どうでもいいこと

M野の日々と52文字以上

台風一過

2013-09-17 00:14:36 | インポート
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雨台風でした。午前6時頃から降り始めた雨ですが、三時過ぎからかなり激しくなりました。


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前線も影響した西の方ではかなりな被害があったようです。


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台風と言えば、野球のヤクルト・バレンティン選手の57号ホームランが話題になっていません。というかお約束。アンサイクロペディアの通りになってしまいました。
まあシーズン初めに登板出来なかったので、ほぼ不可能な数字です。短期間でブンブン台風ですから、もう止めようがない。イロイロありますが、まずおめでとうございます。そして読売のナベツネ様、残念でしたね。あなたが統一球をどうのこうのとしなければこんな事にもならなかったのですが、とりあえずヤクルトの人気は上がりました。

えっとですね、55号を持っているのは王貞治監督と平成13年に近鉄のローズ選手と平成14年には西武のカブレラ選手です。あのバースを入れる人ってすごく楽しいんですけど、確かに楽しいんですけど、間違うから止めてくれ(笑)。
でもここは言いたい。記録ではなくて記憶だ。バースはすばらしかった。長島を超える記憶だ。王監督に至っては、神様だ。あ、バースも大明神になってたか。

ただなんでバレンティンの記録に誰も反応しないと思う。理由は多分この話し。同意する。


しかしアンサイクロペディアに予言されると言うのもどうなのかな。



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どうも県北部で土砂崩れが多発しているようです。突然友人から電話が、「今二戸にいるのだが、道路状況を教えてくれ」。道路状況に関しては門外漢です。
ネットで調べると、なんと情報が一元化されていない状況にアゼンとします。個別の情報はいくらでもあるのですが以外とネットに上がらない情報が多いです。国道4号は小鳥屋の土砂崩れで通行止めなのですが、この情報はネットでアップされていません。ところが道路交通サインを出しているカメラは、キッチリと通行止めを出しています。

どうゆう事かと言えば、道路交通網に対するインフォメーションシステムとネット表示でタイムラグがあるようです。ネットカメラはタイムラグがないが、図表示には反映しないシステムです。ただネットカメラは現場を写している訳ではありません。


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スマートホンがあれば、彼は情報を判断出来たかと言えばそうではないと思います。
実は車内で夫婦喧嘩になったようです。そこで一旦判断を私に預けてしまったと言う事なのです。

私はこれを面白いと思いました。彼は私に答えを求めていない訳で、私は状況判断で二戸に泊まって休んだら?というアドバイスになりました。脇道から全部危ないのは間違いがありません。それは彼も解っています。大体現場の情報の方が正確です。ただ私に連絡を取る事で、夫婦喧嘩の解決にはなります。これはスマホでは出来ません。
第3者の意見を入れる、それだけです。

しかし、よっぽどひどい事になったんだろう。



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つなぎ温泉で避難勧告が出たり、岩手もかなり被害がありそうです。県北部の土砂災害も伝わって来ています。

風の被害は今の所聞こえていません。


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台風で、八戸から弘前ー盛岡に来ている職人さんがどうなったのか、気になります。

あと彼らのファッションなのですが、かなり面白いです。まず実力者のファッションが面白い。頭に巻く手ぬぐいから全部迷彩で統一とか、全部インディゴブルーで統一するとか、まず統一するデザインセンスが面白い。そして大体前向きなニュアンスを作る。
毎日染み一つない服で来る職人もいる。あの鳶職の服なのだが、多分現場が変わるたびに服を変えているのだろう。全身真っ白な作業着の時には驚いた。


逆もある。全員同じポロシャツと言う事もある。この場合はどうも一斉に同じ作業をする時のようだ。解体とかそう言った作業だ。服の使い方と言うのもあるようだ。

今気になる職人は、明治大学レスリング部のTシャツを着ている奴だ。



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夕方には雨はやんだ。しかし台風なので、私の好きな店は全部お休みだ。営業を宣言していた店までお休みしていた。


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退屈な夜に、月が上がった。


台風通過前の夜

2013-09-16 03:04:04 | インポート
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昨日は台風由来の南風が吹き込んだが、今日は前線がはっきり出来て西側からの風が吹いた。おかげでかなり過ごしやすかったが、雨は続いていた。

