4月2日のお昼頃です。小学生の女の子二人が「キモーイ」と言いつつ石を投げたりしています。「カエルさんは恋の季節なんだよ。出会いを求めて集まってきているんだ。今年はそれでも数が少ないからそっとしてあげて」と言ったら、さすが女子、「恋」に反応したようです。池を一周する際についてきます。なのでマメ知識を出します。「カエルって泳ぐのが得意だけど、こいつは溺れることがあるんだ。指に吸盤がなくって、体が大きいから、この壁すら登れないんだ。そして急に飛び出すこともできないんだ。体が重いからね、だから安心して。急に飛びかかってくることはないから。」
「陸生のカエルだから長時間水の中に入れないんだ。だからこうして浮かんで呼吸して、息を吐いて潜って行くだろ。潜るのは警戒しているからなんだ。だからずっと石を投げていたりしたら浮かび上がれずに溺れてしまうんだ。あそこで枝にしがみついているのはオスなんだ。オスは何にでもしがみつく。だからオス同士でしがみつこうとしたりするんだ。今鳴いているのは警告音だよ。オレはオスだ!くっつくなと言っている。」
「あんまりにもオスが強く抱きしめるから、メスが動けなくなって溺れることもあるし、愛し合っているところに他のオスがくっついてきて身動きが取れなくなって溺れることもあるんだ。恋って命がけなんだよ。」
小学生向けに言ったつもりなのですが、改めて書き出すと「アヤシイおじさん」です。通報されてもおかしくないですね。
この後は「産卵シーンが見たい」とか、「鼻穴が可愛い」とか言ってくれていたのでまあなんとか。産卵シーンは偶然個体が見つかりました。メデタシメデタシ。後は彼女らが腐女子に育たないことを祈るのみです。
さて4月2日は日中に26匹確認、夜の6時50分から7時半までの間、陸に24匹内つがいが8組、ビオドープに22匹うちつがいが6匹でした。
着実に前年度実績に近づいております。
アメリカザリガニと交尾中のカエルですね。池の浚渫作業をしたばかりなのにこんな立派なアメリカザリガニがいるというのは不思議です。
池には88匹、つがいは18組ありました。この写真では3組のつがいがいます。
一時はどうなるのかと思いましたが、前年の半分以上は帰ってきたようです。
4月3日です。一日雨でした。特に午後2時から4時までの間12.5ミリの激しい雨になりました。みるみるうちに川が増水して行きました。それも午後6時にはおさまりました。7時から7時半の観察です。
そろそろ私の仕事も忙しくなってきました。
このアズマヒキガエルに取って、雨が降ったからいっぱい出るということではないようです。気温の方が大きいかもしれません。とはいっても雪が降ろうがなにしようが一旦始まった性衝動は止まりません。
陸には5匹、つがいはいませんでした。ビオドープには19匹、つがいは一組だけでした。
池にはなんと、122匹います!昨年より21匹少ない程度です。そしてつがいは22組います。ガマ玉は一つ出来ていました。
昨日から気になっていた、頭の一部が黄色い子も、ついに彼女をゲットしたようです。
O ew'ge Nacht,
süsse Nacht!
Hehr erhabne Liebesnacht!
ガマガエルの体の表面には薄い粘膜があるのですが、それが青白く光っています。このころになるとこの粘膜が禿げている個体を見つけることもあります。彼らにとっては皮膚呼吸のためと水分保持のために大切なものなので、これがはがれるというのは大変なことです。
それも恋のため。
この恋の季節も曲がり角にきたようです。恋の魔法から解けたカエルは、背筋を伸ばします。そういった個体が増えると終わりの始まりです。