⅱs
ISO800(2X10min) , ISO1600(4X10min) , 60min Total


これにK-5Ⅱsを付けて撮影しました。



すばる望遠鏡タイプスパイダーと多重バッフル




とにかく徹底的に改造・改良しています。
この鏡筒ではAPS-Cエリアで十分な星像を実現できており、
中心星像はZWO-CN15F4 + MPCCⅢを完全に凌駕しています。
2年前まではこのシステムに冷却CCDを付けて撮っていましたが、
レデューサー・フラットナーを入れてもF5.48とやや暗いのが欠点でした。
これの置き換え目的でZWO-CN15F4を導入したわけですが、
中心星像が△星になるし、どうにも甘ちゃん星像で満足できません。
フルサイズエリアはなんとかカバーできていますが、中心星像を
もっとビシッ!!とさせたいと思います。

お気楽フルサイズ撮影ではMPCCⅢを使い、中心番長なCCD本気撮像では
Kenko AC-No,3 Pro-Disitalではないかと考えております。

コメント (2)
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ε-180ED重箱の隅

2016-09-05 20:42:00 | 撮影機材
ε-180EDの星像は汎用F4ニュートン+コマコレクターの比ではありません。
薄明開始直後にK-1で撮った1枚画。


ダーク&フラット各4枚を当て、スターシャープなどは施していません。
フル画面で見る分にはとてもシャープな画像ですね。
F4ニュートン+MPCCⅢに比べると全体的に星像が引き締まっています。

等光度曲線はこんな感じです。


ん?丸くはないんですかね?なんか四角い感じです。
この鏡筒は観測所の共有物なので、私が光軸調整をやったことは無い個体です。

中心星像を200%拡大(非常にシャープです)。


フルサイズエリア左上を200%拡大


APSCエリア左上を200%拡大


うーん、なんだかAPSCエリアの方がピンが甘いですね。

フルサイズエリア右下を200%拡大


美しくないですね(^^♪

APSCエリア右下を200%拡大


まあ良いのではないでしょうか?

尚、左下と右上はフルサイズエリア、APSCエリア共に
”まあ良いのではないでしょうか?”レベルの星像でした。

以上から思うにイプの像面は均一なフラットではなく、
場所によっては甘い箇所が発生しているのではないでしょうか?
これらの画像を見ると片ボケとは異なる星像です。
特に左上エリアに関しては、APSC相当の場所よりもフルサイズ相当の場所
の方が星像が締まって見えます。

もし、カメラがAPSCだけであれば片ボケか? と思って光軸調整に
ハマルでしょうね。APSCエリアの外側も一緒に見ないと本当の事は
分からないのかもしれません。
φ44mm全域に渡って針で突いたような星像・・・
を期待すると神経がスリ減りそうです。
真の光軸が決まると右下の星像悪化は無くなりそうですが、左上は
どうでしょうか? これは補正レンズかミラーに問題があるのでは
ないでしょうか。イプ使いのツワモノ方はフルサイズを使っていることが
多いですが、本当に全画面で針点になっているのでしょうか?
反射系F2.8の光学系で完全フラット・全面針点星像が如何に大変な
ことか垣間見た気がします。FSQの方が気楽で良さそうですねえ~。

しかしアレですよ。
この明るさと中心星像を利用すれば小型高解像度CMOSカメラで
ディープスカイも狙えそうですね。そうか、
ならば無理にイメージサークルを大きくしないで中心番長なニュートン
でも同じってことか・・・そっち行って見ようかなあ?
高性能アポには無い集光力で勝負って所が、唯一残された道か?

って、今までだってそうじゃん(V)o¥o(V)

コメント (4)
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台風一過の三峰ヘリポート駐車場で撮ったもの

2016-09-01 20:43:00 | 天体写真(PENTAX K-1&K-1Ⅱ)
二連荘で撮って来たデータを順次アップして行きます。
量はありませんがイロイロ分かったことも含めて書こうと思います。

まず、K-1のJPEG白点問題は設定感度に関係なく、露光時間で発生
するかしないか決まるようです。今までのデータから、

180秒では発生するが、90秒では発生していなかった。
よって、今回は120秒で撮影してみました。
         |
         +->結果、発生しませんでした。

どうやら120秒~180秒の間で発生しているようです。
とは言え、簡単に消せるし細かいので実際には殆ど目立ちません。
私的にはどうでも良い問題に思えて来ました。

と言うことで、
まずはZWO-CN15F4 + MPCCⅢ + 正しく配置されたワイドマウントPK改
による星像がどうなったか見てみます。

γCyg付近 , K-1 , ISO12800 , 11X120s , 22min Total , DarkX5 , FlatX5 , LPS-P2
RAWから正しく処理した画像。


ダークもフラットもJPEGで処理したお気楽画像。


この2枚の間には工数的にエライ差があります。
RAWの場合は、ここに至るまでには結構大変な作業が発生しますが、
JPEG画像ではあまりテクニックを必要としません。
どうでしょうか?
あまり変わらないような・・・
少なくともスマホ画面で後のち楽しむ分にはJPEGで良いかも?