今日は知り合いの塗装屋が、仙台で3ヶ月の長期出張が決まったといっていた。やはり人手不足は確かなようだ。復興のために人材がかなり不足している。だから彼らはかなり忙しい。盛岡で店舗改装をしている物件があるが、そこでは八戸の業者が来ているのだが、彼は日中弘前で仕事をして、それから盛岡に来る。盛岡に来るのは9時過ぎだ。そこから仕事をして深夜1時くらいに帰る。
八戸ー弘前は山越えでかなり厳しい。大体3時間か。弘前ー盛岡は高速で2時間か。盛岡ー八戸も高速で2時間か。もの凄く飛ばしているのだろうから、もう少しは時間がかからないと思うが、移動だけで7時間。睡眠時間は4時間だろう。
山形から日帰り出来ている業者もいる。見ている人は内装業者が多いのだが、仕事が多いのをぼやいている風もある。

その彼らのぼやきも微妙だ。地元から雇った大工が使えない、いやあれは日雇い程度だろう。そう言った声も聞こえる。
なぜそうなるのか?高齢化が大きい。今の作業に全くあっていない職人がいっぱいいると言う事だ。そして出来る職人はいまや引っ張りだこだということだ。
親方によっては、地の仕事を中心に回している所が多いが、彼に仙台の仕事が回って来たと言う事は、のっぴきならない状況なのだろう。もしかするとこれを機会によその飯を食え、と言う事かもしれない。

目出たい事だと考えよう。



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深夜になり、雨はやんだ。だがまだ台風の進路にはいる。でもなんとでもなるだろう。


311の時に買ったろうそくは、まだある。


911と311

2013-09-16 02:20:38 | インポート
先日のこえシネマでは、311に対して気持ちが切り替わりつつあるとか、当時アメリカにいてあわてて帰ったのだが帰国しても大渋滞にぶち当たったり長距離移動の手段が全く無くて大変苦労したのだが、贖罪感が残り今でも当時はどうだったのかを問い続けている人の話しなどいろいろ聞けた。内陸にいるのに被災者になってしまう不可思議や、九州に住んでいるのに贖罪感で被災者と言う例も出た。
まだ被災地では復興が進んでいないし、持たざるものと持つものの気持ちの差も広がっていると聞く。確かに盛岡でも友人や親戚が沿岸に住んでいる場合と、そうでもない人との間には距離がある。

私の場合も、沿岸に友人は何人かいるが確認がとれたのは一人。後は元々連絡先が解らなかったので、元気だと言う事にしている。逆もある。重機屋に勤めている友人なのだが、会社命令で今岩泉でテトラポットを作っている。近いとはいえ、盛岡から通える距離ではない。もうここ一年あっていない。
ささやかかもしれないが、私の周りでも様々な動きがあって、昔には戻っていない。

ただそれでも失った人よりは、心の回復は早い。だからたまに忘れる事もない訳ではない。すると罪悪感をまた感じて傷がうずく事になる。


その中で今年の9月11日は別な事を思い出していた。あの世界貿易センターに起きたテロ事件だ。ほとんどのニュースでは全く取り上げられていなかった。確かにアメリカの事件だしビン・ラディンは死んだ。我々にとって他人事であるが、アメリカでは今でも現在進行形の問題だ。アルカイダではなかったがボストンマラソン事件もあった。人種偏見の問題とも絡んだりする。中東問題にアメリカが関わり続ける限り、アメリカでは残り続ける問題だ。

二つの象徴的なビルと3000人の死者と、そして数えきれない戦死者と巻き込まれて亡くなった方と、膨大な国費と10年以上の歳月を使い果たしても解決には至っていない。


私にとって911は311から半年経った日ではない。今年はシリア問題もある。アルカイダの問題の遠因はパレスチナ問題であり、シリア問題も同根である。どこかで絡ませた記事があるかと思ったが、2件だけ見つけた。海外ニュースだ。国内は311から2年半後しかなかった。


311を忘れて911を捜した。そして311に対して罪悪感を感じながら、考え込んでしまった。海外ー日本、テロー自然災害、そう言った違いはある。だがよかれと思ってやって来たことが、すべて裏目に出てしまったのは同じかもしれない。


アメリカは自国民のために様々な事をして来た。サウジアラビアのようにイギリスから利権を取り上げて、サウジアラビアの分配を大きくした事もある。取引だ。日本との場合もにたようなものだろう。自由民権主義の拡大のために他国を恫喝するのは当たり前、政権にちょっかい出すのも当たり前。政敵に金を渡して、困らせるのも当たり前。中南米でさんざんやらかしたので、彼らはアメリカに麻薬を輸出しても恬淡としている。最近ではさすがに自国にまで被害が及ぶので、禁止の方向にはあるが。
中東では、イランの国王すげ替え、ソ連を困らせるためにアルカイダへの武器の供給、そして敵対さえしなければどんな独裁政権も認めて来た。イラクのフセインもそうだしシリアのアサドも認めて来た。もっと酷い国があったような気もするが、そことアメリカは仲がいい。自由主義を標榜しながらだ。

