さてコニカ Ⅰの写りはどうなのでしょうか。レンズは和製テッサーF3.5です。まあこんなものでしょう。
むしろ60年前のカメラで修理していないようなものが、まだ動くと言う事がオドロキでして、ネガを見る限り1/50秒以下のシャッタースピードでなければ大丈夫なようです。1/250秒なら間違いが無さそうです。
この原因は、シャッター金属の黒化処理の際に小さな穴が空き、そこにしみ込んだオイルが時間が経つとシャッター表面に広がってシャッターの動きを止めてしまうと言うもの。油の酸化も原因の一つです。
ピントは良いのですが、にじんで見えます。バックのボケもどうなんでしょうか。
ただ戦前の設計レンズで、戦後6年経っての製造レンズです。あまり過剰な期待はしていませんでしたが、ああやっぱりと言った具合です。ただ色はとても良いです。
当時のフィルムの解像度から行くとこれでも十分だったと思います。ただ、60年頃からでしょうか、フィルムの感度と解像度が大幅にアップして、レンズの製造技術も大幅に変わって現在に至ると言った所があります。
半逆光でもきれいに写ります。
絞りなんですが、ほぼ解放なのは人物写真のみで、あとは深く絞っています。深く絞ると回折効果でピントが甘くなりますが、ここまで甘くなるのは回折効果ではないです。元々のレンズの特性です。
あとネガカラーフィルムを使ったのですが、今では感度400以下のフィルムはどの程度あるのでしょうか。入手しやすいフジの感度400を選びました。結果深絞りになっています。
ピント合わせの光学系の動きが悪いようです。なので今回の写真はピントが悪いのかもしれません。また無限遠が少しおかしいかもしれません。
被写体によっては、かなりいい感じにくるようです。
いやしかし60年前のカメラが動いて写真を撮れるのだからオドロキです。その上終戦直後ですから。
確かにライカやコンタックス、そしてイタリアのドゥカティみたいなものは作れなかった。しかしそれはそれ。当時の日本の技術を考えれば、このカメラはとてもよく出来ています。新規技術はないけど、オーソドックスな技術をキッチリまとめているところが良いです。戦前の設計ですが、多分イロイロ直していると思われます。
後はオーバーホールだけか。自分ではやらないけど。