今日の最高気温は18.9度だった。かなり暖かい。池を見回ったら産卵しているのを見つけた。これで絶滅の危機は一旦遠ざかったことになる。
今日は久しぶりにいっぱいカエルを観れた。個体確認の写真を撮るが、あんまり強い光を当ててもいけないと思い始めている。しかしやはりシチュエーションがいいと遊びたくなってしまう。
今日は陸上で26匹、うちつがいが4組だった。
久しぶりにまとまった数がいて楽しい。
このアズマヒキカエルの減少なのだが、なんだか放っておくと放射能がとか言い出す人がいそうで怖い。そしてこのカエルは全国的に減少しているのでも知られている。そうするとますます放射能だと言い出す人が現れるだろう。
全国的な減少は20年以上前から始まっている。このカエルは垂直の壁を登れないのだ。特にコンクリート護岸がダメだ。細かいデコボコのある切り石でも10センチ程度ならなんとかなるが20センチだとほぼ不可能。そして田んぼの畦を機械で硬く締めることが行われるようになった。さらにコンクリート化するのも全国的にある。人の手で築かれた柔らかい畦を彼らが好んで越冬地に選んでいたのが無くなってしまった。とはいえ農家にとっては畦を壊してしまうヒキガエルは天敵でもある。
そしてため池の減少が大きい。農地改良事業の影響なのだ。田んぼは全て暗渠になり田んぼに張り巡らされた水路はかなり無くなった。水源からポンプで水が送られるから、小さなため池は無くなった。大きなため池が新たに作られる場合は護岸がコンクリート化されたりオタマジャクシの生育にふさわしくない、深い池ばかりが作られるようになった。
市街地化の影響もあるが、それ以上に農村部の変化の方が大きい。
この北水の池での変化は、実は10年くらい前からの景観整備のための草刈から始まっていると思われる。ヒキガエルが安心して生育できる藪がなくなったのだ。餌の問題もあるのかもしれない。開けすぎた場所にそんなに昆虫がいるとは思えない。そして付近の建物の改修工事が大きいだろう。
そしてヒキガエルの寿命と性成熟の問題がある。寿命はアズマヒキガエルの人工下での実験がないようなのでなんとも言えないが、野生の場合8歳までという観察記録があるようだ。とてもいい論文だと思う。そこでは骨断面から計測する手法を取っている。
性成熟については先の記録の草野保先生がまとめています。性成熟には場所によって変わるが2年から4年かけて大人になるようです。大体は2・3年かかるようです。ここから行けばこの池のヒキガエルは3年間の環境変化で越冬地を失い繁殖適齢期の個体をかなり失ったと考えられます。確かに昨年に引き続き大きな個体が減っていると思います。やはり特に大きいのは農業資料館の改修工事でしょう。多分あの床下で越冬していた個体がかなりいたのでしょう。そこから数えると、この急速な個体減少が説明できるように思います。
今回見つけた論文で驚いたのは、ガマガエルの行動範囲でした。大体50メートルの範囲になる。広い範囲のもいるが200メートルだ。とても狭い。ということはこの植物園で大体収まるということだ。
逆説的にガマガエルは生まれた池に帰るというのは、本当のことなのだろう。距離が短いから可能なのだ。
池の中には20匹いた。つがいは二組だったが、陸上の4組が参加してくれれば6組は繁殖できるわけだ。
ガマガエルの観察をしていつも思うのは、こんな小さな池でも一人じゃムリと言うことだ。数を数えたのが昨年の途中だった。今年は楽勝で数えられるが、以前だったらカウンターを使っても無理だった。そもそもあいつら短時間で移動するし。
真面目な研究を見て、ガマガエルの研究が進まない理由がわかったような気がしました。
今のところガマ玉の発生はありませんね。いいことです。
明日はどうなるのかというのが定句になりつつあります。
オスのカエルがメスを追っています!
完璧スルーしました。戻りカエルが現れてきたようです。