だがこれもアメリカ国民を守るためにやって来たことだ。アメリカ人にとっては良い事なのだ。だからアメリカ人は自分たちが世界から恨まれている事をあまり知らない。最近話しを聞かなくなったティーパーティー運動の連中なんか、逆恨みだと勘違いしているほどだ。
その矛盾の結果が、911だった。彼らの悪事はすべて自由民主主義のすばらしさを知らない国に教えるためであり、不当に苦しんでいる国民に手を差し伸べる行為だった。イランの革命は原理主義者・狂信者と一蹴された。そこにあるゆがみの本質を見ようとはしなかった。

そして自分たちがイスラエルを支持する理由も同根だと言うのに気がつかない。イエス・キリストの再臨は、イスラエルでしか起きない。そう信じているのはどこの国のファンダメンタリストなのか。



311はささやかな幸福のために積み重ねられた。明治や昭和の三陸大津波の記憶はあった。だが高度経済成長と人口の増加が、少しづつ人を油断させて来た。今まで山に近い所に住んでいた人たちが、だんだん平地に降りて来た。そしてそこが発展しだすと、開発が更に進む。人はどんどん平地に降りて来た。津波に記憶も、その中で最悪な明治大津波はそうないものだと考えるようになった。そう考えないと今住んでいる場所が危険すぎて住めない場所になる。昭和もそうそうないものだ。チリ大地震津波を警戒する街もあった。だがその危険ラインの内側に既に街が出来ていた。
行政も解っていたはずだ。そこに住むのは危険だと。だがあまりにも需要が多すぎた。少しずつ意識を緩めるたびに危険な街が出来上がっていた。
しかしリアス式海岸では、それ以外の発展の仕方はなかった。山を削ろうにも急峻すぎた。そして時代が下がって高齢化社会になると、そう言った造成地は更に好まれないし、そこに移り住む人も見込めなかった。停滞する経済と高齢化が、解決を遅らせた。


高度な科学も役に立たなかった。国際航業グループが津波シュミレーションを作っている。この中で田老町のものがある。明治三陸大津波が来たらどうなるのかだ。実はこのシュミレーションは二つあるようだが、いま捜したらきれいなバージョンしかなかった。

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YouTube: 明治29年三陸地震_津波CG 【岩手県:旧田老町田老地区】




もう一つ全体を定点で作ったものがあるはずなのだが、そこではこの画面の右側にある河川から遡上した津波が渦を巻いて街に落ちてゆくのが見える。


現実にはこうなった。


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YouTube: 岩手県被災地空撮映像-東日本大震災発生直後=海上自衛隊撮影




シュミレーションより規模が大きかったが、実はかなり再現していた。なお私が直後に検索した映像が、二つない事に気がついた。自衛隊の生映像とシュミレーション映像だ。何らかの配慮があったのだろうか。


911もそうだった。諜報機関から情報が上がっていた。警戒すべきだったのに警戒を全く怠った。当時ブッシュJr大統領は小学生の朗読を聞いていた。

もうどうしようもなかったのだ。もうすべては終わってしまったのだ。

そう考えて、また心に傷が増えるのであった。


台風が遠くにある日

2013-09-15 02:51:29 | インポート
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今日は朝から蒸し暑い。まだにがうりの花が咲いている。今年初めて植えたのだが、実はならなかった。


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今日目を引いた話題は、「テルマエ・ロマエ」の原作者・ヤマザキマリ氏が雑誌に付録の手ぬぐいを、私の知らない企画だ、とツイッターでつぶやいた事でネット上で話題になっていること。

この問題なのだが、日本は版権の取り扱いがとても悪い。私もあるコマーシャル用に撮った写真が、別なコマーシャルに使われて、この場合道義上連絡だけはくれと言った事があった。2回ほど続いたらそこからは仕事が来なくなった。田舎の広告代理店だし、切り売りした写真なのだからしょうがない所もある。だからそうなのだろうと思っていたのだが、マンガの世界はかなり凄まじい。まず原稿を作者に返さない。そして紛失する。更に他社から初期短編のアンソロジーを出すとなったら、まず余程でない限り出てこない。結構このトラブルは多い。
当然、カット抜きだしでコマーシャルに無断で使う事もある。ただこれは作者も広告として納得する話しだし、販促用品についてはあまり問題になっていなかった。

