用意していたネタの中で、これはと言うのがあったのだが、結局使わなかったのがある。
DJポリスだ。
これのどこが「震災後の共同体のゆくえ」なのかと思うかもしれないが、実はオオアリクイなのだ。
行政から見た次の形なのかもしれない。
ワールドカップ予選で日本が決勝進出なるかと言う時、渋谷スクランブル交差点前に巨大な雑踏が出来るのは間違いがなかった。警察はそこで機動隊員まで動員して警備体制を作りました。あのスクランブル交差点ぜんぶを両手広げて線を引ける人数、角では肩を付けて並ぶ人数。少なくとも400人以上でしょうか。報道でも数百人とアバウトですが、多分その程度だろうと。バックアップまで含めれば1000人近いのではないのかと思います。
さてそうなると当然反発も起きやすくなる訳です。残った映像から見る限り警察もかなりその辺は気にしているようです。ソフトな対応をしようとしています。
ここで後方支援というか広報支援したのが、このDJポリスの話術でした。
この話しを聞いた時に、ああやっぱりと思ったものです。この話術は心理学・行動心理学を駆使して作られていると感じたからです。代表が「おまわりさんもうれしい」でしょうか。自分も共感していると表明して、「皆さんは12番目の選手です」と自覚させ、サッカーも公共の場もルールを守ろうと言います。そしてサッカーのルールとあわせて「イエローカードですよ」という。
共感を取る、次に自覚させる。次がないまぜにした上で自発的行動を起こすような発言をする。
これは ITで言われるアーキテクチャーの手法です。制度設計やほんのちょっとを工夫する事で人をどう誘導出来るのか、心理学や社会学まで使かって考えたものです。
解りやすい例えでは、ウエッブのバーナー広告でしょうか。広告が邪魔にならないようにしながら目立つようにどうするのか、そして効果的であっても見る人のシステムによっては本当にジャマなだけにならないように、様々な工夫が凝らされています。出来る限り衝動的にポチっとするようなれば良いのですが、衝動的では後々トラブルにもなりかねない。どう誘導するのか、が問題です。出来れば自発的にポチっとしてもらいたい。
アーキテクチャーの手法ですが、「自発的に」誘導するのがポイントです。人から強制されたのではなく、自分で選択して「自発的に」選んだものが一番満足出来る、と言うのが人です。そうなるようにする、と言うのが今後の行政課題です。
ただ根幹からの制度設計は難しいと思います。法や法令のしばりが大きいからです。ただ出来る所で、窓口業務や警備ではじまっているのかと考えています。
今回の件では、警備誘導コンテストが警察内であると言う事が解りました。彼はそのチャンピオンなのですが当然想定される事態での言葉は用意していたと思います。伝わる限り、半分アドリブと言う事は半分は用意してあったと言う事です。
それは当たり前ですよね。私でも絶対準備します。というかチャンプなら完璧に準備したでしょう。
それが彼個人だけかどうか、なのです。
憶測ですが、警備計画の中に彼の台詞は入っていたと思います。
実は彼が表彰された時に、考えたのです。なぜ彼が表彰されたのかです。確かに警察しかも機動隊のイメージを変えたかもしれません。賞としては一番ランクが低いのですが、本来は今回の警備隊長にあたえられるものが、彼に与えられた事に、とても違和感を感じるからです。
もちろん警視庁も柔らかくなっているのでしょう。上下とではなく。
ただ火消しに回っているように感じるのですよ。なので一気に表彰してコイツ凄いで終わらせようとしているのかと疑うのです。
組織として計画したと思います。
今の所、こういった手法はもっと増えてゆくと思います。その時まったりと暮らせる環境が出来上がるのですが、あんまりうまく行き過ぎると、悪い事しか起きなくなるような不安を感じています。
マキャベリだったと思うのですが、良い君主が3代続くと人民に悪いことが起きる、みたいな事を書いていたと思います。アーキテクチャーの手法は、そういた危うさを持っています。
今現在知りたいのは、あそこで日本が負けた場合のDJポリスの用意した原稿だ。これはあるはずだ。