星像はかなり改善されました。
K-1はフルフレーム機ですが、その四隅まで何とか鑑賞に耐える星像
になりました。ワイドマウントPK改は内径φ44mmですから、
MPCCⅢの最大径です。周辺減光も許容範囲で十分にフラット補正が
効きました。

また、
中心部を等倍拡大した画像がコレです。


真のピント位置の僅か前後で△星になりたがる傾向が残っていますが、
内外像はキレイな同心円、かつ、歪のない円形でした。
じゃあ、なんで△星になりたがるの???って話はそのうち調べます。

IC1396 , ISO12800 , 21X120s , 42min Total , DarkX5 , FlatX4 , LPS-P2
ダークもフラットもJPEG処理


ちなみに、
台風一過当日に撮ったLPS-P2無しの画像もあります。
空の透明度はコチラの方が良かったにもかかわらず、バックグラウンド
との輝度差が上がらず、発色も思ったようになりませんでした。
空が良いからと言ってLPS-P2を使わないと、この手の淡い星雲を
炙り出すことは難しいようです。
尚LPS-D1ではなくLPS-P2を使っている理由は、LPS-D1がS2波長付近から
長波長側をカットしてしまっているからです。
ペリカン星雲などはS2を多く含むため、LPS-P2の方が適していると
思うからです。K-1は無改造機のため、赤カブリを防ぐよりも
S2領域が出ない方が良くないと思い、このようにしています。
K-1で撮ると、ペリカン星雲のおどろおどろしいS2領域を上手く表現
出来るのは↓で実証済みです。
http://sky.ap.teacup.com/eti_forest/615.html

IC1396 , ISO12800 , 11X90s , 16.5min Total , DarkX4 , FlatX4
ダークもフラットもJPEG処理


ところで、この画像の左下辺りに流星のようなオレンジ色の直線が
写っています。これは30日も31も写っていました。
30日の画像は修正して消してしまいましたが、確認すると他の天体画像
やダーク、フラット画像には出ていません。
  |
  +->アレ? もしかして左上のガーネットスターの光状か!
       たぶんそうでしょう。妙な出方をするもんだ。

それにしてもなあ~、
大きな散光星雲をF4のニュートン反射でまともに撮影するのは結構大変。
この程度の画であればFS-60CBやWO-Star71ED、プロミナーなどの方が
適しているでしょうね(^^♪
FSQやイプが良いのは当然でつまらんし・・・
じゃ、何撮るねん!

NGC7635バブル星雲とM52付近
ISO800 , 4X600s , 40min Total , DarkX1 , FlatX1 , NoFilter
ダークもフラットもJPEG処理


主要部分切り出し
NGC7635(バブル), M52(N7654) , NGC7538(散光), N7510(散開)


NGC7635バブル星雲のピクセル等倍画像


おっと、△星になっとる(怒)
等倍で星像がコンスタントに良ければ冷却CCDで強拡大も狙えるのですが、
これではダメですね。以前撮ったNGC7293はキレイだったのになあ~。
http://sky.ap.teacup.com/eti_forest/558.html
このレベルでコンスタントに撮れれば、短焦点反射の意味があるのですけどね。

8/31はLPS-P2を付けて撮ってみました。
ISO800 , 3X600s , 30min Total , DarkX1 , FlatX1 , LPS-P2


やはりLPS-P2があった方が良さそうです。
下の方にクワガタ星雲が見えています。
それにしてもISO800は滑らかで良いですね。1枚画でも使えるレベルですよ。

M45
ISO12800 , 10X90s , 15min Total , DarkX4 , FlatX4 , NoFilter


流石に15分ではザラザラです。

NGC7023_vdB141 , ISO12800 , 21X120s , 42min Total , DarkX4 , FlatX4 , LPS-P2


全くお話しになりませんでしたm(__)m
ISO3200程度に下げ、最低限10倍~20倍の露光が必要なのではないかと
思います。こんなもん撮ってられません。

ちなみに、前日に撮ったノーフィルター画像がコレ。
構図がアレですが、まだましでした。
NGC7023 , ISO3200 , 13X300s , 65min Total , DarkX4 , FlatX4


以上でおしまいです。

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撮影日時:2016/08/30-09/01
撮影場所:三峰ヘリポート駐車場(標高850m)
天候:台風一過当日(もの凄い夜露)、快晴、無風
   と、その翌日、ほぼ快晴、弱風、結露なし
気温:16℃->12℃
星空指数:90->80
シーイング:3/5 -> 4/5

撮像鏡筒:ZWO-CN15F4 (15cmF4 , fl=600mm)
カメラ:PENTAX K-1
フィルター:無し、またはLPS-P2
コマコレクター:MPCCⅢ + 適正リング + ワイドマウントPK改

赤道儀:90s
ガイド:5cmF4 + QHY5L-ⅡM + PHD Ver,2.61

撮像時間:画像に併記
ダーク画像:画像に併記
フラット画像:画像に併記
フラット用ダーク画像:画像に併記

撮像ソフト:***
画像処理:SI7 , Photoshop_cc

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