これらの問題は、出版社と編集者が同一組織にいる事、マンガ家はマンガを書きたくてしょうがない。雑務はしたくないという所から発生しているのは間違いがない。出版社としては雑誌の売り上げと単行本の売り上げを考えるし、編集者は作家のコントロールと資料集めから経理まで、ご飯の調達まで何でもやる。マンガ家は作品作りに集中したいから編集者に甘える。それでいて雑誌から切られる事を怖れて何でも簡単に済ませる傾向がある。
で、ずっとこういった形で仕事が回って来ていた。

それが雑誌が売れなくなって、出版社・編集部が世知辛い事になってゆく。仕事量が半端なく増えてゆく。その中で、今までなかった契約問題が浮上している。

ヤマザキマリ氏の言う事は至極もっともだ。この日経ビジネスオンラインの記事で、かなりな事を語っている。

彼女はイタリア人の夫を持っている。当然友人にも外国人が多い。「テルマエ・ロマエ」の映画は60億の配信成績を作った。だが彼女の原作料はなんと100万。で、これが発覚して以降、旦那とも友人たちとも険悪になったと言うのだ。

「マトモな契約も作れないバカ」となり、「そんなバカと友人だった私」という関係になったようだ。当然旦那は怒りまくっていたようだ。欧米の契約社会の考えでは当然そうなる。詳しくは記事を読んでもらいたい。

作者とコミュニケーションをどうとるのか、昔はある程度はうまくいっていたと思う。人も時間も余裕があった。あと互いに成長出来ると言う確信があった。だが今はない。マンガ家も一人で書いていた画から、アシスタント多数で書くようになった。当然経費は増大して原稿料では赤字、本が売れてなんぼになっている。

今独立編集者と言う形もはじまっている。ただエージェントとして成り立つかどうかまだ解らない。


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最近マジメに作品作りを初めている。だがここまでも手応えのないものは滅多にない。しかもだ、信じられないと思うが、今日撮影したのはたった40枚だ。真面目に悩む。
正直な所、この企画もまたオクラ入りしそうだ。

その間にとった田舎道。
賢治は歩いたかもしれない、そういえばかっこいいかもしれない。

賢治ネタだけは絶対やらないと決めています。


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今日はアイーナで、てつがくカフェ@いわて×映像サーベイヤーズの企画を見に行きました。てつがくカフェですが映像があれば話しやすいし、仙台の映像作家が何を考えているのか、ちょっと見たくてゆきました。結果ですが、かなり良かったです。こえシネマの高野さんの作品だけなのですが、カメラワークとか演出とかを最小限に抑える映像で、かなり好感が持てました。

プルーストではないのですが、なんというか紅茶とマドレーヌみたいな些細な事が記憶を刺激してゆきます。そのせいなのでしょうか、かなり盛り上がって1時間延長の会となりました。


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盛岡の秋祭りが始まりました。

震災後ですが、ブログをはじめたせいで真面目に見ている所もあります。山車は少し貧弱になっているような気もしますが、人が集まるって実は凄い事だと、見直しております。


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材木町の山車へのそば振る舞いです。


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今日は宮古でも秋祭りです。


シリア・メモ2

2013-09-14 10:44:06 | インポート
シリア情勢をイスラエルから見ると、結構面白い。

イスラエルは第一次世界大戦にイギリスが出した「パルフォア宣言」からはじまっている。戦費欲しさにユダヤ人と妥協したとも言えるが、初代イギリス・ロスチャイルドがイギリスで初のユダヤ人男爵位を貰うなど、イギリスにもの凄い貢献をしている。2代目は動物学者として有名だが、イギリスのユダヤ人コミュニティーの長である。彼にアーサー・ジェームズ・バルフォア外務大臣が、シオニズムを認めた書簡のことを、バルフォア宣言という。


