(独)国立環境研究所 資源循環・廃棄物研究センターがガレキ焼却に伴うセシウム飛散があるかどうかを調べている。ただこれは、放射能を含む焼却炉からの灰をどう処分するのかを検討するために多角的に研究した結果だ。
私としては経産省の下部団体ではないので、一定の保証はあると思う。
http://www.nies.go.jp/shinsai/techrepo_r2_120326.pdf
こういった報告書はくどいのだが、よく読めばいろいろとても参考になる。
まずは盛岡のクリーンセンターでの公開されている値を見たい。
盛岡市クリーンセンターが受け入れているガレキの量を示す。
実は11年の11月から12年の1月までは岩泉町小本地区からのがれきで、搬入された日は3日間、14,48tしかない。これ以降は受けていないようだ。2月以降宮古・山田地区から受け入れがはじまる。2月は延べ日数16日で161t受け入れている。3月は延べ日数51日で600,8t受け入れている。
さてこのガレキの空間放射線量は公開されている。結論だがガレキの5センチ測定した値と、1メーターの値は変わらない。誤差の範囲だ。むしろ低い。
http://www.city.morioka.iwate.jp/dbps_data/_material_/_files/000/000/014/136/housyasennryouritu5gatu.pdf
さてそれでは盛岡のクリーンセンターで、主灰と飛灰の放射性セシウム濃度のデーターがある。これをグラフ化した。11月に25日と27日のデーターがあるが、これは岩泉の小本地区から受けたガレキ焼却灰を検査した結果だ。
あまり変わらないというのが結論だ。
このデーターだが1年でどう判断できるかというのもある。解るのは大体町中での植木の剪定とか落ち葉の回収をクリーンセンターに持ち込んでいるという事になりそうだ。実際ウチの近所でも庭からのゴミは、同じ動きをしている。
話しをもとに戻すが、(独)国立環境研究所 資源循環・廃棄物研究センターの発表とこのデーターは一致する。クリーンセンターの施設との関連も説明できている。
一番大きいのは、主灰でケイ素と反応してセラミック化して環境中に出にくくなる事。飛灰では吸着なので水に出やすいことだろう。
なお盛岡のクリーンセンターだが、ダイオキシン騒動の最中、どう考えても不明瞭な用地買収があって反対運動が起きたのに、これまた明確に市が叩き潰したと言う経緯があって、発生したダイオキシンの公表とかが義務づけられています。シカーシそれでダイオキシンが検出されてしまった!と言う事故が過去にあります。そういった施設なので、ここからのデーターは実は信用できます。
この焼却炉ですが、やはりどう運用するのかが問題なようです。今回はセシウムで話題になっていますが、温度のコントロールと設備の最適化、そして燃やすゴミの最適化が重要なようです。
追記
クリーンセンターで、定期的に放射能測定をしてもらいたいものだと思います。ちょっと間が空きすぎているデータは疑念を抱かせるものです。
ただ現実的に測定の問題が出始めていると感じています。測定しなければ行けないものが増えすぎて、測定する職員がつかれきっている可能性が無い訳ではないように思えます。例えば文科省からの依頼の水準調査の発表も、どうも余裕が無くなっているように思えます。
これは100Bqの基準から言われて来た事なのですが、まったく改善していないようです。