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第1回、精神医療とパスを学ぶセミナー
第1回目は、身体科、介護、精神科のそれぞれのスタッフが共にクリニカルパスを学ぶ過程を通して精神医療に触れ、退院調整、退院支援、地域以降の課題整理を行うことで、各職種の役割を理解し協働することを目的とした研修会を開催しました。
第2回目は、第7次医療計画の講演と具体的な事例を検討することで、精神疾患患者を地域でどのような支えていくかを多職種で考えてみました。
なお、本セミナーは北里大学医学部精神科の下村さんを中心に、杉浦地域医療振興助成を受け、鶴岡と沖縄(那覇)の2つの地域で実施されているモデル事業です。
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第2回「精神医療とパスを学ぶ」セミナー
日時:1月13日 13:00~17:15 、
場所:山形県立こころの医療センター
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1、第7次医療計画 精神疾患の医療体制
北里大学医学部精神科学 大石 智
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2018年は、第7次、保健医療計画として多くの計画が改訂される
保険制度と医療提供体制は医療制度の両輪
精神医療の現状
アルツハイマー と 気分障害 が増えている
(↑過剰診断もあるかも)
精神病床数 減少傾向だが、欧米に比し多く、在院日数も長い
在院10年以上は減少傾向にあるがまだ多い (7000人)
精神科における医師、看護師、薬剤師の人員配置数が、一般病院に比し低い
慢性期入院患者として、認知症入院が増えている(経営的側面もある)
改革プラン、入院から地域へ
山形県保健医療計画(第6次)
自殺死亡率20%、1年未満の入院退院率76%を目指すが、目標達成に至らず
第7次医療計画(精神)
あるゆる人が共生できる包摂的(インクルーシブ)な社会を目指す
精神科医療の機能分化と質向上等に関する検討会
精神医療の質をどう担保するか
質の評価:アクトカム指標の設定 退院率、再入院率、クロザリルの処方率、在宅への退院率など
各疾患毎の目標
例:統合失調症
対応できる医療機関の明確化、クロザリルの処方率
施策を確実に実現するためには、標準化、可視化、PDCAサイクルを回す必要がある
精神疾患の理解 偏見のない人々を増やす 包摂的社会の構築
2、うつを理解する
山形県立こころの医療センター 秋葉 大輔
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目標
うつ病って治るのか
抗うつ薬は効くのか
薬以外の治療はないのか
いつまで薬を飲むのか
うつ病の診断 (DSM-5)
診断基準:抑欝気分、興味・喜びの著しい減弱を必須症状に5項目以上が2週間存在すること
基礎的介入
支持的精神療法
心理教育 :病気の理解、積極的に治療選択に関われるよう 自己決定、
背景理解 うつ病へ至るまでの経過(遺伝的・発達要因、生育歴・生活歴、ライフイベント)
注意すべき併存疾患:発達障害、パーソナル障害、アルコール依存症
重症度の考え方
非精神病性(了解可能) 軽症 中等度 重症
精神病性 (了解不可能) 気分に一致した精神病性特徴、気分に一致しない精神病性特徴
推奨される治療
軽症:薬物療法のエビデンスは固まっていない、支持的精神療法・・
中等度~重症:抗うつ薬が有効、十分量、十分な期間、
精神病性:抗うつ薬単剤ないし非定型抗精神病薬との併用が選択し、切迫した希死念慮には、mECTを考慮
症例提示
軽症、重症、activation症候群
重症でないと、抗うつ薬は効果がでない?
軽症では、抗うつ薬とプラセボとの差がでない?
欧米では、軽症では、抗うつ薬は使用しない方向、
うつ病は治るのか
48-60週で、累積寛解率 70%
5年後での再発率は40%
大うつ病の5-10%が後に双極性障害
抗うつ薬は効くのか?
中等度以上では、効くが、軽症では?
薬物以外の介入
基礎的介入
孤立を防ぐ
心理療法
中等度では薬物療法併用
電気けいれん療法 mECT
いつまで服用継続
10か月程度継続した方が再発率は低い
再発を繰り返す場合、3-5年程度継続内服
「こんなに飲んでるの?」は、言わない!
3、事例検討
「希死念慮のあるうつ病患者の退院支援と地域連携」
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希死念慮のある84歳女性の事例について、医師、看護師、ケアマネ、ケースワーカー(行政)などから経過提示
4、ワールドカフェ
「うつ病地域連携パスには、どんな情報が必要か」
北里大学精神科学 下村 裕見子
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ワールドカフェ形式で、退院準備期、地域支援期における、本人・家族、地域が共有すべき情報についてグループワークを行った。