ただ実際のところイスラエルはイギリス委任統治になり、建国は撤回、ユダヤ人の居住地(ナショナルホーム)の建設は認められる事となった。そこで世界各国からユダヤ人が入植してくるのだが、現地に住むパレスチナ人との争いが絶えなかった。詳しくは知らないが、土地の所有概念がどうも違ったらしい。そのもめ事をどうするのかで、ある時はユダヤに、ある時はパレスチナにと言った具合でイギリスもかなり苦労していた。そのうちパルフォア宣言に基づいて、イギリスはイスラエルの簒奪者と考えるものが現れる。つまりテロの頻発です。この状況に音を上げかけていたイギリスですが、アメリカが手を差し伸べます。「ユー、手を引いちゃいなよ、約束守るのはクールだゼ!」と言ったかどうか解りませんが、イスラエル建国が認められます。

問題はシリアです。特にシリアです。なぜかと言えばイギリスの三枚舌に一番煮え湯を飲まされていたからです。レバノンもヨルダンもイスラエルも俺のもんじゃなかったのか!そう言った思いがあります。その上イスラエルでのユダヤ教徒とイスラム教徒の対立もあります。イスラム教徒にとっては信仰を同じにしているものが苦しんでいるのを見過ごす訳には行けません。ましてやユダヤ教徒の国が出来るとなれば大義に反します。

ということで、第一次中東戦争が起きるのですが、歴史上日時がはっきりと解っている建国も滅多にない。1948年5月14日の建国宣言直後から戦争が始まる。
歴史上滅多にない包囲戦だ。レバノン、シリア、トランスヨルダン、イラク、エジプトが参加している。そしてゲリラ戦でイギリスから武器を奪ったりしていたゲリラがいるとはいえ、そして世界中のユダヤ人が支援するとはいえ、人口でいっても圧倒的に不利なイスラエルが、なぜか勝ったのだ。

理由は、生まれたての子羊に鷲が何羽も飛びかかったが、鷲同士が喧嘩してしまった。そういったことだ。
だが地域内で最大のエジプトは面子丸つぶれ、国境が最も長いシリアに至っては、確かに分割はされていて制限はあったが、面子どころではない。これが現在のシリアを作るアサド政権に繋がる。

アメリカのイスラエル贔屓と言うのがある。確かに経済の問題や、ホロコーストの問題もあった。彼らのロビー活動もある。だが、この時の中東のまとまりのなさ、というか露骨すぎる領土拡張の意思にあきれかえったと思う。イスラエル支持もその辺りにあると思うのだが、イスラエルが領土拡張の意思を出し始めると、アメリカもかばいきれなくなってしまう。

この後イスラエルはこの恐怖から抜け出せない国家になった。もの凄い科学技術もそうだが、軍事費の投入とかでも異常な国家になった。その後の中東戦争でも勝ち続けるが、勝てば勝つほど妥協が出来なくなる。
そして迎え撃つ、アラブもそうなる。特に国境があるシリアにとっては、最も効果的な兵器を考える。化学兵器だ。

化学兵器の、変な所の安全性と言うのがある。反応が速い物質なので簡単に分解してしまう。だから時間があれば防護服程度でも突入出来るし、もっと時間を置けば全く安全に動く事が出来る。核兵器や生物兵器との最大の違いだ。
イスラエルも戦略核で防御しても実際には使用出来ない。イスラエルが小国すぎるからだ。シリアに使ったら自分に跳ね返る。イラクやイランを牽制するには有効だが、現実的には使えない兵器だ。

イスラエルにとっては、シリアはとても嫌な国だった。テロリストの中継点でもあるし資金や資材援助もある。イスラエルに直接ちょっかい出さなくとも、周辺には支援する国家だし、化学兵器の保有もかなりある。エジプトとは和平を結んだので、一応は問題がない。モルシ政権は無くなった。シリアは現在内戦中だ。ハリネズミ国家と言われたほどの軍事国家では、安定期でもある。隣国の化学兵器が無くなる可能性も出て来たのだ。


ここまで書かないと、次には行けない。「米国務長官がイスラエル首相とシリア・中東和平協議、15日に」

なぜこの会談があるのか。いまシリアが化学兵器を破棄出来るかどうかがあるからだ。これが実現したらイスラエルの核兵器も縮小出来る可能性がある。イランの核開発問題も収まるかもしれない。


現在シリアをはっきりと支持しているのはイランだけだろう。だがここもイスラムの大義とは少し違う。アサド政権はイスラムと言っていいのかどうかというほどの異端宗派に属する。シーア派の大国としてのメンツとイスラエル憎しでシリアを支持しているだけなのではないのだろうか。最近のイランの動きはかなり現実的で、妥協点が見い出される可能性がある。

今の瞬間にどの程度イスラエルとパレスチナの和平協議が進むか、重要なポイントだ。